カープ再生論(6) | アツキココロ

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広島県在住の経営コンサルタント・児玉学の熱血ブログ。

昨日の広島対横浜の試合をちらっと見ましたら、9回裏にちょうど梵が代打で出てきて、地面に叩きつけるバッティングで内野安打を放ちました。あれですよ、あれ。結果できた1死満塁のチャンスを、後続の凡退でモノにできず結局セオリーどおりその次の延長10回で逆に点を取られ負けましたが。(チャンスが潰えた時点でほぼ予測できた。)


昨日代打で出てきた時点の梵は、打率1割を切ってました。でもあのバッティングに徹するなら、そしてスイッチへの挑戦をするなら・・・私は彼を使い続けるべきだと思います。


サッカーのワールドカップ代表なら「今最も調子の良い選手を使う」というのが正解ですが、それはトップ中のトップチームのこと。地方・零細企業のカープは、「少ない経営資源をいかに生かすか」を考えながら、他とは違う形を創り出さねばなりません。

かつてカープの黄金期を作った古葉監督も、高橋慶彦を見出し「お前が一人前になるのが先か、俺が首になるのが先か」という覚悟で彼をスイッチヒッターに仕立て上げ辛抱強く使い続けました。戦略に基づいて「育てながら」戦うのは必要不可欠なんです。


ほかには怪我で戦列を離れている尾形佳紀。彼の復帰で理想の1,2番が組めるんですが。ちなみに記録を見ていてびっくりしたんですが、昨年のカープの個人盗塁数は5月末に戦線離脱した尾形の9個が最高だそうで・・・。1年間フルに稼動した選手が如何に走っていないか、よく分かります。


足が速く選球眼のいい粘っこい選手の1,2番(できればスイッチヒッター)。

クリーンアップは嶋・新井・栗原と当面心配しなくても良い選手が育って、今から4~5年はピークを迎えそうです。但し、あくまで選球眼重視。四球も評価すべきで、振り回すだけのバッティングはご法度です。

6~7番にベテラン組。このあたりに置くと脅威になります。ただ、緒方あたりにはもう少し走って欲しい。走らなければ若手と併用で。若手は技術でかなわないところを、「スピード」と「粘っこい出塁率」で勝負しなければいけません。ベテランの活用はやはり経営資源に乏しい弱小球団では大事なことです。ただ「プライド」だけ突出することの無いようバランスをとりながら。


守備には目を瞑りましょう。これもデータ分析してみないと確たることは言えませんが、「守備力で勝った」といえる試合がいったいどれくらいあるんでしょう?オークランド・アスレチックスのデータ分析では「ひとつの出塁で複数のエラーをカバーできる」としています。


そうすると、東出あたりも俄然使えますね。いいじゃないですか。1個エラーしたら2回出塁すれば。

何もかも得ようとすれば、何も得られないのが常ですから。

強みをより強化する。そういう意味では東出はもっとのびのびとエラーしないといけません。今までの東出はベンチやファンの目を気にしすぎ。はたまたベテラン投手に気を使いすぎのか?。守備の萎縮がそのままバッティングに影響して、昨年まではひどかったですね。今年は今のところ守備もいいようですが。「出塁率にすべて神経を集中」させれば、彼はやはりカープ野球の体現者になれます。そう言えば一時スイッチヒッターにも挑戦していたはずですが・・・。あきらめちゃったんですかね?惜しいな~。高橋慶彦、山崎隆造、正田耕三、皆ものすごい練習量でモノにしたんですがね。地方貧乏球団でも、練習量に制約はないはずで。最近「練習のし過ぎは良くない」とか「考えたトレーニングで」とが盛んで、ともすれば「量」の軽視が見られますが、本当のトップ選手は量を確実にこなしています。


ところでオークランド・アスレチックスでは「盗塁」の価値を認めていません。出塁率にはとことんこだわりますが、盗塁はリスクが3割もあって勝利に対する貢献度は低いのだとか。だから盗塁は原則サインを出さない。単独のスチールは認めているそうですが、失敗したときにはこっぴどい罰が待ってるとか。


でもカープは、初優勝したときの最初のルーツ監督が「失敗しても構わないから常に次の塁を狙え」と鼓舞して以来の「走る野球」が身上です。特徴(インディビジュアリティ)が無ければ、零細企業は生き残れません。「投手力のカープ」と言われた時期もありますが、あれはやはり「素養を持った天才投手」がたまたま同時期にピークを迎えた結果であって、本来は「戦略」と「戦術」でかなえられるチームカラーが大事です。投手力で勝つ、というのは戦略でどうこうできる野球ではないのだと覚悟する必要があります。


と言いながら、では次はその投手陣について再生論を。


(つづく)