投手力の話しに移る前に、何人かの方から「どうすれば選球眼が良い選手を獲得できるのか」「選球眼というのは練習で上達するものなのか」というご質問をいただいたので、私なりの考えを一言。
「マネー・ボール」によれば、「大学時代に選球眼がいい選手は、たいていプロに入っても選球眼がいい。ボール球に手を出す選手をプロ入り後に矯正できるかというと、どうも、選球眼は生まれつきの問題なのかも知れない。」。として選球眼のよさは先天的な才としているくだりがあります。
従って、まずはその先天的な才を見出すスカウティング能力が求められます。その分かりやすい指標が「四球の数」や「一打席あたりの投球数」です。しかし、先天性だけではやはり同じような見方をするライバルに遅れをとる可能性は否定できません。
そこで、後天的に鍛える方法も考えないといけません。
私的に突っ込んだ分析をすれば、球の見極め力は大きく「視力」と「反応力」に分類されると思います。
眼の良さは単純な「遠くのものが良く見える視力の良さ」ではなく、動くものをすばやく見極める「動体視力の良さ」です。
「視力の良し悪し」は天賦の才が100%ですが、「動体視力の良し悪し」は、多少なりとも後天的に鍛えられると聴いたことがあります。人間の対応力は素晴らしいもので、動きの早いものを見極める仕事についた人は先天性に関係なく動体視力が向上するそうです。
更にその視力に応じた反応力が重要です。いくら眼では分かっても、それに体がうまく反応できなければスポーツ選手としては意味を成しません。その鍵を握るのは「瞬間的な動きを司る筋肉をいかに鍛えるか」です。筋肉は総合的に体を動かす働きをすると言う点ではまったく同じですが、「瞬発力」に対応する筋肉と「持久力」に対応する筋肉とではまったく性質が違うそうです。瞬間的に対応する筋肉は「柔らかさ」が重要だそうで、柔らかな筋肉を造ることは後天的にも可能です。
この動体視力と柔らかな筋力の向上を取り入れたトレーニングの強化で、後天的に球の見極め力をアップさせることは十分可能と考えています。
更に言えば、選球眼の良さは「性格」にも拠ります。四球を嫌がる、何が何でも打ちたい、という性格の打者も多いことでしょう。そういった人たちは、例え動体視力がよく瞬間対応筋力が優れていても早打ちに走る。四球で出塁するよりたとえ凡打になっても「打って終わるのが打者の役目」という考えです。その考えは良く分かります。私も野球小僧だった頃、8人待ってやっと回ってきた打ち気満々の打席が「フォアボールで終わる」なんてとにかく嫌で、スリーボールになったら悪球でも何でも振り回したもんです。
しかし、プロがそんな「自己満足」や「好き嫌い」で動いたのではいけません。ここは「マネジメント」の力で選球眼の良さ、四球で出塁することの良さを評価して、組織力にまで高めないといけません。
オークランドアスレチックスでは同じ打率なら「早打ち」する打者は評価が低く、「相手投手に投げさせた球数の多寡」も重視して、最終的には「四球を含めた出塁率」が最大の評価指標になっています。せっかちな性格の打者も打ちたい盛りの打者も、チームの勝利を優先させています。
中小企業を強化するイロハ。
「埋もれた才能を見極め採用・抜擢する」
「明確な方針を打ち出す」
「その目標に合致した才能を身につけさせる独自の教育を行う」
「マネジメントを軸とした組織運営を行う」
・・・やはり同じですね。