1週間が経ち界隈も落ち着いてきたかなと思うので記事にします。

金賞以上団体を個人主観交えたコメントを記していきます。
今期作品と基本同じの過去作品や今期作品(サービス精神旺盛!)のリハーサル映像等が公開されている団体はYouTubeリンクも紹介しておきます。
2.東海大学付属大阪仰星高校(大阪府)・・・金賞代表
大阪府大会の時から感じていましたが、今年の仰星マーチングコンテスト演奏演技は過去とは一味違うと感じていました。
今までの仰星のマーチングコンテスト演目は「コンサートバンドが歩いたら」という吹奏楽連盟マーチングコンテストポリシーを体現したかのような演奏演技で目を閉じていると立奏しているのかと思うほどの美しいサウンドでした。
でも裏を返せば「マーチングとしてはおとなしい」印象もありました。
今年の大阪仰星マーチングコンテスト演奏演技はメリハリ・キレを備えていて、「とてもマーチングらしく、それでいて美しく澄んだ仰星サウンドは健在」な演奏でした。
コンテ・フォーメーションもスピーディーでした。
昨年度吹奏楽コンクール全国初金賞ながら今年はまさかの関西吹奏楽コンクールで涙をのむ結果に終わった座奏のリベンジを誓っての関西マーチングコンテストだっただろうと思っています。
吹奏楽コンクールでは全国を逃したけど、マーチングコンテストでは2021年大会以来2回目の大阪城ホールへのキップを見事に掴みました♪
7.早稲田大阪高校(大阪府)・・・金賞代表
2018年全国では披露できなかったこの団体の十八番演目の一つ、「2蘭.」のリバイバル作品で挑んだ今大会。
この団体のマーチング演目はバラードやクラシックの名曲を大胆にアップテンポ&アグレッシブにアレンジした作品を採用します。
ここのオリジナルアレンジ曲は楽譜出版社から市販されないので早稲田大阪の演目はまず他団体が演奏することがありません。
今回作品は歌劇「トゥーランドット」をベースにアレンジしたもので、「トゥーランドット」をもじって「2蘭.」という作品タイトルです。
演奏面から言うと先の仰星には幾分及ばないのですがマーチングショーとしての演技との組み合わせ完成度はバツグンです。
とくに演奏演技後半の“誰も寝てはならぬ”フレーズの見せ場にむけて盛り上げていく展開はさすがマーチングが本領域の早稲田大阪です。
ルーツとなる阪急少年音楽隊時代から数えてもおそらく史上初のマーチングコンテスト定員81人いっぱい編成での今大会。
3年連続大阪城ホールキップを手にし、コロナ禍以降スローガンに掲げている“古豪復活”を堅いものしました。
早稲田大阪高校「2蘭.」作品(2018年早稲田摂陵高校時代 公開練習映像)
8.尼崎市立尼崎双星高校(兵庫県)・・・金賞
吹奏楽コンクールもマーチングコンテストも私立校が上位大勢を占める関西支部内高校カテゴリーで今や私立校勢に肉薄する数少ない公立校です。
3年前、精華女子高校がマーチングコンテストで採用した委嘱曲“ケルティック・ヒムズ”(樽屋雅徳氏作編曲)を選曲しての今大会でした。
早稲田大阪のオリジナル委嘱曲が門外不出なのに比べて精華女子や出雲北陵が樽屋雅徳氏に委嘱依頼した曲は委嘱団体独占使用期間後は楽譜出版社から市販され後年多くの他団体が採用するのを見かけます。
「イングランド・マジェスティ」しかり、「アメリカン・ドリーム」しかりです。
この曲は元は精華女子高校マーチングコンテスト用委嘱曲なので今回の尼崎双星の演奏演技も端々に精華女子っぽさを感じました。
当時の精華女子演奏演技映像を何度も見てお手本にされたのだろうなと見受けました。
厳かなケルト民謡のフレーズでの周回パレード、“ロンドンデリーの歌”の一節での堂々たるカンパニーフロント、そして演奏基礎レベルの高い尼崎双星によるサウンドが合わさり今大会は金賞に手が届くのではと感じたので結果には拍手拍手でした。
10.京都橘高校(京都府)・・・金賞
今大会の結果のなかで最も波紋を呼んだのが京都橘の結果でしょう。
今期は8月末の関西吹奏楽コンクールまで吹奏楽コンクール対応があった、今年度から指導体制が変わった、いろいろ厳しい条件が重なったのでしょう。
