【ネタバレあり】「カメラを止めるな!」感想 | 徒然なるままに

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日々思うことをつらつら書いております。だいたい長文傾向です。

※注意  この感想は映画を観た昨年8月当時に書いたものです。


前評判の凄さを洩れ聞き、見たくて見たくてしょうがなかった映画「カメラを止めるな!」
居ても立っても居られなくて、仕事休んで見に行ってきました。

事前情報がゾンビ映画撮ってたら本物のゾンビに襲われた、っていうことしかなかったけど、何やら仕掛けがあるみたいで、それが楽しみのひとつでもありました。

ということで、ここからガッツリネタバレです。見ていない人は気をつけてください。










いきなり始まるゾンビ映画、なんかよくあるシーン、カットがかかるもテイク42とかいうエグい数字やし、監督ガチギレやし、なんか雰囲気が悪い。
ここで気づく。この映画ワンカットやん。これはカメラさん始め周りのスタッフ大変やろうなあ。

そしてゾンビが登場!次々とスタッフが襲われゾンビ化していく。しかし、監督はカメラを止めない。リアルな演技を求め、自らカメラを回して撮影していく。まさに狂気の様。

と、ここで、ところどころで妙な違和感が……なんかセリフが間延びしてるところあるし、音声さん座ってるだけで何もしてないし、と思ったら突然出ていくし。これは演出?それともアクシデント?

と、ゾンビ映画のはずなのに、細かい違和感がチラホラ。

カメラに血糊が飛び散って、カメラのレンズを拭くというシーンまで。ワンカットだからこの程度ではカメラ止められないものね。こういった意味でもカメラを止めるな!かな。と、まあ物語はあれよあれよ進み、違和感も積み重なり、物語は主人公の女性が監督を殺して、血塗れ姿で立ち尽くす引きのシーンでエンド。そして流れるエンドロール。

……早!思わず時計を確認。まだ30分くらいしか経ってないやん!
え、どういうことなん!?
ハテナマークのまま物語は1か月前に遡る。
実はこのお話は、ゾンビ専門チャンネル開局祝いの特別ドラマ。しかも生放送でワンカットという無茶苦茶な企画。
白羽の矢が立ったのは、早い!安い!質はそこそこ。で有名な監督。色んな人に断られて自分のところに声がかかったみたい。

かくして集まった役者やスタッフは曲者ぞろい。監督やスタッフに意見する若手俳優。事あるごとに事務所NGを連発するアイドル女優。アル中の役者に、腰痛持ちのカメラマン。
トラブル続きで、リハの段階で監督のストレスはマッハ!

なんやかんやで撮影本番。しかし監督役とメイク役の役者が事故で来れない!代役立てようにも今からじゃ間に合わない。ということで、急遽監督とその奥さんが代役に!かくして始まった生放送ワンカットの一発ドラマ!

そして回収される伏線たち!そう、物語冒頭で感じた違和感は、このドラマで起こったトラブルだったのだ。このトラブルを解決して何とか撮影を続けていく皆さん。

ここら辺からじわじわと笑いが起こってたのですが、次々と回収される伏線に、ついには堪えきれずに観客のみんな大爆笑!私も手を叩いて笑ってしまいました。
映画館でこんなにも笑いが起きるのは初めての経験でした。

特に、ゲロが本物だったってやつと、メイク役の奥さんの立ち回りが、アドリブの暴走やったのがツボでした。

細かいところあげたらキリがないけど、冒頭感じた違和感が見事に回収される様子はスカッとして、本当に気持ちよかったです。

ちなみに、カメラのレンズについた血糊を拭くシーンは、本当にアクシデントだったみたいです。ワンカットならではってやつですね。

そしてエンドロールのシーン。このエンドロールシーンは実際に映画で見てもらいたい。みんなで頑張ってひとつの作品を作りあげていく様と、家族愛とが織りなす感動シーンです。

そしてこの映画のキモは、最後の最後の本当のエンドロール。メイキングシーン仕立てになってるんやけど、なにせワンカットだから本当に大変な訳で、この大変さを映画内で追体験しているから余計に感動しました。特に水を飲んでいるシーン!ちょっと涙が出てきました。

この映画は、ゾンビ映画→ゾンビ映画撮影中にゾンビに襲われるドラマ→それを撮影した人達の物語→本当の撮影
と、入れ子構造になったメタ的なエンタメ作品と言えるでしょう。

とまあ、人に薦めたくて仕方がない映画「カメラを止めるな!」
今の記憶を大事にしたいから思わずネタバレありの感想書いちゃいました。早く見た人とこの気持ち共有したい!