アデル、ブルーは熱い色 *ネタバレにご注意ください* | Let's talk about...

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あくまでも個人的な映画論です。ネタバレにご注意ください。





















何回覚えようとしても本当にどうしても覚えられないものがある・・


それは、この映画、アデル、ブルーは熱い色、の主役を熱演したアデル(彼女の本名と役名が同じである)の苗字、エグザルコプロスだ。

ギリシャ系の苗字なのだそうで、英語ではどう発音してよいやらわからなかったので、日本のグーグルなどで検索して見てやっと読み方がわかったのはいいものの、何回見返しても、すぐに忘れてしまう。

イギリスでは昨年10月に公開だったのに、劇場でひっそりと短期間公開されたのみで、気づけば公開は終了、でDVDが3月に出ていたのにもかかわらず、ずっと見る時間がとれず、やっと本日鑑賞した。


3時間弱の映画だが、長さは全然気にならず、(もともと時間の長い淡々とした会話劇が一番好きな映画の種類だったりするので)もっと長く感じるかな、、と思ってたのだが細部がとても凝っている映画だったので、気にならなかったのかもしれない。

ラジオ番組、たまむすびでの映画コーナーで町山智弘さんもおっしゃっていたのだが、全編を通してブルーの色が必ず使われている。それは、アデルが恋するエマの髪の毛だったり、アデルやエマの部屋の壁だったり、青い服だったり、青いアクセサリーや青いネイルだったり・・・本当にこと細かくブルーがあしらわれているのである。

食事のシーンも多く、食べ方や食べる物で育ちや性格の違いを表現していたのもよかった。

アデルの家庭は庶民的で、食事もミートソース・スパゲッティ(中盤、アデルがエマと暮し始めて開いたパーティで、アデルがこしらえた大皿にたっぷりと盛られたミートソース・スパゲティは本当においしそうだった!が)や、チキンの焼いたものに茹で野菜などで、庶民的な食べ物を食べているし、エマを我が家に招待し、両親に紹介したときもミートソース・スパゲティを振舞い、エマはシンプルな味でおいしい、と述べていた。

余談だが、食にフランスほど関心のない人が多いイギリスだったら、お金持ちだろうが貧乏だろうが、ミートソース・スパゲティもチキン&茹で野菜もたべるだろうけど。そこがイギリスとフランスの違いなのかしらん・・・と思ってしまったが。

対して、エマの好物は生牡蠣で、裕福であろうエマの母と義理の父の家に招待されたアデルは生牡蠣を振舞われ、はじめは尻込みしていたが、恐る恐る食べて見ておいしさがわかったようだった。

アデルとエマの恋愛だけでなく、アデルの進路などにも焦点を当てているのもおもしろかった。

アデルは幼稚園や小学校の先生になりたいと夢を持ち、実現させるが、彼女が子供たちを教えるシーンが多かったのも、個人的に我が娘が幼稚園に行っていたときの先生方などを思い出してしまった。

娘が行っていた幼稚園ではアデルのような若くてかわいらしい先生が多かったので、余計思い出してしまったのかもしれない。
ふと、そうだよな・・・親からして見たら、幼稚園の先生は先生でしかなかったけど彼女たちにも私生活があるんだよなぁ・・としみじみ思ってしまった。


確かに、浮気をしてしまったアデルが悪いが、エマもアデルのやりたいこと&やっている仕事に無関心かつ、もっとなにか才能を生かす仕事をやってみなさい、といつも言っていて、アデルもいくらエマをものすごく愛していても、寂しさやコンプレックスを感じるのは必然だ・・、ましてやアデルはまだとても若いし・・・。

エマももう少しアデルの仕事にも、ねぎらってあげることが大事だったのではないか・・世の中の人からしたら自分のやっていることだけが大事なことではないのだから・・。幼稚園や学校の先生だって大事で立派な仕事だぞ~~!!と思ってしまった。

でも、エマのアデルに対する愛や優しさも充分伝わってきたし、とてもよい映画だった。

それにしても、エマ役の、レア・セドゥのかっこいいこと!下手な男性よりも彼女のほうが全然かっこいいな~と思ってしまったのは私だけでしょうか・・。

そして、アデル役のアデル・(また読み方忘れた・・)エクザルコプロスの口の形はとてもエロティックだ。


Miu Miuのリゾートラインのモデルにも起用された二人。
このポスター欲しいです。