
「アンダー・カバー/炎の復讐」
Mission Of Justice
1992
●これまたマーシャルアーツ映画の傑作である。ストーリーも大した破綻は無く、アクションも良質とバランスの取れた内訳となっている点は、玉石混在のマーシャルアーツ映画において大きく評価できる。
主演は本作と同じプロダクションが制作した佳作『マーシャルコップ』のジェフ・ウィンコット。相棒の婦警には『検事Mr.ハー』でシンシア・ラスロックと闘ったカレン・シェパードが、敵の女ボスの配下にはマシアス・ヒューズと、それなりに豪華な人員をそろえている。
家庭内暴力を働く男を逮捕した警察官のジェフとカレンは、帰り際にコンビに強盗に出くわしたが、そこで"ピースメーカー"の黒人青年に手柄を奪われる。"ピースメーカー"とは市長選に出馬しているブリジット・ニールセンが保有する私立自警団で、ブリジットは"ピースメーカー"の活躍で多くの支持を得ている。一方、逮捕した家庭内暴力男はバカ上司が保釈したため妻を殺害。怒ったジェフはバカ上司を殴って辞表を叩きつけた。
その後、ジェフは気晴らしに知り合いの黒人ボクサーが経営するジムに立ち寄る。黒人ボクサーはかつてブリジットの自警団に協力していたが、嫌気を感じて辞退していた。ジェフが帰宅した後、その黒人ボクサーのもとにブリジットが弟のマシアスと側近のジェームス・リューを連れて現れ、意にそぐわぬ黒人ボクサーを殺害して去って行った。その場であの"ピースメーカー"の黒人青年が見ている事など知らずに…。
親友が殺された事が信じられないジェフ。彼は直前に黒人ボクサーと話していた自警団に何かあると睨み、入団して内部に潜り込んだ。その頃、ブリジットは入念な政治的宣伝でじわじわと支持率を上げにかかっていた。元警官ということで当初は怪しまれていたジェフだが、のちに入団試験に合格して"ピースメーカー"の一員として行動していく。
捜査を続けていくうちにジェフは黒人ボクサーがブリジットに脅されていた事実を掴むが、証拠には足りえない。そんな中、ジェフたちが黒人青年たちと仕事に励んでいたところに警察が踏み込み、ジェフたちは逮捕されてしまう。実はこれも現市長への当てつけにブリジットらが仕組んだ事で、すぐにジェフたちは解放された。
だが、黒人ボクサーとの関係が知られたジェフは命を狙われ、資産家の母を殺された黒人青年と共に元同僚であるカレンの協力を仰いだ。途中で黒人青年は捕らわれるものの、ジェフとカレンは自警団に突入する…!
アクション指導を担当したのは、作中でもジェフや黒人青年たちと共に行動する"ピースメーカー"として出演しているジェフ・プルート。彼のアクションは『ハード・リベンジ』に引き続いていい仕事を残している。そしてアルファスタントの坂本浩一が助理を務め、本作ではアクション指導以外にスタントでも何度も登場し、確認できただけでも3回(それぞれジェフ、カレン、プルートらと対決)も出てきては他のスタント人員とはレベルの違う動きを見せていた。
作中のアクションはストーリーを邪魔することなく進行し、とりわけ1番の見どころは自警団の入団試験だ。ここはモロ『少林寺木人拳』まんまなバトルが展開され、なかなか興奮させてくれる。ラストではカレンが華麗な三角飛びを披露し、ジェフはマシアスと激突を繰り広げる。アクション面では特に文句は無く、悪い奴も全員倒され(イライラさせる存在だったバカ上司も後半で殺られてスッキリ)、ラストのジェフのやりとりもありがちだが爽快感がありました。
ところで、マーシャルアーツ映画の関係者にはやたらとジェフという名前の人が多いので、たまにこんがらがっちゃうのが困りものです。本作のジェフ・ウィンコット、アクション指導のジェフ・プルート、同じく殺陣師のジェフ・イマダ、香港映画にも出演したジェフ・ファルコン、『パーフェクト・ウェポン』のジェフ・スピークマン等々…慣れない人だと混同してしまうこと必至ですねぇ(苦笑