個人的には京都橘は代表には食い込むかと思い、代表5枠目は仰星✕早稲田大阪で競うかなと思いましたが結果はそうはならなかったです。
もともとよく動くコンテ・フォーメーションで挑む団体でしたが今期はそれに輪をかけて複雑でスピーディーに動くコンテ・フォーメーションでした。
マーチングでは動けば動くほどサウンドへの影響は避けられません。
京都橘もそれを分かっているから十八番“シング・シング・シング”をぐっと動きを少なく演奏も短くした“ザ・シング!”というアレンジバージョンを前々顧問先生時代に編み出しそれをフィニッシュに組み込んで全国進出を掴み続けていました。
今回も“ザ・シング!”はフィナーレに組み込んでいますがそれ以外の複雑&高速な動きが演奏面にマイナスに働いてしまったのでしょう。
賛否両論ありますが吹奏楽連盟マーチングコンテストの審査評価最大要素は演奏です。
そして支部大会で全国キップを競う団体のレベル差は紙一重、その時の何かしらの要素や運で入れ替わりが起きるくらいの僅差ということです。
11.四條畷学園高校(大阪府)・・・金賞
出場団体の中で唯一のマーチングバンド部なので唯一吹奏楽コンクールに出場していない団体です。
マーチングバンド部ながら木管奏者もいる編成であることと吹奏楽連盟加盟していることから吹奏楽連盟マーチングコンテストに出場することができます。
管楽器に金管奏者しかいない編成のマーチングバンドであれば吹奏楽連盟マーチングコンテスト(全日本マーチングコンテストにつながるカテゴリー)には出場できません。
大阪府大会から聴いて感じたのは、今大会は木管の響きをかなり増した“吹奏楽連盟の音”に寄せてきたということでした。
もともとマーチングバンド協会マーチングバンド大会(М協大会)を主戦場にしている団体なので大迫力のМ協サウンドを身上とするバンド。
吹連マーチングコンテスト(全国につながる部門)挑戦2年目の2023年に全日本マーチングコンテスト進出を果たしましたが、それ以降は大阪城ホールキップになかなか手が届かず関西大会でも銀賞に終わる年が続きました。
吹奏楽連盟の大会でも結果を出すための試行錯誤を繰り返されてきたと思います。
その結果が今大会のサウンドとそれが評価された金賞という結果でしょう。
М協譲りの大音圧サウンドの中にも木管をしっかり響かせる演奏が評価されました。
演技では毎回感じますがМ協大会を主戦場としている団体はマーチングコンテスト規程項目を演技の一部として魅せながらスマートにこなしていきます。
その代表演技としてМ協大会/吹連マーコン二刀流先輩である東京農業大学第二高校(群馬県)が先駆者として導入している周回パレード時に全員がフロントフェイス(審査員席側を向いた姿勢)を維持したまま一周回するパフォーマンスは四條畷学園も従来から採用しており今回も組み込まれていました。
他団体だと隊列が必ず背を見せ周回していく場面がありますが四條畷学園は全員が常に前を向いたまま、リアマーチ(後ろ歩き)を駆使し3つに分けた小隊形を細かく可変させながらぐるりと移動していきます。
このあたり、マーチングベーシックを徹底的に練習してきている成果ですし、規程項目も魅せる演目として組み込むショーづくりが上手いバンドだなと思っています。
四條畷学園らしい音圧音量は保ちながらも木管をしっかり響かせるサウンドを身に着け、吹連マーチングとМ協マーチングの演じ分けをマスターしつつある四條畷学園、近いうちにきっと2度目の大阪城ホールに返り咲いてくるでしょう。
12.滝川第二高校(兵庫県)・・・金賞代表
四條畷学園に続き吹連マーコン・М協大会二刀流団体です。
滝二としては珍しくМ協大会作品の吹連マーコン向けリメイク演奏演技でした。
2年前、М協全国大会初進出したときの“CATS”を持ってきました。
滝二マーチングは吹連マーコン=クール系、М協大会=ポップ系という印象でしたがそのイメージをあえて覆してきた今大会でした。
ということは今年のМ協大会作品はクール系かも。
