すまいのレシピ【すまレピ】 フィンランド便り -16ページ目

すまいのレシピ【すまレピ】 フィンランド便り

フィンランドの最新インテリア、家具、インテリアアイテム、インテリアコーディネート情報、現地の日常など、様々な情報を現地特派員がお届けします。

いつも通っている散歩道に、突然想像もできない家が現れたらどうしますか。

事務所のあるヤルベンパーから10㎞程離れた隣町においしい寿司屋ができたので、時々訪れることがあります。

車をいつもの駐車場において寿司屋に歩いて向かおうとすると、
目の前にピンクの刺しゅうに覆われた一軒家が目の前に現れました。

驚きと好奇心に満ちた気持ちで家に近づいてみると、地元の古い一軒家のギャラリーが、刺繍の服をまとったギャラリーに変身!
海外から招いたアーティストと、地元のボランタリーが力を合わせて創り上げた奇抜なアイデアのアートでした。そして、人の心を動かすアートの楽しさを感じました。​​

ピンクの刺繍を着飾ったギャラリー1

ピンクの刺繍を着飾ったギャラリー2

木の葉の間から、ピンクの刺繍で覆われた家が目に飛び込んできました。

庭に近づいてみると、ギャラリーの展示会イベントの看板が立っていました。
ピンクの刺繍による効果で、好奇心の強い来客の数があとを絶ちませんでした。

ピンクの刺繍を着飾ったギャラリー3

ピンクの刺繍を着飾ったギャラリー4

ピンクの刺繍飾りごしに、ギャラリーの部屋の窓からピンクの光が射しこんでいました。
まだ紅葉は始まっていませんが、そろそろ始まりそうな秋の気配が深まってきているフィンランドです。

フィンランドでの冬場の体験は、自慢話しのできる寒中水泳です。

ヘルシンキの波止場に都市計画の一環として、9月の初めに屋外プールがオープンしました。街の中心からブティック、高級ホテル、カンピ、マリメッコ、イッタラなどのショッピング・エスプラナーディ通りを通りぬけるとこの波止場にたどり着きます。波止場の象徴マンタの噴水銅像を通り過ぎ、市電のレールに沿ってヘルシンキ市庁、スエーデン大使館、大統領の公邸が立ち並ぶヘルシンキの顔となるメイン通りを過ぎると、数年間、グッゲンハイムの美術館の建築計画について論議されてきたスペースに広がる屋外プールが目を引きました。

グッゲンハイム建設計画が反対されたのは2年前で、フィンランド文化を象徴する暮らしや健康・自然治癒を目的としたサウナと、寒中水泳ができるモダンなプールが完成しました。

3つのプールは屋外に設置されており、冬場のマイナス10度以下の時などは、プール利用者が何人いるかを見るのが楽しみです。といっても凍らない限り、水温は0度以下には下がりませんので、実際サウナに入ってみると想像していたほど辛くはなく、素晴らしい経験になります。

多少の慣れが必要になりますが、慣れてしまうと寒中水泳はなかなか気持ちよく、健康的なこともあって、きっと病み付きになることでしょう。

3つのプールのうち、一つは常温の海水プールと、他2つは温水プールです。
マイナス20度になると、濡れた髪は数秒でコチコチに凍ってしまう程ですので、海外からの観光客は、フィンランド人の勇敢な様子を見ることができます。

寒中水泳-1

市庁、スエーデン大使館、大統領官邸、そして朝市が広がる波止場の一画に野外プールがオープンしました。官僚が立ち並ぶエイリアでありますので、テレビでよく見る政治家にも、たまにプールのサウナで出くわす事もあるかもしれません。

寒中水泳-1A

この角度からは、3つのプールを撮る事できませんでしたが、奥にある3つ目の温水プールには朝8時前から水泳をしている人がいました。この時間帯には、多くの定年者が朝早起きして、6時から使用しています。
若者の場合は、水泳とサウナを楽しんだ後、スーツに着替えて仕事へ行く人もいます。

寒中水泳-1B

プールの脇には広めのスペースが設置してあり、夏場は大勢の人達が日光浴をできる様に、動きやすく配慮されています。

寒中水泳-2

寒中水泳-2A

プールの隣にはヘルシンキンの全貌が観賞できる観覧車。ロマンティックなデートの夜に適しています。
そして野外と室内カッフェで一時を過ごします。
ヨーロッパにいると、隣国への旅は東京・大阪を旅する感覚で簡単に旅する事ができ、海外の情報をフォロウする事が出来る魅力があります。

毎年、9月の初めに開催されるヘルシンキのインテリアデザインフェア・ハビタレ、そしてストックホルムの2月開催されるインテリア・デザインフェアには近さのおかげで毎年往復しております。
未来は、アメリカで開発されているチューブ圧風技術のおかげでヘルシンキ・ストックホルム間は、隣の家へ行く感覚で旅行できる様になるとのニュースを耳にしました。その速さは時速1000㎞!!

