なぜ共産党は北朝鮮への経済制裁法案に反対だったのか、への共産党からの回答2 | 途中下車前途有効 Ameba Version

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この合意にてらせば、今回の米朝の動きは、朝鮮半島の非核化と、米朝の国交正常化にむけた一歩前進であり、これらの課題が先行して前進することは、拉致問題を含む日朝間の懸案を解決する妨げになるものでなく、その解決を促進しうるものであります。

 わが党は、日本政府が、つぎの基本的立場で外交交渉にのぞむことが大切であると考えます。

 第一は、いま進みつつある朝鮮半島の非核化への前向きの流れを積極的に促進する姿勢をとることであります。北朝鮮の核兵器開発で最も脅威を受けるのは日本です。日本がこの問題の解決に率先してとりくむ姿勢をしめすことは、拉致問題にたいする国際的理解と支援を高めるうえでも役立つでしょう。

 第二は、日朝平壌宣言にもとづいて核、拉致、過去の清算などの諸懸案を包括的に解決する外交戦略をもつことであります。この点では、米国政府が、「圧力一辺倒」から転換し、「行動対行動」「段階的解決」という原則にたった外交戦略をもち、事態を一歩前進させたことは、注目すべきであります。

 わが党は、早くから、六カ国協議の枠組みを、当面する核問題の解決だけで任務を終わりとせず、北東アジア地域の平和と安定を保証する枠組みに発展させることが重要だと指摘してきましたが、関係各国の努力によってそうした方向への前進がはかられていることは、重要であります。この努力がさらに前進し、「平和の北東アジア」への展望が開かれることを、心から願うものであります。

 外交姿勢

 もう1つは、外交において一番大事なことは、道理だということです。「弱い犬ほどよく吠える」という言葉もあるとおり、勇ましいことを叫びたてるのが「強さ」ではありません。道理ある態度と主張をつらぬくことが、外交において一番の「強さ」になると、私たちは考えています。

 その意味でも、「行動対行動」「段階的解決」という「道理」をふみはずす対応は、今後の外交のなかで、「強さ」ではなく「弱点」となるものです。「制裁」で相手が音を上げるのを待つということでは、戦前の「砲艦外交」と変わるところがありません。率直にいって、こうした対応しかできないところに、日本政府の北朝鮮への対応の一番の弱点があると、私たちは見ています。

 この点では、07年の憲法記念日に日本共産党の不破哲三社会科学研究所所長がおこなった講演で詳しく論じていますので、ご参考までに該当部分を紹介します。

(2)軍事優先主義が日本をもっとも外交に弱い国にする

  【いまの世界では外交こそが安全保障の主役】

 次に考えたいのは、外交の問題です。

 いまの世界では、国の安全保障にとっていちばん重要なものは、外交です。どの国でも、自分の国のまわりに平和な国際環境をどうやってつくるか、国と国との平和的な関係をどうやって築いてゆくのか、ここに大きな力をそそいでいます。他国と紛争が起きたときにも、まず平和的な方法でそれを解決することに力をつくす、これが当たり前のことになっています。

 日本の南側に東南アジアの地域があります。この地域の国ぐにが、いまから三十一年前の一九七六年、話しあって「東南アジア友好協力条約」を結び、たいへんよい国際関係をつくりあげてきました。 


 条約には、お互いの国内問題には干渉しない、意見の違いや紛争が起きたときには平和的手段で解決する、武力での威嚇や武力の行使はお互いに放棄する、こうしたルールが明記されています。ベトナム戦争の時には、武器をもって戦いあったこともある国ぐにをふくめ、東南アジアを平和の地域にしようということで、この条約を結んだわけで、それ以来、平和への流れがずっとすすんでいます。

 最近には、この平和の流れの仲間入りをしようという声がまわりの国ぐににも広がり、一九八七年には、域外の国の参加も認めるように条約が改定されました。これにもとづいて、二〇〇三年には中国とインド、〇四年には日本、パキスタン、韓国、ロシア、〇五年にはニュージーランド、モンゴル、オーストラリアが加盟し、今年〇七年にはヨーロッパからフランスまでが参加しました。いまでは、世界の人口の半数近い国ぐにがこの条約の仲間入りをしているのではないでしょうか。

 こういう平和的な関係を外交の手段で広げてゆこう、というのが、いまの世界の大きな流れです。


 さきほど述べたように、イラクなどで「力の政策」を前面に押し出したアメリカでも、それだけでは今日の世界に対応できないことを悟り、一方では外交にも力を入れざるをえないでいます。


中国への対応でも、国防総省あたりは、「将来の脅威」になる国だといった発言をしきりに繰り返しますが、アメリカ政府の対外活動では、中国とアメリカのあいだに「戦略的な利害の共通性」があることを大いに強調し、米中関係を発展させる仕事に綿密な戦略をたてて取り組んでいます。


北朝鮮の核・ミサイル問題でも、平和的解決の条件が見えてきたら、それを実らすためになかなかの手だてを講じて外交作戦を展開します。(以下、3に続く)