
「ザ・格闘王2」
製作:1994年
●本作はケイン・コスギ主演の『ザ・格闘王』の続編で、あの感動ぶち壊しオチからどうなるのかなぁ…と思っていたら、その雰囲気をそのまま引きずってしまった不幸な作品です。
前作は、父(宮内洋)を殺されたケインが格闘トーナメントで闘うという話でしたが、最後にヒロインが殺害されるという酷いオチで終わっていました。本作はその直後から始まりますが、アジアンマフィアによって捕まったケインが拷問を受け、全身ズタズタになった挙句に麻薬中毒になるという凄惨な展開からスタートします。
何とか脱出したケインは敵が横浜にアジトを移した事を知り、色々あって陶芸家で武術の達人・清水宏次朗の元へ身を寄せた。自力で麻薬の誘惑を断ち切る(!)と、彼は捕まっている清水の義理の娘&友人の女性記者(実はマフィア首領の情婦)を救うため、2人で敵地へと突入。死闘の果てに清水の義理の娘は助け出したが、この戦闘で女性記者と清水は死亡してしまう。再び胴着に身を包んだケインは、マフィア首領の邸宅へと乗り込む!
…と、このように本作は前作からの落差が非常に激しいものとなっています。ストーリーは単なるケインの復讐記になっているし、立ちはだかる敵の格闘家もたった2人しかいません。前作では倉田保昭や宮内洋を筆頭に、サイモン・リーなどの外人ファイター、石橋雅史や天本英世といった渋いゲストが出演していました。しかし本作には清水宏次朗ぐらいしか有名どころがおらず、画的にも非常に辛いものがあります。
このスケールダウンは前作で豪華なキャストを揃えたせいで、予算を使い過ぎてしまったことが原因だったのではないでしょうか?実際のところは監督のショー・コスギにしか解りませんが、そう思ってしまうほど本作のスケールダウンは著しいものでありました。
唯一、本作が前作に勝っているのはメインキャラの死亡者だけと思われます。本作ではケインの恋人と友人を始め、彼に関わった多くの人物が死んでいきます。その陰惨な雰囲気はさながらD&B(香港映画の中堅プロダクションで、よく鬱展開を好む)を髣髴とさせるもので、ダブル主演の清水すら死んでしまいます。劇中でもケインが「もう友の死は見たくない」と言う場面もあるので、このへんは本当にどうにかして欲しかったです。
しかし格闘シーンは全体的に質が高く、何よりも清水とケインによる夢の競演&対決が実現しただけでも、本作は価値があったと言えます。清水は『極道ステーキ』などのVシネ格闘アクションに出演していますが、実力の見合う相手とは中々巡りあえませんでした。本作ではその鬱憤を晴らすかの如く立ち回り、ハイテンションなバトルを見せています(少なくとも私が見た清水の出演作の中でも、1・2を争う動きの良さでした)。
暗い展開や尻切れトンボのラストなど、ショー・コスギの監督としての技量はあまり評価できないかもしれませんが、ケイン自身の可能性はまだ未知数。このまま未知数のままで終わっては欲しくないのですが、果たして今後ケインはどのような活躍を見せていくのか、座して期待したいところです。