『ゴールデン・フェニックス/黄金の不死鳥作戦』('94) | 続・功夫電影専科

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「ゴールデン・フェニックス/黄金の不死鳥作戦」
原題:Operation Golden Phoenix
製作:1994年

監督:ジャラル・メーリ(製作も兼任)
脚本:J・スティーヴン・モーンダー/ケビン・ワード
スタント・コーディネーター:ラリー・A・マクリーン
出演:ジャラル・メーリ/ローレン・アヴェドン/ジェームズ・ホン/カレン・シェパード/アル・ワックスマン/他



<格闘アクション俳優集結! 舞台はレバノンinベイルート!>

 本作は、自らのプロダクションやコネで格闘映画を作る俳優、ジャラル・メーリがレバノン共和国で大規模ロケーションを敢行した変わり種のマーシャルアーツ・アクションです。
彼はほかのアクションスターとのコラボに積極的で、本作では『レイジング・サンダー』('88)のローレン・アヴェドン、『検事Mr.ハー』('86)のカレン・シェパードといった腕自慢が参加しています。
とはいえ、ジャラルの作品はストーリーが大味だったり、アクション演出がグダっちゃってるパターンも往々にしてあるので、「今回は大丈夫かな…」と期待半分・不安半分で視聴に至りました(笑

 ベイルートからトロントへ美術品の輸送を任されたマーク(ジャラル)。しかし、何者かの襲撃で相棒のジョーンズ(ローレン)を殺され、美術品を奪われた挙句、事件の主犯だと疑われてしまいます。
潔白を証明すべく、裁判所から脱走してベイルートに向かうマークですが、実は生きてて裏切り者だったジョーンズが彼の命を狙います。その背後には、美術品を奪ったチャン(ジェームズ・ホン)の影が…。
 かくして舞台は再びレバノンへ。美術品=ペンダントの持ち主だった教授と接触したマークは、やがてペンダントにまつわる王族の存在と、オスマン帝国の秘宝の謎へと行きつきます。果たして秘宝の正体とは…!?
…と、こんな感じの作品でして、要は世界をまたにかけるアドベンチャーであり、史跡をめぐる歴史ミステリーであり、ことあるごとに格闘アクションが炸裂する活劇でもあるのです。

<唯我独尊主人公まかりとおる? 世界遺産で回し蹴り!>

 とはいえ、作品の質は危惧したとおりのゆるゆるクオリティで、主人公のマークは切羽詰まった状況のわりに緊張感がまるでありません(苦笑
特に、レバノンの王族からペンダントを盗みだすも敵に奪われ、王族のところへ戻るなり「ペンダントを取り返すから手を貸せ」と臆面もなく発言するシーンは、ふてぶてしすぎて逆に笑ってしまったほどでした。
 その他のストーリーもツッコミどころが多く、「そもそも終盤に教授を拉致るぐらいならトロントにペンダントを輸送せず最初から強奪すれば良かったのでは?」と身もフタもない考えが頭をよぎります。
エンドロールで流れる本編未使用カットを見るに、尺の都合でかなりストーリーが切り詰められたようですが、それでも物語面はだいぶ厳しいと言えますね。

 アクションも90年代の格闘映画らしく、絡み役の反応が鈍かったり、カメラが役者の動きを追いきれてなかったりと、野暮ったいところは多々見られました。
しかしジャラルとローレン、そしてカレンという名うての実力者たちによるアクションは目覚ましいものがあり、それが本作の救いとなっています。
 最後の戦いではカレンが荒々しい連続蹴りを放ち(ちなみに彼女が戦ってくれるのはここだけ…)、ジャラルVSローレンというスター同士の対決が実現! しかもこれがなんとマラソンバトルなのです!
バトルの流れはややグダついてるものの、互いに蹴って蹴って蹴りまくるアクションは見栄えがよく、ロケーション効果(※詳しくは後述)も抜群なので思った以上に満足できるマッチメイクに仕上がっていました。

 欲を言えば、もっと集団戦みたいな大規模アクションをクライマックスに持ってきてほしかったのですが、この夢の対決だけで十分見た甲斐があったといえるでしょう。
まぁ、それ以外の点ではアレな作品なんですが…(汗
 ちなみに本作、レバノンのベイルートで大々的なロケを行っているのですが、終盤に出てくる遺跡群はなんと世界遺産のバールベック(ローマ帝国時代の神殿)だったりします。
ジュピター神殿やバッカス神殿といった巨大建造物の中で堂々とロケが行われ、先述のとおり立ち回りなども撮影されています。ここで撮ろうと思ったジャラルも凄いですが、よくレバノン側も許可してくれたなぁ…。