格闘映画総特集(6)『オンリー・ザ・ストロング』 | 続・功夫電影専科

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「オンリー・ザ・ストロング」
原題:Only The Strong/Street Fighters
中文題:王牌至尊
製作:1993年

▼ビリー・ブランクス、ドン・"ザ・ドラゴン"・ウィルソンと来れば、やはりマーク・ダカスコス作品も紹介しなければならないだろう。という事で、今回は久々の(このフレーズ今回多いなぁ・笑)ダカスコス主演作である。
今更紹介するまでも無いが、マーク・ダカスコスは中国拳法やハプキドーを習得した本格派で、その精鋭なマスクと卓越した技量で幾つもの映画に足跡を残している。ここ最近はあまり格闘系の作品に顔を出しておらず、格闘アクションを期待しているファンには残念がられているが、本作はそんなダカスコスによる記念すべき最初の主演作だ。初主演ということだけあって、この作品におけるダカスコスの気合には並々ならぬものが感じられ、同時に傑出した作品となっている。

■ダカスコスは南米に駐屯していた軍人だったが、退役して生まれ故郷のマイアミに戻っていた。そこで昔の恩師に再会したが、ダカスコスの母校は『ショウダウン』よろしく荒れまくった学校になっていた。その際に不良のケンカをブラジル武術のカポエラを駆使して止めたが、これがきっかけでダカスコスはカポエラ講師としてスカウトされる事となる。教え子は学校でも札付きのワルばかりだったが、ダカスコスの教えによって少しずつ打ち解け始めていくのだった。
順調に進んでいくカポエラ課外授業。不良たちの公正に伴って「カポエラを全市で教えよう」という案が校内で持ち上がり、ダカスコスも合宿で生徒たちと親睦を深めていた。しかし教え子であるリチャード・コッカの従兄、パコ・クリスチャン・プリートが乗り出してきた事により、事態は思わぬ方向に進んでしまう。パコはギャングを従えるボスで、奇遇にもダカスコスと同じカポエラ使いだったのだ。邪魔なダカスコスを潰そうとするパコは、ダカスコスの同僚であるステイシー・トラヴィスや学校を襲撃し、遂には放火で生徒数名が命を落としてしまった。事件の原因として学校を追放されたダカスコスは、宿敵パコを一網打尽にせんと孤独な戦いを始めるのだが…。

▲マーシャルアーツ映画ミーツ学園モノと言えば、先程も名を挙げた『ショウダウン』が記憶に新しいところだが、あちらは「いじめられっ子の成長」をテーマにしていたのに対し、本作は「不良たちの公正」という正反対のテーマを描いている。
どちらも秀作である事に変わりは無いが、格闘アクションについては本作のほうに軍配が上がりそうだ。なにしろこの映画はカポエラという異色な格闘技を扱った点で惹かれるし、難易度の高いアクロバティックなアクションを演じきったダカスコスの技量も賞賛されるべき出来だ。もちろんドラマ部分が成功している事も大きく、不良たちとダカスコスが成長していく様子なども実に面白い。ダカスコスの出演作では、完成度についてはナンバー1と言ってもいいだろう(ちなみに格闘アクションにおけるナンバー1は『破壊王』)。
ところで『ショウダウン』もそうだったが、意外とマーシャルアーツ映画は学園モノと相性がいいのだろうか?実は日本にこの手の作品は豊富にあり、『ろくでなしBLUES』『新宿純愛物語』『男組』などの学園アクションが存在している。現在でも『クローズZERO』『ワルボロ』などがこの系譜を脈々と受け継いでいるが、マーシャルアーツ映画にもこういう学園バトルな作品はあるのか否か…ちょびっと気になるところである(あちらの国には「番長」なんて概念はあるのかな?)。