滝川第二吹連マーコン作品の序盤1/3くらいは毎年固定です。
“歌劇リブシェより〜ファンファーレ”→“マーキュリー”の演奏で規程項目演技を全て消化し、残る2/3の時間はその年の演目をショーテイストで披露します。
他団体ではなかなか見かけない曲線多用した複雑なコンテ・フォーメーションをカレイドスコープのように変化させ次々と繰り出してくるのが滝二マーチングの特徴。
今大会のCATS演目は2年前М協大会でも魅せたネコ耳コンテ、ネコヒゲ&舌ペロコンテも組み込んであり視覚に強く訴える演技です。
この大きなネコ耳コンテを維持してのカンパニーフロントは他団体の横一列隊形カンパニーと比べて差別化を図るものでした。
終盤ではDMがネコ耳カチューシャをつけて演出していました。
兵庫県大会でこの演目を観たときは「今年の滝二はCATSリメイクを持ってきて今まで吹連マーコンではあまり見せなかったポップ系だけど勝算あるのか?」と思いましたが、今大会プログラムでは前後にクール&ストロング系の四條畷学園、トラディショナル正統派の箕面自由学園に挟まれ、このポップテイスト演目がとてもいいコントラストを放って観る者に印象づけていました。
さて全国ではこのポップな演目がどう評価されるでしょうか。
13.箕面自由学園高校(大阪府)・・・金賞代表
賛否両論ありますが2012年大会あたりから毎年変わらない演奏演技をおこなっています。
毎年固定演目という声が飛ぶのは部員メンバー達は百も承知。
固定演奏演技だからもちろん毎年高い完成度です。
観覧者側からすると目新しさはないですが、規程抵触でもありません。
毎年新しい演目を作り出し挑む団体、毎年同じ演目の団体それぞれに考え方・戦い方を持っての大会参加ですからそれを外野があれこれ言うのはお門違いというものです。
毎年変わらない演目と分かっていても、頭文字の「M」を大きくかたどったコンテでのフィニッシュではしっかり拍手してしまう出来の素晴らしいパフォーマンスです。
箕面自由学園高校マーチングコンテスト作品(過去収録映像より 1:30〜7:30の部分がマーチングコンテスト演目)
18.京都両洋高校(京都府)・・・金賞代表
演目は「INTO THE LIGHT!」とネーミングされていますがアメリカントラッドマーチを鈴木英史氏の手によりメドレー編曲したものです。
「海を越える握手」「トゥルーパー・サリュート」など指導者藤重先生がかつて精華女子、活水を率いて全国の舞台で演奏したナンバーが盛りだくさんの藤重先生十八番ナンバーメドレーでした。
パレコン王道藤重先生ワールドの演技と今年度ついに掴んだ全日本吹奏楽コンクール進出のサウンドと相まって「これは、マーチングコンテストも全国は堅くて、京都両洋史上初の吹奏楽コンクール&マーチングコンテストダブル全国進出だ」と確信するほどでした。
そしてこれまた藤重マーチングの特徴である“DMはパフォーマー”として魅せるマーチングで身軽でアクロバティックなパフォーマンスのできるDMでした。
対してコンテ・フォーメーションは実はそれほど奇をてらったものではなく比較的ベーシックなコンテ・フォーメーションを採用されています。これは藤重先生が指導してきた精華女子、活水と共通です。
ただしそれらマーチングベーシック、トラディショナルなコンテをとても高精度・精密に仕上げているので見る者にハイレベル印象を与えます。
かつて全国に出場した我が子たちの指導者も言っていました「複雑なコンテや派手なパフォーマンスをしなくとも、ベーシックを極限まで磨き上げ極めればそれ自体が大きな武器になる」。
それと同じく実践しているのが藤重マーチングだなと思います。
京都勢高校としては吹奏楽コンクール&マーチングコンテスト同年ダブル全国出場果たした団体は今年の京都両洋が史上初らしいです。
いやはや京都両洋の躍進はすごいですね~。
藤重先生ってやっぱりすごいんですね~☆
以上、個人主観溢れた大会観覧コメントでした。
代表になられた団体皆さんの大阪城ホールでの今期最高の演奏演技披露されることを応援しています☆

