『キングダム・オブ・ドラゴン 伝説の魂を受け継ぐ者』 | 続・功夫電影専科

続・功夫電影専科

香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「キングダム・オブ・ドラゴン 伝説の魂を受け継ぐ者」
原題:WUSHU WARRIOR
中文題:龍武士/武術戰士(←正字は簡体字表記)
製作:2010年

●時は清朝末期。中国でアヘンを売りさばき、知事と結託して武器を密輸していていた大富豪マット・フルーワーは、これらの悪事を告発しようとした牧師を暗殺する。魔の手は牧師の息子にも及ぼうとしたが、アヘン密売を阻止する中国人の人々が彼を無事に救い出した。
父を殺され、不慣れな土地へ避難した牧師の息子は、悲しみの真っ只中にいた。そんな中、彼は避難先の村で武術を習っている子供たちを見て、自分も習おうと決意する。密売阻止団の長老ツァオ・ガンに師事した彼は、凛々しい青年トッド・フェンネルへと成長。その腕前は高いレベルに達していた…が、まだまだメンタル面は未熟であった。
 ある日、敵の本拠地に潜入するという任務に志願したトッドは、見事に重要な書類をゲットして帰還した。だが、逃げ出すのに使った馬車には、マットの娘アンバー・ゴールドファーブがいた。魅力的な彼女に惹かれるトッドだったが、実はこの女はとんでもない性悪娘。トッドを利用して脱走した挙句、毒を使ってツァオに重傷を負わせてしまったのだ。
この一件はトッドと仲間たちの奔走で解決するが、敵に居場所を知られた以上はアジトを引き払うしかない。しかし、復讐に燃えるトッドがマット率いる軍勢に突っ込んだため、彼を助けようとしたツァオが犠牲になった。密売阻止団のリーダーも捕まり、処刑の時が迫る…。内に秘めるドラゴンの力に目覚めたトッドは、仲間と共に決戦へ向かう!

 本作はカナダと中国の合作で作られた作品です。カナダと中国…といっても、舞台は動乱期の中国(アヘン戦争の直前?)であり、中国側からも大勢のスタッフが参加。実際に中国でロケーションも行われており、どこからどう見ても功夫片にしか見えないのです(笑
そのおかげで、間違った中国描写などはほとんど無く、実にまっとうなカンフー映画に仕上がっていました。主人公が、安易に復讐を果たさず精神的な成長を遂げていくという点も大いに評価できます(ヒロインを演じた『ジェイ・チョウを探して』の浦蒲(ポー・ポー)もレベル高し!)。
 しかし本作は、「あまりにもカンフー映画に近付きすぎたせいで、よくあるベタな香港映画にしか見えない」という欠点を抱えているのです。トッドを始めとした外人キャストの動きは悪くないし、格闘映画としては非常に凝ってるんですが……このへんのジレンマは、以前紹介した『Bodyguard: A New Beginning』と非常に似通っていました。
全体的に丁寧な作りですが、その丁寧さがアダになってしまった稀有な作品。…とはいえ、特に出来が悪いわけではないし、それなりのクオリティは維持しています。また、浦蒲の他にも敵の用心棒役で丁小龍(『カンフーハッスル』で陳國坤の手下役だった人)が出ているので、香港映画ファンならチェックしてみるのも一興かもしれません。