『片腕カンフー対空とぶギロチン』 | 続・功夫電影専科

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「片腕カンフー対空とぶギロチン」
原題:獨臂拳王大戦血滴子/獨臂拳王大破血滴子
英題:Master of the Flying Guillotine/The One-Armed Boxer vs The Flying Guillotine
製作:1974年

▼8年ほど前、私はこの作品とレンタルビデオ店の隅で偶然出会いました。いかがわしいタイトル、華のない主役、そして面白くなさそうなタイトル…パッケージを手に取った時に抱いた印象がそれでした。しかしこの時私は何も知らなかったのです、奇天烈でアイディア満載の映画に命を賭ける、ジミー先生の勇姿を!
そんなわけで本作は、世界で一番有名なジミー先生こと王羽(ジミー・ウォング)の主演作にして大傑作、そして私が視聴した記念すべき最初のジミー作品です。当時、ジャッキーと李小龍と李連杰が香港映画の全てだと思っていた香港映画かぶれの私に、本作は大きな衝撃をもたらしてくれました(遠い目)

■清朝が誇る暗殺武器・空とぶギロチンの使い手である金剛(カム・カン)は、自分の2人の弟子が片腕カンフーのジミー先生に倒されたと知り、復讐を決意する。一方、ジミー先生は鷹爪道場で開催される武道大会へ、弟子を伴って観戦しに向かっていた。
ところが、その大会に復讐鬼となった金剛が乱入し、会場を爆撃して地獄絵図に変えてしまう。怨敵の襲来に警戒するジミー先生であったが、彼の前に次々と強敵が立ちふさがる。タイ人の岑潛波、トンファー使いの侍・龍飛(ロン・フェイ)、ヨガの王永生…果たして、ジミー先生は地獄の4番勝負に勝てるのか!?

▲道場主の主人公が清朝の手先と戦う…こういう構図は功夫映画ではとてもありふれたものであり、本作と同じようなストーリーの作品は無数に存在します。しかし本作でジミー先生は、手を変え品を変えた奇抜な展開を駆使し、他者との差別化を徹底して図ったのです。
そもそも、決戦に備えて罠を張り巡らし、門下生を使って敵を火あぶりにし、オノを打ち込んで老人をボコボコにする主人公なんて前代未聞です。しかも敵がホラー映画も真っ青な空とぶギロチン使いのラマ僧ですから、これでマトモな映画になるはずがありません(爆
のちに世界的にファンを獲得するカルト・ムービーとなり、今もジミー先生の代表作の1つとして君臨している本作。メジャー作品から一歩踏み入って、よりディープな功夫映画に興味がわいてきた人は、ぜひ本作と前作『片腕ドラゴン』からの視聴をオススメしたいと思います