『冒険者カミカゼ』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


「冒険者カミカゼ」
Adenture Kamikaze
The Kamikaze Adventurers
1981

●元オリンピック選手の千葉ちゃん、医大生の真田広之、そして金持ちになる事を夢見るヒロイン・秋吉久美子の三人は、ひょんなことから7億円現金強奪事件によって巡り会う。一度は7億を手にしたものの、千葉ちゃんの妻がこっそり利用していたヤミ金業者のヤクザに金を奪われ、妻を殺されてしまう。かくして三人は復讐と奪還の為に、やけにさわやかな雰囲気で出立するのであった。
どうもこの作品は『冒険者たち』という犯罪映画からインスパイアを受けているらしいが、私自身『冒険者たち』を知らないのでこちらについては何も言えないところ。本作はJACとサニ千葉プロが製作協力したもので、この布陣ならアクション大作を望めそうなものなのだが、実際はロードムービーみたいな内容だ。そのためか、アクションはいつもの派手な空手アクションではなく、極力リアルスティックな仕様になっている。
千葉ちゃんは走行する車の下に張り付いたりとスタントを見せているが、その他は特にコレといったアクションは無し。ラストの軍艦島での決戦に至っては、手榴弾を投げて右往左往していただけという、そちらの方面で期待していた人にはがっかりな内容だ。
ストーリーも何だかのたりのたりとしていて、どうにも調子が狂う。そもそも千葉ちゃんたちは犯罪者であり、身内が死んだのも自業自得と思うが、それに関しては何のお咎めもなし。更に、秋吉久美子が犠牲になるのはあまりにもお約束な展開で興醒めだった。
敵のボスも死んだかどうか曖昧な描写だったし、なんだか思い切りに欠けてしまっているような作りでスッキリしない。アクションならアクションで、ロードムービーならロードムービーできっちり作風を方向付けていればいいものを、軍艦島の場面など、JACが手がけたアクションシーンだけ浮いている気がしてならない。
話もアクションも中途半端だけどレアな作品。興味があれば一度ご賞味あれ。
(※…予告編にシリーズ第一弾と明記されていますが、実際はこれ一本で打ち止め。やっぱり当時も受けが悪かったのか?)