
「少林寺への道2」
「少林寺への道/十八銅人の逆襲」
原題:雍正大破十八銅人
英題:Return of 18 Bronzemen
製作:1976年
●先代皇帝の遺書を書き換え、非情な手段で皇帝の地位にのし上がった雍正帝こと黄家達(カーター・ワン)。お忍びで街に出かけた際、たまたま出会った上官靈鳳(シャンカン・リンホー)に惹かれるが、その傍らには少林拳を使う田鵬(ティエン・ポウ)の姿があった。
自らも功夫を身に着けたいと思った黄家達は、皇帝でありながら「少林寺へ入門する!」と言い出した。さすがに職務をほったらかす訳にはいかないので、修業期間は3年という取り決めを交わし、その上で黄家達は少林寺の門を叩いた。
だが、『少林寺列伝』よろしく門前で座り込み、強引に入門した彼を待っていたのは、辛く厳しい修行の日々であった。限られた時間の中、ガムシャラに功夫を学ぼうとする黄家達だが、そのせいで周囲から浮いてしまう事に…。彼の最終目標は、十八銅人が待ち受ける最大の難関・銅人房の攻略だが、何度チャレンジしても失敗してしまう。
少林寺の秘術をこっそり盗み読んだり、血のにじむような努力を続けた結果、3度目の挑戦でゴール目前まで辿り着いた黄家達。しかし、ここにきて修業期間の3年に達したため、迎えの部下たちが到着。俗世との関わりを避けたい少林寺は、挑戦の中止を言い渡し、彼を破門にしてしまう。
すべての努力が無駄となり、黄家達はやり場のない怒りを抱えたまま去っていく。やがて上官靈鳳が自分の命を狙う刺客だと判明し、踏んだり蹴ったりの彼はストレスで爆発寸前。そこにタイミングよく血滴子(空とぶギロチン)が完成したとの一報が入り、皇帝として少林寺抹殺を宣言するのだった…。
この作品は黄家達が主演した『少林寺への道』シリーズの第2弾です。シリーズと言っても、共通しているのは郭南宏(ジョセフ・クオ)が製作に関わっている点と、主演である黄家達の存在、そして金粉ショーのような“十八銅人”というファンキーなイベントだけとなっています(笑
記念すべき第1作となる『少林寺への道』は、李連杰の『少林寺』に便乗するかたちで日本公開され、その奇抜な内容でカルト的な人気を獲得。のちにビデオで第4作までリリースされ、同系列の作品である『少林寺炎上』まで発売されるなど、今なお根強い支持を得ています。
どの作品も奇抜なものばかりですが、本作はカンフー映画の悪役としておなじみの暴君・雍正帝が主人公という、実に斬新な観点から描かれています。友情や勝利といった前向きなメッセージはなく、ひたすら我を貫く主人公の姿は他に類を見ないものであり、インパクトだけならシリーズ屈指といえるでしょう。
銅人房でのアホっぽい修行の数々、そして主人公が逆ギレして終わるラストなど、今なお珍作として語り継がれるのも納得の作品ですが、セットやエキストラの規模はなかなかのもの。功夫アクションにも気合が入っており、主演の黄家達もさることながら、ベテラン女優の上官靈鳳が見せるキレのいい動きにも目を引かれました。
そんなわけで、個人的にはシリーズの中でもお気に入りの一本といっても過言ではありません。それと、本作の後に『少林寺炎上』を見てみるのも一興かもしれませんね(『少林寺炎上』は雍正帝が少林寺の焼き討ちを始めるところから始まっているので)。