
「ハード・ターゲット」
終極標[革巴]
HARD TARGET
1993
●ここのところ、あまり話題を聞かない呉宇森(ジョン・ウー)が心配だ。最近では何故か『エクスマキナ』というジャパニメーション作品をプロデュースしたりと、なんだか変な方向へ行ってる気がする。また呉宇森的な熱い男たちの物語を見たいのだが…。そんな彼がハリウッド進出した記念すべき第一作が本作である。主演にジャン=クロード・ヴァン・ダムを配し、制作にはサム・ライミが関わっている。
行方不明の父親を捜してホームレスが吹き溜まっているニューオリンズへやって来た弁護士のヤンシー・バトラー。だが、どうも父親はホームレスになっているらしく、警察は当てにならない。そこで偶然知り合った元警官のヴァンダムと共に父を捜すが、父は廃墟で焼死体となって発見される。
自殺として片付けられたこの一件に疑問を持ったヴァンダムが調べてみると、本当の死因は他殺だった。実はこの街の裏では殺人ゲームが行われ、ヴァンダムの友人の黒人も殺されてしまう。事実に近づいたヤンシーとヴァンダムは狙われるが、ヴァンダムの父の協力により廃工場で敵一同を迎え打つこととなる。
初進出だけあって呉宇森はかなり苦労したらしく、特にヴァンダムが「俺が目立たなくてどうする!」とヴァンダム節(爆)を炸裂させた為、呉宇森も四苦八苦したようだ。なお、敵に扮するランス・ヘンリクセン&アーノルド・ヴォスルーだが、前者は『エイリアン2』で真っ二つになってたアンドロイドで、後者は『ハムナプトラ』でイムホテップ役をやっていた、意外に有名な人だったりする(笑
本作を一言で形容するなら"呉宇森ファンが作ったような呉宇森作品"である。呉宇森作品のいつもの魅力が、悉く殺されてしまっている感が強いのだ。序盤からスローモーション連発し、鳩が舞い飛びラストは二丁拳銃と、完全に呉宇森的な要素をちりばめている。が、それらが全て呉宇森作品を「倣った」ようで、彼の作品特有の迫力が感じられないのである。
とは言っても、ハリウッド初顔見せということもあるので、いきなり『ワイルド・ブリッド』みたいな濃い内容を見せつけるよりも、可もなく不可もなしな作風にしたのは無難と言える。それにその後のハリウッドでの呉宇森作品を感じさせるシーンも少なからずあり、向かってくる車にバイクの上で立ってショットガンをぶっ放すとこは『M:I-2』を髣髴とさせる無茶なスタントだった。
ヴァンダム作品では呉宇森との作品がコレ一本というのが惜しい。とりあえずヴァンダム作品としてはあまり格闘シーンが控えめだが出来は並みといったところか。しかし呉宇森…ジャッキーみたいにまた香港に戻ってハメを外した作品でも作ってくれないかなぁ…?