
「用心棒ドラゴン」
大小通吃
Win Them All
1972
●日本でも李小龍ブームのあおりで劇場公開された一本。当時のブームでは倉田保昭の出演作品がTV放送も含めて多く公開されたが、その内容とクオリティはバラバラで、本作はどちらかというと凡庸なタイプの作品である。
父の田野を殺された徐楓(シー・ファン)は、色っぽい女スリの胡錦(フー・チェン)とその相方?の陳慧樓(チェン・ウェイロー)と共に父を殺した犯人を探そうとする。その一方で謎の功夫使いの青年・黄元申(ウォン・ユンメン)とその妹?と黄元申を師匠と慕う少年の珍道中も平行して進む。彼らも誰か人を探しているようだ。
田野を殺したのは賭博場の用心棒である倉田保昭だった。ところが徐楓は功夫の使い手である黄元申を仇だと思い込み、最初は敵対してしまう。殺された田野の顔には倉田の虎爪拳による5つの傷跡があったのだが、徐楓と黄元申は倉田に殺された薛漢(シェ・ハン…『片腕カンフー対空とぶギロチン』でトーナメントの審判をしていたおじさん)の死体を遺棄しようとしていた賭博場の連中と出会ったことから、倉田が仇だと知る。しかも倉田は黄元申にとっても宿敵だった事から意気投合し、2人は田豊(ティエン・ファン)が元締めをしている賭博場へと乗り込む!
…と、話を纏めてみるとそんなに悪くない話に思えるかもしれない。
実際にコメディ仕立ての話は楽しいし、胡錦さんのハツラツさと徐楓の仏頂面なカンフーレディという対比もユニークだ。だが、徐楓サイドと黄元申サイドのエピソードがごちゃごちゃになっているので、全体の統一感に欠けている。そしてアクション面も思い切りが足りず、ラストのアクションでも倉田保昭という逸材を生かしきれないまま終わっている。それでも倉田はなかなかに奮闘しており、本作は倉田保昭あってこそ…といったところだろう。
…それにしても、『必殺ドラゴン鉄の爪』でもあんな感じだったが、黄元申はなんでいつも棒立ちっぽい姿勢を維持しようとしたまま戦おうとするスタイルなのだろう?なんだかジミー先生を彷彿とさせなくもないような(爆