太陽が知っている | Let's talk about...

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あくまでも個人的な映画論です。ネタバレにご注意ください。


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1969年、ジャック・ドレー監督


アラン・ドロンはどこか垢抜けない。
この作品を見る前からそう思っていたが、こんなに垢抜けない男だとは思わなかった。
顔はハンサムだと思う。しかし、洋服の着方がなってないのだ。上の写真での映画チラシの左下にもちょこっと写っているが、ジーンズ姿がありえないほどださい。対して、ドロンの出世作、太陽がいっぱいでもそうだったように、この作品でも再びドロンに殺されてしまう哀れなモーリス・ロネのレイト・60sなパンタロンやシャツの着こなしはよかった。

まぁ映画での衣装の着こなしは、本人のせいでもないだろうが、ドロンくらいの大スターだったら、自分の体型に合っていない服を出されたら文句ひとつでもいって、変更することはできただろうから、やはりドロンはださかったのか・・。


それよりも、ロミー・シュナイダーだ。この映画はロミーの映画だと思う。
南仏の日光を思う存分浴びた褐色の肌が美しい。
前半だが、のびのびと楽しそうに泳ぎ回り、ドロンとラブシーンを演じるロミーの輝いていたこと!
後年、トラジジェンヌ(悲劇女優)とフランスで呼ばれたように、悲劇のヒロインがはまり役だったし、私生活でもあまり幸福な女性ではなかっただけに、映画の中だけでも幸せそうなロミーを見ることができるのは、ファンとして心休まる思いだ。


ロミーは、もともと太りやすい体型で、映画の撮影の前には、ダイエットクリニックにこもり、理想体重にむけてのダイエットを行っていたそうだが、やせすぎでもない、大人の女の理想体型とでもいおうか、なんとも引き締まっているが、色気のある体型で水着姿も美しい。




ジェーン・バーキンもこの役ははまり役だと思う。
なんとモーリス・ロネの娘役なのだが、(母親はイギリス人の設定。ロネの若い頃の火遊びの結果の子という設定で、一緒に暮らしてきたわけではないし、普通 の父娘の関係ではない)やけにへらへらしゃべるフランス娘などより、浮世離れして言葉もたどたどしいイギリス娘のほうが、設定的に意外性もあるしよかった と思う。






いままで、ヴァカンスの海やプール、陽光がまぶしい映画は数々見てきたけど、この映画ほど、太陽が恋しくなる映画は初めてだった。
邦題の”太陽が知っている”も、安易にアラン・ドロン&海辺(まぁ、この映画は海辺の地方が舞台であるけれど、海はまったく出てこず、原題のLa Paiscine=スイミング・プール、どおりでプールしか出てこないが)ということでつけられた邦題ではなかったようだ。





とにかく、この映画は、私にとっては、幸せそうなロミーと、陽光きらめくバカンスはいいなぁ・・ということをひたすら堪能する映画である。


テーマ曲も一度聞いたら忘れられなくなるような声とメロディーでなかなかいい。





気持ちよさそう。
こんな風に誰もいないプライベートなプールで泳ぎたい・・


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