『スティーヴ・オースティン S.W.A.T.』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「スティーヴ・オースティン S.W.A.T.」
原題:TACTICAL FORCE
製作:2011年

スティーヴ・オースティン率いるロス市警のSWATチームは、超が付くほどの暴れん坊ぞろい。今日もコンビニ強盗と一緒に人質まで一網打尽にしてしまい、上司から大目玉を食らっていた。彼らは罰として廃屋での訓練を命ぜられ、渋々ながら目的地に向かうのだった。
だが、当の廃屋では隠された大事なブツを巡り、ロシアとイタリアのマフィアが火花を散らしていた。連中はスティーヴたちが突然現れたことで慌てるが、相手が訓練用の装備しか持っていないと知って反撃を開始する。
絶体絶命のスティーヴたちと、仲間の増減で優劣が二転三転する2組のマフィア…。果たして、三者の中で生き残るのは誰なのか!?

 今回はまたもや『エクスペンダブルズ』以降に続々と実現した、ドリームマッチを主題とした作品の登場です。これまで同系統の作品は『沈黙の復讐』『ゲーム・オブ・デス』『ザ・ハンティング』などを紹介してきましたが、本作はいささかボルテージの低いものとなっています。
内容は限定空間を舞台にした駆け引き重視のアクション映画…なのですが、作品の肝となる駆け引きの描写がちょっと甘い出来で、正直言ってかなり退屈でした(爆)。一応、後半からは攻守逆転が頻繁に起こってくるので割と楽しめるのですが、最後の種明かしは蛇足だったかな?
 しかし、本作のメインはあくまで猛者同士によるドリームマッチにあります。本作では後半でマイケル・ジェイ・ホワイト(『ブラッド&ボーン』)VSダレン・シャラヴィ(『葉門』)が、ラストではスティーヴVSキース・ジャーディン(シウバとも戦った総合格闘家)がそれぞれ拳を交えていました。
しかし、これらのバトルにおいて各々のファイトスタイルに変化が無く、個別化が図れていません。『ゲーム・オブ・デス』や『ザ・ハンティング』で夢の対決が行われた際は、きちんと敵味方で戦法が違いました。スタイルの違いは両者の個性を引き出し、アクションに更なる激しさを加味することができるのですが、本作はそれを怠ってしまったのです。
 その結果、全体的にアクションの出来は今一歩。殺陣と演出次第では素晴らしい勝負になれたはずなので、この程度に終わってしまったのは惜しい限りです(特にマイケルVSダレン)。今さら言っても仕方ないですが、このキャストでスティーヴVSマイケルが無いというのも残念でした。
充実した出演者とは裏腹に、凡庸な出来になってしまった佳作。従来のドリームマッチが軽んじられていた時代のことを思うと、今回のドリームマッチは実現しただけでも快挙と呼べる出来事なのですが…。