
「ドルフ・ラングレン ストーム・キャッチャー」
原題:STORM CATCHER
製作:1999年
●本作はドルフ・ラングレン主演のゆるーいスカイアクションである。
主人公のドルフは最新鋭ステルス戦闘機"ストーム・キャッチャー"のテストパイロットで、仲間にも上司にも家族にも恵まれた生活を送っており、休暇を家族や友人でステルスのオペレーターであるマイストロ・クラークと共に過ごしていた。ところが、ドルフの仲間である副パイロットがドルフの名を騙って"ストーム・キャッチャー"を強奪。ドルフは一時的に拉致られてステルス機強奪犯の汚名を着せられてしまった。
ところが、護送中のドルフを何者かが襲った。どうにか脱出したドルフはクラークに自分を襲った連中の正体を究明するよう頼むと、家族を避難させようといったん家へと戻った。が、敵はすぐさま襲撃に現れ、妻が傷付いてしまう。数少ない証拠から真実に迫っていくドルフとクラークはアメリカ軍内に潜む暗部へと辿り着くのだが、そこには思わぬ黒幕が待ち構えていた…。
本作はあまりにもお約束なストーリーで成り立っている。
クラークと上官が敵の正体について会話する場面でもう誰が黒幕なのか解ってしまうし(笑)、取ってつけたような国家・軍部批判もあからさまだ。また、そのせいなのか"お約束"以外の部分がスカスカなのである。思わせぶりに登場していたCIAの連中はほとんど意味の無いキャラだったし、逃亡犯になっているはずのドルフが普通に病院や飛行場にポンポン現れたりと、肝心なところでこの作品は詰めが甘いのだ。
特に気になったポイントは2点ある。まず事件の黒幕である組織も千人の構成員がいるというのに、始末されたのは親玉と手下が数人だけ(それほどの規模の組織なら、ボスがいなくなってもある程度やっていけそうな気がする)という点。そしてドルフは結局自分の汚名を晴らしていない(登場する悪党や真実に近付いた人間はほぼ全員死んでいるので、生き証人がいない)点だ。
特に後者に関しては、ラストのオチで台無しにしてしまっているのが気がかりだ。あんな最新鋭のステルス戦闘機なんだから、弁償するとなると幾らになるやら…。
アクションではクライマックスにドルフVS副パイロットのバトルがあるが、そこでドルフはなんと長椅子を武器にするのだ。ジャッキー映画ではよく椅子が武器として使用されるが、本作のような長椅子の使い方は、まずジャッキーにはできまい(苦笑
スカイ・アクションというだけあってステルス戦闘機の出番は沢山あり、こちらもこちらでそれなりに迫力がある。最新技術の結晶ということで、"ストーム・キャッチャー"は様々な機能を披露してくれる…が、最終的に劇中で破壊したのはボロっちい車1台というのは、いささか悲惨ではなかろうか(爆)。私は広大な敵の基地を派手に空爆するのかと思っていたので、これにはかなりガッカリさせられてしまいました。
なお、本作でドルフの声を担当したのは、セガールの声優でお馴染みの大塚明夫氏。なのでドルフがセガールに見えて仕方が無かったが、このほかにビッグネームがもうひとり出演している。それが『勇者王ガオガイガー』の獅子王凱役などで知られる檜山修之だ。彼は本作では敵の一味の1人で、ドルフを監視するため一緒にステルスに乗り込む男の役で出ているのだが、いやぁこれが目立つ目立つ(笑)。洋画だとこういうことがあるから面白いです。