皆さま、こんにちは。
厚生労働省と美容外科学会はじめ、複数の学会が協力して出している医師向けの『美容医療診療指針』の改訂版が届きました。
私もシワ・タルミに対する吸収性フィラー注入治療の作成委員として、参加させていただいております。
今回は、改訂版ということで、少し内容に見直しがあったのですが、
CQ:顔のシワ治療に、ヒアルロン酸製剤注入は勧められるか?
CQ:顔のシワ・タルミに、ボツリヌス毒素製剤とヒアルロン酸製剤の併用療法は有効か?
の2つの推奨度が
推奨度1:治療を希望する患者には、行うことを強く推奨する
から
推奨度2:治療を希望する患者には、行うことを弱く推奨する
に改定になりました。
治療そものもは、推奨することができるに変わりないのですが、問題は最後の文章です。
ただし血管内への誤注入による皮膚壊死や失明などの重篤な合併症の報告があるため、十分な注意が必要である。これな。
この指針作成前に、美容医療有害事象(重度合併症および後遺症)の実態調査が行われましたが、非外科的手技における有害事象の8割は、フィラー注入治療によるものです。
しかも、アンケートに回答しているのはかなりきちんとしたクリニックに限られ、そもそも学会に所属していない胡散臭い美容クリニックや医師は含まれていないため、本当に氷山の一角です。
昨今、未熟な医師の美容医療への参入が激増しており、ヒアルロン酸注入による重度合併症が増えてきているため、注意喚起の意味でも推奨度を見直しましょう、ということになりました。
私は、フィラー注入に関する執筆や指導医などもさせていただいてる関係で、どきどき見知らぬ先生から「血管にヒアルロン酸が詰まったみたいなんですが、どうすればいいですか?」という問い合わせが来ます。
話を聞くと、まったく解剖や正しい注入手技を分からないままやっているドクターも少なくなく、もちろん、合併症が生じたときの対処法を知らない人も。
ヒアルロン酸を溶解するヒアルロニダーゼを「うちのクリニックは置いてません。」とかいうドクターもいて、ほんま、ちゃぶ台返しをしたくなることもありますね。
話をするのも嫌になることもありますが、そうするとしわ寄せは患者様にいくので、できる限りのアドバイスはさせていただいておりますが・・・
そのお礼にと言っては変だけど、
クリニック名も医師の名前も伏せるので、学会や原稿で発表させて欲しいとお願いしても、100%断られます。
いやほんま、断られ率100%ですね。
そして、やらかすドクターは何度もやらかします。
「いや~、これで5回目なんすよね~、ハハハ」・・・いや、わろてるで・・・・、みたいな人もいましたねぇ~・・・。
治療費が安い、宣伝が派手で上手、内装がオサレで豪華・・・
でクリニックを選んでしまうと、とんでもないことになってしまうリスクがありますので、注入治療に限らずクリニック選びは慎重に
・・・そもそもやらかす怪しいドクターは、美容医療診療指針など読みもしないと思うんですけどね、この本4000円だし(笑)。(それをいっちゃ~おしまいやけども。)
ちなみに、外科的手技ではやはり眼瞼手術のトラブルが一番多いようです。
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