すまいのレシピ【すまレピ】 フィンランド便り -9ページ目

すまいのレシピ【すまレピ】 フィンランド便り

フィンランドの最新インテリア、家具、インテリアアイテム、インテリアコーディネート情報、現地の日常など、様々な情報を現地特派員がお届けします。

4月1日は​、エイプリル・フールで始まります。

嘘をジョークとして遊ぶ仕来りは、どこのから発祥したのか?

子供へは、嘘をつくと針千本飲まされるとか大変な教えにもかかわらず、嘘が認められる日であります。

クリスチャン宗教では、4月初めはキリストの十字架処刑の苦しみからの復活を祝うイースター祭で、家族が集まり、家族同士で祝う祭日です。家族同士での食事会は羊肉料理をメインディシュとして祝います。子供達の楽しみは、ハロウィーンの様に魔法使いの化粧をして近所を回りながら、チョコレートを貰い集める習慣です。

 

4月の初めイースターの祭日の前の3月末の週末は、子供達のチョコレートを貰い集める、イースター祭の楽しい日々であります。しかしチョコを貰うためには、仕事があります。心を込め、健康を祈る魔法のまじないをしなければなりません。まじないを覚えなければなりません。そして、その前日には健康の祈りを捧げる魔法ステックを作らなければなりません。まず、猫柳のつぼみが付いている枝を探し、適当な長さに切り、カラーフルな羽を付けて、悪病を消し飛ばす魔法スティックを完成させます。

健康を祈る日には、魔法使いの化粧をし魔法使いの衣装を着て、魔法スティックを忘れずにもって出かけます。
ドアベルを鳴らし、近所の優しい顔が現れます。昨日覚えた健康を祈る魔法の言葉を大きな声でスティックを振りながら語ります。魔法の言葉は、 "ビルボン、バルボン"。そして健康を祈る言葉 "不老不死の健康をあなたへ差し上げます" そして"わたしへは、報酬をください"と願います。するとチョコレート・エッグの報酬が貰えます。

大人のイースター。3月30日金曜日の週末から、土・日曜日を含め4月2日月曜日までの4日間が休日になります。春を感じながらのウキウキ休日で、家族団欒でゆっくりとフェスティブな食事を楽しみます。テーブルの飾り付けは、黄色を主体にテーブルをセッティングします。花は黄色の水仙です。

デザートは、新鮮な黄色のクラウドベリーと生クリームパフェ。

フィンランド生まれのムーミンが世界で一番愛されている国は日本である事は確かであります。ムーミンが醸し出す哲学的発想の理解は、日本とフィンランド両国の文化類似点であると思います。自然を愛し、無い物は自分で作りだし、助け合いを大事にし、シンプルな生活環境で暮らす姿勢は、とても愛らしい性格であります。カバの先祖の様なスタイルも誰にでも好まれるユーモラスさがあります。
地元ヘルシンキに昔からムーミン・カフェが街角にあっても不思議ではないのですが、日本で愛されるムーミンの人気に影響されてか、最近になってムーミン・カフェが点在する様になりました。
ムーミンの人気の理由は、子供達だけを対象にしたストーリーではなく、人生哲学を感じるストーリーが含まれており大人も子供と一緒に鑑賞できるからでありヤング層に受けています。ムーミンの魅力をヘルシンキでもっと、もっと理解度を高め、自慢できる国の象徴を増やす意図があるのかもしれません。1990年にムーミンのアニメ動画が日本のアニメイターによって作成され、テレビ放映されました。日本の子供達を対象にしていたのですが、フィンランドでも放映される様になり、フィンランドでも好評でした。ムーミンが日本で人気を高め、フィンランドでの人気がさらに高まった例であります。

 

歩道から撮影したムーミンカフェの窓。ムーミンがDIYで工作している絵が描かれています。ムーミンの家を自分で建てているのです。多くのフィンランド人が子供の時、親がDIYで自邸を建てる手伝いをしながら、大工のノウハウを身に付ける経験をムーミンが表しています。ムーミン哲学の一つである "無い物は、自分で作り上げる" 精神であります。

 

ガラス窓には、インテリアとしての大きなムーミン・ランプが飾られています。子供部屋のインテリアにとても似合いそうです。カフェには、ムーミンの作家トベ・ヤンソンが描いた絵とムーミン・グッズでいっぱいのムーミンの世界です。彼女の原画のタッチは、厳しい現実性を表し、小さな子供には、少し向いていない様な、芸術性あるムーミン絵画を見付ける事できます。ムーミン博物館は、ヘルシンキから160km北、タンペレ市にあります。

 

カフェへの入り口。窓際に沿って置かれた台は、クッションが置かれており座れる工夫がされています。
 

今週のフィンランド便りは、多くの人に好感を与えないかもしれませんが、ぜひ聞いてください。


イナゴの料理は、どこかのストリート・キッチンでおいしそうに食べている映像とか、またフランス料理には、蟻の幼虫とか、中国料理で雀巣とか、世界の様々な食べなれていない料理の話は誰もが聞いた事、見た事があると思います。


昆虫を自分で食べる事になるとは、夢にも思わないと思いますが、炭水化物を不健康食と考える食習慣は急増しており、今フィンランドでは、近い将来、昆虫食に変貌する可能性は大きな話題になっております。
それまで、昆虫を口にする映像は、勇気のある行為と思っておりました。しかし、歴史を調べてみると、タンパク源の高い昆虫は普通に食されていた事がわかりました。

人口過剰で食料難の未来図が語られる現在、フィンランドでは、食甲虫栽培、そしてその料理法に力を注ぎだしています。その料理法もまだ一般化してはいないものの、日常食としてテーブルに置かれる日は、間近になりそうです。

