
「風拳鬼手への道」
「酔殺拳スーパー・フィスト」
「風拳鬼手への道・必殺カンフー無頼」
盲拳鬼手
Blind Fist of Bruce
1979(81?)
●かつて『蛇拳』『酔拳』でジャッキーの師匠役を演じた袁小田(ユエン・シャオティエン)が、それらの大ヒットに伴う余波で似たような作品に引っ張りだこだったのは有名な話。本作はそんなエセ『酔拳』モノの中でもきわめて異色な一本だ。
というのも、本作の主演があのバッタもん李小龍である何宗道(ホー・チョンドー)だからだ。本作で何宗道はバッタもん李小龍の演技を一切捨てて、彼としてはあまり縁の無かったコメディー功夫片に身を投じている。それでも部分部分"それっぽく"見えたりするが、これは長年バッタもんをやってきた経験からくる哀しい性なのかもしれない(爆
しかしその脱・李小龍を目指した何宗道の心意気も虚しく、本作はひどい駄作に成り果てている。殺陣はクドくてタルく、コメディシーンは全然笑えないし、そもそも製作動機も不順な本作はバッタもん李小龍作品となんら変わりない出来栄えになってしまっている。物語の展開は遅くてダラダラしているし、修行は大雑把な修行道具でごまかしていたりと、かなりやる気の無い雰囲気が伝わってくる。もうちょっと何とかならなかったのだろうか…?
話のほうは何宗道版『ドラ息子カンフー』で、金持ちボンボンで功夫の腕は見せかけだけという何宗道が、家や財産を非道な江島一味に乗っ取られる。そこで盲目の袁小田おじいちゃんから修行を受けてスーパー張り手を会得し、ラスボスで袁小田おじいちゃんの目を潰した張本人の楊成五(タイガー・ヤン)と戦っていく…というストーリーだ。
ラスボスを演じた楊成五は『死亡の塔』での怪力男役が有名だが、実は韓国出身でテコンドーの猛者。たぶん『酔拳』の黄正利(ウォン・チェン・リー)みたいな韓国人武打星による蹴り技のインパクトを狙ったのだろうが、グダグダな殺陣が全てを台無しにしてしまっている。それ以前に楊成五は物語の最後の方で唐突に登場するので、こちらも感情移入がしづらい。せめて袁小田の回想シーンを冒頭に持ってくれば、少しは全体的にもまとまりよくなったのではないかと思う。