『ゴールデンカムイ』('24) | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。

「ゴールデンカムイ」
英題:GOLDEN KAMUY
製作:2024年

監督:久保茂昭
脚本:黒岩勉
アクション監督:下村勇二
出演:山﨑賢人/山田杏奈/眞栄田郷敦/矢本悠馬/大谷亮平/玉木宏/舘ひろし/他



<「俺は不死身の杉元だ!」 あのアクション監督が仕掛ける金塊争奪戦!>

 さて今回は、来月に続編映画の公開が控えている人気マンガの実写作品を(今週の金曜ロードショーでの放送に便乗して)紹介してみたいと思います。
原作は週刊ヤングジャンプに連載された野田サトルによる同名マンガ。アニメ化もされており、私が同作を知ったのはこのアニメ版がきっかけでした。
 近年は気合いの入ったマンガの実写作品が増え、スマッシュヒットした『るろうに剣心』シリーズ('12~21)、『はたらく細胞』('24)など、目を見張るアクションが展開される秀作も少なくありません。
そんな中で本作は、谷垣健治とともに甄子丹(ドニー・イェン)に鍛えられた下村勇二がアクション監督に就任! 好きな作品+好みの殺陣師=これは堪らない!と期待しつつ劇場に足を運んだのですが…。

 

<原作リスペクトはバッチリ! ハマるか否かはあなた次第?>

 舞台は明治時代の北海道。日露戦争に従軍し”不死身の杉元”と恐れられた杉元佐一(山﨑賢人)は、ある目的のために砂金取りを続けていましたが、奇妙な酔っ払いから噂話を聞かされます。
――「ある男がアイヌの金塊を奪い去り、網走の監獄に収監された。金塊の隠し場所は仲間の囚人たちに掘った刺青に記され、その囚人たちは集団で脱獄してしまった」と。
 当初は一笑に付した杉元ですが、突如として酔っ払いが豹変。口封じに襲い掛かってくるものの、杉元はこれを即座に撃退。返り討ちにあった酔っ払いは程なくしてヒグマに襲われた死体となって発見されます。

ところが彼の体には、噂話にあった刺青が…。杉元はヒグマに襲われる中で出会ったアイヌの少女・アシㇼパ(山田杏奈)と手を組み、謎多き刺青の囚人たちを追いつつ、金塊を手に入れようと決意します。
 しかし2人の行く手には、恐るべき野心家にして第七師団を率いる鶴見中尉(玉木宏)、刺青の囚人で野望に燃える土方歳三(舘ひろし)といった、海千山千の猛者たちの影が…。
果たして金塊争奪戦の行方は? そして杉元が胸に秘めた”金塊を求める本当の理由”とは…?

 作品としては、原作序盤の物語を程よく映画サイズに収めたような感じで、この後に続くドラマ版のプロローグとして手堅くまとめられています。
ストーリーの改変も最低限で、登場人物たちのルックスをかなり原作に近付けていたりと、製作陣が作品の雰囲気を崩さないように努めていることがよく分かります。
また、個性豊かな登場人物を演じるキャストも頑張っており、原作の顔芸をしっかり再現する山田杏奈、マンガからそのまんま抜け出たような玉木宏(超こわい)のインパクトも上々でした。

 ただ、その一方で「映画としての再構築の難しさ」も感じます(これは実写作品全般にいえる話ですが)。
原作は様々なエピソードの積み重ねで話を進めていくスタイルなので、映画に仕立てるとダイジェスト感がどうしても生じてしまい、終盤の展開も映画のクライマックスとしてはインパクト不足です。
また、原作を知っていれば膝を打つ描写が多い反面、原作を知らないとピンとこないシーンも少なくはないため、良くも悪くも本作は”ハマる人ならめっちゃハマる作品”と言えるでしょう。

<曲者揃いのバトルロイヤル! アクションは続編でも加熱する!?>

 ではアクションは大丈夫なのか?と気になるところですが、こちらは下村勇二プレゼンツによるハードなバトルがきっちり用意されていました。
冒頭の二百三高地の戦いから山﨑賢人による荒々しい立ち回りが展開され、眞栄田郷敦(父の千葉真一はマタギ映画『リメインズ』('90)の監督!)との一騎打ちなど、見せ場は随所に挟まれています。
 注目は映画オリジナルのクライマックスとして用意されたラストバトル。疾走するソリの上という狭い場所で、山崎と月島役の工藤阿須加・二階堂役の栁俊太郎と目まぐるしい連戦が繰り広げられます。
特に栁は『るろうに剣心 最終章 the Final』('21)でも見せたトリッキーなアクションを見せており、豪快なやられっぷりに至るまで終盤の盛り上げ役として奮闘していました。

 さてこの山崎VS栁という顔合わせですが、どうやらリターンマッチが来月公開の続編『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』('26)で実現するようです。
予告編を見る限りでは、本作以上のド派手な肉弾戦になっているようで、追加キャストによる大乱戦(個人的には宇佐美上等兵がめっちゃ気になる)も含めて要注目といえます。
原作ファンはもちろん、アクション映画ファンにも薦めたい娯楽作。この実写化がどこまで続くか分かりませんが、とりあえず続編の映画は見に行こうと思います!