例として、乾燥させた昆虫を粉にしてパンの原料とする作り方が、新聞で紹介されていました。

ヘルシンキとストックホルムを往復する豪華船内のレストランで春のメニュー・キャンペーンとして昆虫料理をメニューに載せた、驚きのニュースが新聞報道されました。

ヘルシンキに旅行する予定のある人、まだ昆虫料理は、街角では出くわす事ありませんので、心配はありません。

よく見てください。料理は、フィレ・ビーフステーキ、バルサミコを絡ませたドレッシングと共に3㎝程の長さの幼虫が混じっています。

線合にイナゴ料理のキャンペーン・ポスターが張り出されていました。

"近い将来の珍味。イナゴ料理は、貴方の舌を満足させます。勇気を出して試してみてください"。

イナゴをおいしく食べる料理クッキング・ブックも販売されています。

昆虫食栽培企業は、以前からありますが最近の売り上げは、急上昇している様子です。

正当な北欧レストランは、イタリアン、中華、日本レストランの人気に隠れて、北欧でも数少ないため、レストランの選択肢が限られています。

 

北欧グルメの特色は、独特の珍しい食材にあります。北欧サーモンは、日本でも珍しくありませんが、地元のスーパーでも手に入らないトナカイ、熊の肉などの珍味は、北欧レストランだけが取り扱っています。トナカイのフィレ肉は、ビーフを思い出す味で抵抗なく美味しくいただけますが、シチューなどに使うトナカイ肉は、独特の癖味があり、少し慣れないと抵抗があるかもしれません。マッシュポテトと甘酸っぱいリンゴンベリーのジャムを添えて頂きます。ピックルスも地方の特徴によっては添えない事もあります。

そしてデザートには、日本ではお目に掛かれない珍しいベリーを使った北欧の味が楽しめます。

北欧の料理の一つの特色は、甘酸っぱいベリーを煮込み肉料理に添えています。北欧のイケアでだされているミートボールには、いつも添えてあります。トナカイの煮込肉は、トナカイの脂肪分がうまく調和されており、きつい寒さの北欧では、体を暖めてくれる冬場料理として評価されています。

北ラップランドの沼地だけに育つ珍しい高価なラッカと呼ばれるベリーがあります。

味はなかなかのものですが、種があり初めは抵抗があります。慣れてくると噛む種の食感がベリーの風味と交じり合い食通の方々へお勧めします。国を代表するベリーの一つであります。

イッタラのワイングラスに盛り合されたデザート。ラッカは中間層にサンドウィッチされ、白クリームと赤のラズベリーと緑のシトロン葉で色合いを調和しています。

イッタラのグラスに盛り合わせたプディングの上にラッカをのせ、シトロン葉で飾っています。

 

ラップランド地方発祥のブレッド・チーズは、トーストの薄さの円形のチーズです。

牛、羊、トナカイのミルクから作ります。最後に軽くあぶって焦げを付けて出来上がり。ラッカを添えたブレッド・チーズ・デザート、ラップランドの発祥です。地元の人達は、小さ目に切ったブレッド・チーズをコーヒーカップに入れ、熱いコーヒーを注ぎ、半溶けしたクリーミーなチーズがなんといえない味を醸し出しデザート・ドリンクとして楽しまれています。


ラッカを使ったデザート。

簡単にアイスクリームにラッカをまぜ合わせ、クッキーを添えれば、時間のない忙しい時のゲスト接待にもってこいです。

通常フィンランドの冬は長い間雪で覆われ、雪との付き合いは珍しくありませんが、今年の冬は驚くほどの暖冬で、雪が積もったのは2月になってからです。

今では薄くなってしまい、スキーマニアには、もっと雪が降ってもいいのにと望む程です。

フィンランド人は、11月から3月までの期間、マイナス10度から20度の寒さが5か月程続く冬を体験し続けてきました。しかし最近の冬は暖冬で、マイナス10度以上になった日は、数日しかありません。2~3度の気温が続いているのです。一方、ニュースでは、氷点下になった南ヨーロッパの都市や日本でも予想外の大雪ニュースを聞きました。

住民にとっては暖房費が節約できるメリットがありますが、不思議な思いです。

フィンランドの冬の楽しみでもあるスポーツはノ―ディック・スキーで、自然に囲まれた住宅地でも楽しめます。大雪が積もった時の写真をお送りします。海岸のビーチに雪が積もりました。今年初めの大雪にノーディックスキー愛好家にとって、たまらない日でした。

海辺の砂浜は、夏は日光浴、雪が降れば、ノーディック・スキー場に変貌します。写真の背景には、森のスキーコースが続いて居り、一周10㎞程、森の景色を楽しみながら運動します。

ノーデック・スキーの幅は狭く6㎝程で、外温度の状況に合わせて適当なワックスを選びスキーの底に塗ります。この知識があるとないとでは、スピードに大きな差が出てきますので、アマチュアでも知っていると楽しさが倍増します。

マイナス10度以上が数日続くと車の重量も十分に耐久できる程の氷の厚さになります。しかし今年は、暖冬のため危険性が高い様子で、凍った表面を散歩している人は殆どいませんでした。

夜中に雪が積もると朝一番、スキーヤーは、布団のような柔らかさの、真っ白で足跡の無い雪の上に2本の線を描き残します。一日中、スキーができる環境は、素晴らしいです。

帰り道に海岸の公共道に駐車している長い車は、通常乗用車の3台か4台分のスペースを必要し迷惑千万ですが駐車料金も長さ分支払うのでしょうね。