『ドラゴン・プロジェクト』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「ドラゴン・プロジェクト」
原題:精武家庭
英題:House of Fury
製作:2005年

●かつて凄腕の特殊工作員だったという黄秋生(アンソニー・ウォン)は、息子の馮倫(スティーブン・フォン)と娘の鍾欣桐(ジリアン・チョン)の3人で静かに暮していた。
しかし家族の仲はギクシャクしていて、黄秋生が語るおかしな昔話には2人ともウンザリ。兄と妹もことあるごとにケンカを繰り広げ、これには鍾欣桐のボーイフレンドである呉彦祖(ダニエル・ウー)も困惑するばかりだ。
 ところがある日、突然現れた王敏(マイケル・ウォン)とその一味によって、黄秋生が誘拐されてしまう。実は彼の昔話は本当のことで、現在も元諜報員の護衛を務めていたのである。
自分に深手を負わせた元諜報員への復讐を目論む王敏に対し、真実を知った馮倫たちは敢然と立ち向かっていく。果たして黄秋生の運命は?そして戦いの結末は?…今、最後の戦いが始まる!

 ずいぶんとご無沙汰をしていました、龍争こ門です。Windows XPのサポート終了に伴い、7年近く愛用していたPCのデータを新しい機器に移し替えていたのですが、数日前にようやく完了しました。
私のPCはネットに接続しておらず、ブログへ掲載する文章の作成などに使っています(更新作業は別のPCを使用)。今回の移し替えではデータの整理を改めて行いましたが、やたらと量が多いので大変な大仕事でした(苦笑
 さて、本作は俳優の馮倫が監督した成龍(ジャッキー・チェン)プロデュースの作品です。明るいタッチの映画で、崩壊しかけていた家族が事件の中で絆を取り戻していく姿を描いています。
さりげない伏線の使い方、登場人物の意外な正体も悪くないし、この手の作品にありがちな”オレ様映画”になっていないのも好印象。世紀の傑作!というわけではありませんが、とても楽しい作品だったと思います。

 アクションもテンポよく繰り広げられ、袁和平(ユエン・ウーピン)らしい丁々発止のバトルが展開されていました。さすがに黄秋生と鍾欣桐の動きはぎこちなさが目立ったものの、馮倫はかなり健闘しています。
しかし本作で注目すべきなのは、敵に扮している2人の猛者でしょう。まず1人は、実際に数々の格闘大会で優勝した経験を持ち、キアヌ・リーブスと『太極侠』で戦った陳虎(タイガー・チェン)です。
本作では他の3人と共に馮倫たちを襲いますが、放たれる蹴りの速さはメンバーの中でもピカイチ!ラストでは鍾欣桐と立ち会い、華麗な連続蹴りを見せていました。
 そしてもう1人が、『トム・ヤム・クン!』でトニー・ジャーと死闘を演じ、『鉄拳 TEKKEN』では主役を担当したジョン・フーです。本作では伍允龍と一緒に学校を襲撃し、アクロバティックなファイトを披露しています。
ただ、残念ながら今回のジョンは”一番強い雑魚”程度の役柄であり、ラストバトルでは馮倫の前にあっさりと撃沈(涙)。この後のVS伍允龍やVSカンフー少年もイイ感じですが、個人的にはジョンに大暴れして欲しかったなぁ…。
笑いあり・功夫あり・ついでに午馬(ウー・マ)のアクションあり(爆)という、盛りだくさんな内容の本作。現在も馮倫は『太極 -ゼロ-』等でメガホンを取っているので、監督としての彼の今後に期待したいですね。