
Weapons of Death
製作:1982年
●皆さんはエリック・リーという人物をご存知でしょうか?この人はドン・ザ・ドラゴン・ウィルソンの『キング・オブ・キックボクサー』シリーズ(呉思遠作品とは無関係に作られた『2』以降の続編)でドンと何度も共演している、本物の格闘技チャンピオンです。
私が彼を初めて見たのは、『キング・オブ~』シリーズの第3弾『リング・オブ・ファイア』でした。この作品は格闘技の世界チャンピオンが多数出演していますが、肝心のアクション描写はぎこちなくてショボいの一言。そんな中でエリックさんは三節棍を振るい、そこそこ派手に立ち回っていたのを覚えています。
この『Weapons of Death』は、そんな彼がドン・ウィルソン作品と関わりを持つ前に主演した映画で、若く俊敏な動きを見せるエリックさんを見る事が出来ます。もっとも自主映画に近い作品のようで、ストーリーもロケ地もかなり安く感じました。
物語はチャイナタウンで功夫道場を営むエリックさんが、チャイニーズマフィアの一派に妹のナンシー・リーを誘拐されてしまい、仲間たちと奪還に向かうというもの。監督は底抜けアクションの『Death Machines』を手掛けたポール・キャリアズで、本作では仲間の一人に扮してピストル(おい!)で闘っています。
正直言って最初の1時間は少々退屈なのですが、注目すべきはクライマックスに押し寄せる怒涛のアクションシーンです。ここから作品のテンションは一気にヒートアップし、無名の作品にしてはなかなか激しいファイトが繰り広げられていました。
特に終盤のエリックさんVSジェラルド・オカムラ(『ホット・ショット2』の冒頭で審判をしていたおっさん…実は本物の武術家)は、マーシャルアーツ映画の黎明期に位置する作品とは思えないほどの激闘で、そこかしこに功夫映画の影響を感じさせます。
映画としては非常に粗末な代物ですが、マーシャルアーツ映画ファンにとっては一見の価値がある作品と言えるでしょう。