
「富貴兵團」
富貴兵團
The Fortune Code
1990
●香港映画におけるオールスター作品の頂点として製作された『上海エクスプレス』。この映画は言うまでも無くヒットを記録し、同じ様な作品も企画された…それがこの作品なのだ。しかし、実際はそれほどのヒットにはならなかったとのことだが…?
時は第二次世界大戦、ここは日本軍の捕虜収容所(と言っても、捕虜は普通のいい生活をしていたりする)。劉徳華・陳百祥・鄭則士・樓南光・成奎安らは脱走を企て、鐘發を倒して劉徳華だけがなんとか脱出した。その後、劉徳華は恋人の梅艷芳と接触していたが、実は梅艷芳は中国軍のスパイで、そこにスパイ頭目のサモハンも現れた。
いいように言いくるめられてスパイの仲間入りをさせられた劉徳華は、同じスパイの譚詠麟と合流し、サモハンからある計画を聞かせられた。曰く、「スイス銀行にある中国側の隠し財産のパスワードを知る男・"福の神"が劉徳華のいた捕虜収容所にいるから、探し出してパスワードを聞き出して欲しい」とのこと。劉徳華と譚詠麟は共に収容所へと向かうのだが、そこには新任の収容所主任・龍方が目を光らせていた。
収容所には新たに飛虎隊の捕虜(曾志偉・莫少聰ら)も到着。龍方も"福の神"を探しており、また劉徳華に先んじて潜入した梅艷芳もいる。果たして、"福の神"の正体と暗号は?そして、劉徳華たちは無事に脱出することができるのか?本作はこれを主軸に様々なイベントを経てクライマックスへと至る。終盤には龍方の上官である陳勳奇・劉家輝・白彪も参加(配下には慮恵光なども)。サモハンもやって来て一大バトルに突入していく。
オールスター作品となると内容が薄くなるのは仕方が無いが、本作は『上海エクスプレス』に比べると、ストーリーもアクションも随分と落ちる。顔ぶれに関しては『上海~』にも負けてはいないのだが、どっちかというとアクションのできる面子が少ない。樓南光などのコメディアクターはいるが、正直ギャグも空回りしていて面白くなかった。しかも『上海~』ではキャラクターや設定、ロケーションなどがスケール感を出していたが、本作はキャラに個性が無く、物語が収容所のみで進むので、ひどく窮屈な印象を受ける。
アクションについてはサモハンはノータッチらしく、また功夫スターがほとんど不在ということもあって、迫力不足の感も否めない。サモハンVS龍方・サモハンVS陳觀泰という功夫ファン垂涎の顔合わせが見られるが、この顔合わせならもっと凄いものが見られたと思うし、惜しい限りだ(なお、劉家輝・白彪とサモハンの絡みは無し)。
正に消化不良を絵に描いたような作品。これならヒットしなかった理由もなんとなく解ります。ちなみに監督はなんと鄭則士。ほかに彼の監督作があるのか知らないが、同じデブ監督ならサモハンに任せたほうがよかったのでは?(酷