
本文はここから
様式美に従って、こう書き出すとしよう。
あれは、まだ、私が大学生の頃。とあるサークルでの出来事。
いつものように、練習後の飲み会。
時間も遅くなって、一旦解散となりました。
私のサークルには、同じ路線、駅が二つ手前の女の子が所属していました。
先輩から、その女の子を連れて帰れ命令が下りました。
普段から酒癖が悪い彼女にイヤな予感はしながらも、先輩の命令は絶対。
しぶしぶ承諾することに・・・。
しかし、このことが我が人生最狂の体験になるとは、そのときの私はまだ気付いていませんでした。
電車に乗るなり、彼女が一言ぼそっと。
私のこと、嫌いでしょ?
はい? なんで、急にそんな話になるの??
と、我が耳を疑うヒマもなく、泣きながら間髪入れずに、
絶対、私のこと、嫌いなんだ! 嫌いなんでしょう?!
と、絶叫する彼女。
とにかく落ち着けよ、と説得を試みる私。
しかし、すでに完全に出来上がった彼女には、そんな説得が届くはずもありませんでした。
私、イヤな子だね。だから、嫌われてもしかたないよ。
すでに、それは彼氏と彼女の別れ話にしか聞こえません。
気付けば、まわりの、なんてひどい彼氏なんだ!視線が・・・。
誰しもの、電車の中でひどい男だ、という心の中が聞こえてきます。
ちなみに、彼女と私は恋愛関係など微塵もありませんでした。
必死に取り繕う私。しかし、取り繕えば取り繕うほど、燃え上がる彼女。
ようやく彼女が降りる駅が近付き、この、ヒドイ彼氏攻撃からやっと解放されるという安心感が訪れました。
家に帰らざるをえない以上、確かに、訪れるはずでした。
がっ! 彼女の酔い具合はそんなに甘くはありませんでした。
私は駅に近付いていることを伝えると、彼女は、
そんなに、私を降ろしたいの?! そんなにいっしょにいるのがイヤなの?!!
まるでプロボクサーのようなカウンターパンチ。
もう、どうにでもしてくれ・・・orz
どんなに説明しても、自分が降りるべき駅であることを認めようとしない彼女。
さすがに、ここで降ろさないと家に帰らないので、降りようとしない彼女を、ぶっちゃけ、突き飛ばして降ろしました。
もちろん、走り去る電車に向かって、まだなにか叫んでいる彼女。
車両の中は、こんなヤツ、死ねばいいのに、という空気で満たされる中、私の方が泣きそうになりました。
もう酔った女には二度と関わらないぞ、と決心した日でした。
そして、お約束どおりの後日談。
翌日、普通にサークルに来ていた彼女に、知らないフリをして訊ねてみる私。
昨日、どうやって帰ったの?
すると、彼女から予想どおりの答えが返ってきました。
よく覚えていないんだけど、朝起きたら家にいたんだよね。
・・・。
この女、殺してやろうか?!と思った私は、人でなしでしょうか?
実際にそんなことをしないまでも、そう思うくらいの権利はあると思うのは私だけでしょうか??
私は基本出遅れ人生。
お酒の席では先に酔った者が勝ち。私はいつも介抱係なのです。
介抱した人、数知れず。しかし、これに優る伝説は未だ生まれていません。
というか、もう丁重にお断りします。
もう数十年前の話になり、名前も忘れてしまったのですが、あの顔だけは未だに忘れていません。
事実は小説より奇なりとは申しますが、それだけは、すでに伝説の領域を外れて、神話と呼んでもいいのではないか?とさえ思っています。
と、かっこよくまとめようとしても、現実はなにも変わりません。
女性に対するトラウマが、また一つ増えた、一夜の過ちでした。
って、オレはぜんぜん悪くない!!!
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