『NINJA ニンジャ in L.A.』 | 続・功夫電影専科

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「NINJA ニンジャ in L.A.」
原題:HELLBINDERS
製作:2009年

●本作は『スター・ウォーズEp1』のダース・モール役に扮し、見事な二刀流アクションを演じたレイ・パーク主演のホラー・アクション映画である。彼と共に闘う仲間役に『ウィケッド・ゲーム』のジョニー・ヨング・ボッシュ、スタント経験アリのエステバン・クエトの両名が参戦。オマケに監督が3人(いずれもスタントマン出身者)も加わっており、マーシャルアーツ映画ファンとしては期待できる布陣であったのだが…。
 裏社会の始末屋・レイは、あるときロス市警からカルト教団の皆殺しを依頼された。仲間と共に敵地へ乗り込み、すぐに任務は終わるかと思われたが、戦いの中で突然仲間たちに襲われてしまう。不測のハプニングに命からがら逃げ出したレイは、自宅でニンジャ戦士のジョニーと遭遇。彼の口から、教団の人間は全員「鬼(レギオン)」という悪霊に体を奪われ、連中が世界を滅ぼさんとしていることを知らされる。
時を同じくして、エルサレムから不死の体を持つ戦士エステバンが悪霊掃討の命を受け、ロスに到着していた。共通の敵を持った3人は、ジョニーの師であるジェラルド・オカムラの協力を得て、地獄から来た悪魔たちと闘っていくことになる。
オカムラの術によって悪霊を封じ込める特異体質になったレイ、かつての仲間を裏切ってまでも戦い続けるジョニー、そして長きに渡る因縁の決着を付けようとするエステバン…3人はオカムラを失いつつも、地獄の門を開けようと企む悪魔の本陣へと攻め込む決意を固める!

 なかなか凝った設定の作品だが、本作の問題点はまさにその「懲り様」にある。舞台背景を聖書などから引用して趣向を凝らし、キャラクターの発する台詞を凝った言い回しにして、場面転換を漫画のコマ割りのような凝った演出にし、同時に凝ったキャプションを付ける…と、こんな具合に、本作は「凝り様」が凝り固まった、非常に感情移入しづらい作品に仕上がっているのだ。
ストーリーラインだけを追えば単純な構成なのだが、ここまで回りくどい話にしてしまうとは勿体ない。どうも本作の監督3人は、メインキャラ3人のストーリーをそれぞれ監督していたらしく(?)、全体的に構成がまとまってないのはそのせいなのだろう。3人寄れば文殊の知恵という言葉があるが、本作の場合は船頭多くして船山に登る…と言った方が正しいかもしれない(爆
 格闘アクションに関しては、スタントマン関係者が大挙して参加しているだけあって、それなりに派手さはある。
ただ、主役3人の中で最もいい動きができたはずのレイ・パークは、作中において素手のファイトをほとんど披露していない。それどころか、クライマックスでは銃を両手にドンパチするだけという有様で、明らかにキャラクター設計を間違えている。ジョニーは忍者らしく刀を振るい、エステバンはパワーファイターとして頑張っているが、個性を振り分けるのならレイの動きを生かせるようにして欲しかったものである。
なお、最後のオチは続編の可能性を示唆するものだった(ジョニーと因縁のあった悪霊も登場していない)が、本作を見る限りでは次に期待が持てません。あまり無理をしない方がいいのでは?ところで、作中にジョニーの上司が「東京でニンジャの決戦が行われている」と言っていたが、個人的には悪霊よりもこっちの方が凄く気になります(笑