『師兄師弟』 | 続・功夫電影専科

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香港映画を始めとした古今東西のアクション映画の感想などを書き連ねています。


師兄師弟
Masters of Tiger Crane
1984(1982?)

▼黄正利(ウォン・チェン・リー)が出演している韓国功夫片で、主演は徐炳憲(ベニー・ツイ)という兄ちゃんだ。役柄的にジャッキーを意識したキャラクターを演じている徐炳憲だが、いかんせんいかつい顔なのでムサ苦しいというかなんというか…(爆

■物語は少林寺の寺男である徐炳憲が、黄正利とその妹(2人とも『武装煉金』みたいなパピヨン仮面装着…ハズかしいぞ!)に師匠を殺され、兄を誘拐されるところから始まる。とはいえ、仇討ち相手に関する手がかりは死に際に師匠から託された黄正利のネックレスのみ。関所で門番にからかわれたり、チンピラにボコられそうになったり、変なジジイに連れられて食い逃げの片棒を担がされ、食堂で働かされたりと七転八倒。一向に仇敵探しは進展しなかった。
更には黄正利の手下に持っていたネックレスを見られた徐炳憲。報告を受けた黄正利は「あの小僧からネックレスを取り返せ!」と手下に命じ、あっという間に徐炳憲を捕らえてしまう。今回の黄正利は誘拐された徐炳憲の兄に絵を描かせており(画家?贋作職人?)、その絵を役人に売り渡していた。絵を売って金儲けって…悪事のスケール小さいぞ黄正利!(笑
捕まった徐炳憲は兄と悲劇の再会を果たすが、その晩にあの変なジジイに助け出された。ジジイは今まで幾度か徐炳憲のピンチを助けており、先に殺された師匠の兄弟弟子でもあった。かくして、ジジイ師匠からこの手の作品ではお馴染みのヘンテコ修行を受け、腕を磨いた徐炳憲はいよいよ本格的な仇討ちへと向かった!

▼徐炳憲が仇討ちに向かったところからアクションは俄然ヒートアップ!作中ではここまでずっとやられてばかりだった徐炳憲は、その鬱憤を晴らすかのように大暴れを展開している。さすがに黄正利には苦戦するものの、ジジイ師匠の決死の加勢で遂に仇を討つなど、ほとんどその勢いは『ヤング・マスター』もビックリといった感じだ。
アクロバットな動作を交えたラストバトルはかなり面白いが、個人的に驚いたのが徐炳憲である。徐炳憲はぜんぜん知らない人だが、本作では黄正利に負けないテコンドーアクションを披露。その迫力たるや、黄正利も霞んでしまうほどだった(もっとも、本作の黄正利にあまり凄みが無かったということもあるのだが…)。
しかしこの展開を見ても解るとおり、本作はこのクライマックスから完全に別物のストーリーとなってしまっている。
前半は典型的な『酔拳』チックのコメディ功夫片だが、後半に進むに連れてどんどん陰惨な展開へと向かっていき、食堂の娘さん・徐炳憲の兄・ジジイ師匠に至るまで、徐炳憲と親しくしていた人々は全員殺されてしまうのだ。食堂の娘さんは明確に死んだ描写は無いものの、最後に登場したシーンを見るに、無事では済んでいないハズである。
コメディ部分の演出がちょっとモタついていたところを見ると、本作の監督はあまりこの手の話が好きではなく、とっととシリアスなストーリーに持っていきたかったのではないかと思われる(あくまで推測ですが…)。決して悪くは無い作品ではあるが、最後の展開がなぁ……う~ん。