以前から北欧への旅は、パスポートが無くても簡単に旅する事が出来、最近では、EU加盟国の間では、どこでも簡単に入国でき、仕事もパスなしでもできる様になり、良い面と悪い面が交差し政治問題も発散しているニュースを頻繁に耳にする様になりましたが、簡単に行ける魅力は世界感を大きく広げています。

ヘルシンキ・インテリアデザイン・フェア-Habitare1

ヘルシンキ・インテリアデザイン・フェア-1Aj

フェア会場に入ると初めに目を引いたデコレーションは、多種のイベントが催しされるブースの上に巨大な風船照明。レクチャー会場の上に吊り下げられた、巨大UFOを連想させる照明のお蔭で、遠くからも目に入りやすく、簡単にイベント会場をスポットできるよう工夫されていました。

ヘルシンキ・インテリアデザイン・フェア-Opening

インテリアのプロを集めた会場で開かれたオープングパーティは盛り上がっていました。

ヘルシンキ・インテリアデザイン・フェア-play

ヘルシンキ・インテリアデザイン・フェア-Habitare5

ヘルシンキ・インテリアデザイン・フェア-5A

子供連れの来賓のために、子供のための遊び場は、はだしの足に優しい色違いのカーペットが引かれています。
遊び道具の中で人気の物は、エーロ・アールニオ・デザインのポニー。
彼は、フィンランドを代表するコンテンポラリー・デザイナーでプラスティックに拘った作家として世界で名を知られています。
乗馬して遊べる子供玩具としてだけでなく、どこのスペースに置いても似合うデザイン性は高く評価されています。

ヘルシンキ・インテリアデザイン・フェア-play1

ヘルシンキ・インテリアデザイン・フェア-play2

フェアのシンボルの巨大風船照明のような玩具はタイヤの様に回り、遊ぶ玩具として、海水浴でのフロートしても楽しめそうです。

それだけでなく面白いポイントは、中心にある軸は下方に押しとその段階により回り方が激しくなったり柔らかくなったりするバリエーションがありました。

そして止まるまで押すと、フロアーの表面が平らであればピタッとくっ付く仕掛けがあり、固定したクッションとしても使えます。
かつて、フィンランドの一軒家やマンション住居などの住宅の窓には、インテリアの一部としてカーテンがつけられており、自分の個性を生かしておりました。

1970年代にマリメッコのテクスタイル・ウニッコのデザインで飾られたカーテンは印象深いもので、私の初めてのマリメッコとの出会いでもありました。

近年の2000年代以降の住宅には、ベランダに必ずガラスの窓が設置されていて、ベランダのスペースも真冬を除き、一部屋として使える様になりました。
また、暖房節約に大きな役割を果たしています。

しかし、ブラインドの普及に従って、カーテン文化は急激に減少しました。

写真のブラインドは、2重窓の中に設置してあります。
上げ下げ操作はフレイムに付いている小さな丸のハンドルを右左に回しながら簡単に操作できて便利になりました。

また、キャンドルを愛するフィンランドでは、よくカーテンのある窓際にキャンドルを灯す事があり、火事の原因にもなっていたので、それもブラインドが普及した理由の1つでもありました。

ブラインドはカーテンの機能性をはるかに超え、便利さや安全性が評価され、現在では新築の住居には必ず設置されています。

色は、部屋の色の世界を邪魔しない、ニュートラルな白が定番です。

フィンランドの窓-Marimekko

フィンランドの窓-marimekko1

フィンランドの窓-Marimekko2

以前、よく見かけたマリメッコの大胆でシンプルなファブリックのカーテン。
今でも印象深く思い出されます。

フィンランドの窓-Blind

最近の新築住居には、写真のブラインドが定番として設置されています。

新築住宅エリアを散歩しながら窓を見ていると、カラフルなカーテンはほとんど使われなくなりました。

以前のような個性的な印象はなくなりましたが、10年ごとに新しい建築デザイン・アイデアを施すフィンランド建築では、飽きる事はありません。

フィンランドの窓-Hanko residence

砂浜海岸に沿って建てられたモダンな住宅建築の窓には、カーテンを使用している窓は一つもありませんでした。

フィンランドの窓-vuosaari1

マンションの階上のレジデンスは2階建。

ベランダからも階段でつながっており、サウナの後、風通しの良いベランダで景色を楽しむ事が出来ます。

このマンションでもカーテンを使っている窓は、2部屋だけでした。
フィンランド航空は、日本の4大都市、東京、大阪、名古屋そして福岡とヨーロッパの玄関先としてヘルシンキ間を結ぶ重要な役割をしています。

フィンランドのニュースで、フィンランド航空福岡便のパイロットは、ヘルシンキから福岡へ近づく途中の韓国上空付近を通り過ぎた時に、目前に100㎞以上に続く長いヒコーキ雲を目撃しました。

こんな不思議な光景はこれまで出くわした経験はなく、とっさにカメラを手に取り撮影しました。

別段、飛行安全へは何も障害を及ぼす危険性は無いと判断し、福岡空港へフライトを続けました。

不思議な思いを抱えて福岡へ到着すると、撮影した奇妙な光景を説明するニュースを耳にしました。

北朝鮮の何度も繰り返されるミサイル実験という恐怖のニュースでした。

失敗に終わったミサイル実験発射だとの事でしたが、もし今後も恐怖実験を繰り返す場合、どんな事態になるかと思うと恐ろしくなります。

キャプテンはこの実験が最後であるようにと心からの祈りをささげ、記事に終止符を打っていました。


綺麗な夕焼けのキャンバスにミサイルのトレールが100㎞以上に続いていました。

無事日本の上空に近づき、乗客は安心したに違いありません。