皆さま、こんばんは。
最近、注入相談にご来院される患者様から、
「ヒアルロン酸注入で失明したりしないですか?」というご質問を受けることが多くなりました。
ひと昔前は、こんな質問を患者様から受けることはほぼ皆無だったので、ヒアルロン酸注入にはそういったリスクがあるということが一般の方々に浸透してきたのは、とても、とても良いことだと思います。
ヒアルロン酸注入の副作用で重篤な結果に至るのは、ヒアルロン酸を血管内に注入してしまって血流障害を起こした場合です。
✅眼動脈までヒアルロン酸の塊が流れていき、そこに詰まると一瞬で失明します。
✅鼻翼の支配血管(眼角動脈)に詰まると、鼻が壊死します。
✅唇の支配血管(口唇動脈)に詰まると、唇が壊死します。
また非常に稀ですが、内頚動脈にまでフィラーの塊が流れてゆき、脳血管に詰まってしまうと、脳梗塞を起こしてしまうこともあります。
・・・他にも、こめかみへの注入で、頭蓋骨の脆弱な部分を針先で突き破り脳内にヒアルロン酸を注入してしまったとか、まぶたへの注入で、眼球内にヒアルロン酸を注入してしまったとか、顎への注入で舌が壊死してしまったとか・・・
噓でしょ?・・・というような、恐ろしい副作用が起こりうるのがヒアルロン酸注入です。
ちまたでは「プチ整形」と言われ、侵襲が少なくとても手軽に受けれる施術のように思われていますが、全然プチじゃないですから。
ブラインド下(直接目視できない状態)で行う外科手技、だと私は思っています。
要するに、真っ暗な迷路をライトなしに歩くのと同じです。見えないのだから、どこにどのような危険が潜んでいるかあらかじめ知っていないと歩けませんよね。
ゆえに、こういった副作用のリスクを100%回避するには、解剖学の詳細な知識が必要不可欠ですし、それに加え、安全な注入手技の習得というのが欠かせません。
このような重篤な副作用は交通事故のようなもので、ある一定の確率で起こる。。。なんていう先生もいらっしゃいますが、私はそうは思いません。
そんなん怖すぎて、治療できませんよ。
注入治療に関しては、教科書などを執筆させてもらっているため、血流障害の副作用のご相談を受けることが多いのですが、このような副作用は、ほぼ解剖の知識不足と手技的な問題で起こっています。(そして、同じ先生が何度もやらかすことが多い・・・いわゆるリピーター医師ってやつです。そして、リピーター医師はあまり悪いことをしたと思っていません・・・。だから繰り返すんやろうけど。)
そして日本では、ほとんどのケースが示談で終わってしまうため、表には出てきません。つまりどの医師が重篤な事故を起こしたか?ということが患者様からは分からないのです。
私は、ヒアルロン酸で血流障害を起こさないために、解剖学の知識のアップデートは当然のこと、数年に一度は海外まで解剖実習に出向き、目視で血管の位置、走行、深さなどを再確認しています。
施術の際は、ほんまに慎重に、慎重に、全神経を指先に集中して注入を行なっています。(なので注入時はあまりしゃべれないのです、すみません)
注入治療のご予約が多い日は、1日が終わるともうぐったりです(笑)。(心地よい疲れですが)
糸(スレッド)は怖いから、ヒアルロン酸注入でとおっしゃる患者様も多いですが、スレッドで皮膚が壊死したり、失明したりすることはないんですよ。安全性の面では、スレッドの方がずっと安全なんです。・・・ただ、ヒアルロン酸注入よりはちょっと痛いですが・・・。(当院では痛み止めの内服と、痛みに弱い方はさらにペンタジンの筋肉注射も追加できます。・・・ちょっドロドロになりますが、意識はなくなりません。)
ただ、ヒアルロン酸注入とスレッドはお互い代替えになる施術ではありません。つまり、ヒアルロン酸注入の代わりにスレッドで同様の効果を出すのは難しいし、逆も然りです。
※2017年に刊行されたフェイシャルフィラーというテキストです
現在、定価よりちょっと高値になっとりますw。
その中で、ヒアルロン酸による失明機序について詳しく解説しています。
これに加え、こめかみ深部の深側頭動脈からの失明報告もちらほら増えています。
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