『愛夢の場合』⑦ 第二章 晋と愛の物語 | From me

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韓ドラ(ラブコメ)好き

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 次の日、愛を送りがてら愛の家へ向った


 御両親の墓参りを済ませ、愛の職場にも挨拶をしに行った

 「えー!そんなの困る」

 「でも寿退社じゃ仕方ないなぁ…その代わり必ず幸せになってよ」

 「淋しくなるなぁ…でもしばらくは来てくれるんやろ?」

 「くれぐれも川下さんを頼みます」  
 何度も念を押された
 
 夕食を食べに行ってばったりと愛の友達と会った

 「あっちゃん誰?紹介して」

 「かれし

 「えー!いつ何処でこんな素敵な彼を見つけたん?全然そぶりも見せなかったくせに…初めまして」

 「初めまして。松浦晋です」

 「で?」

 「役所が開いたら入籍するつもりです」

 「えー。もうそんな話になってるん?パパあっちゃんが結婚するんやて」

 皆でワイワイ喋っている言葉は、僕には良く理解出来なかったが、お祝を言ってもらったり冷やかされたりしているのだろうというのは解かった

 今日はこっちに泊るつもりだったが、Uターンラッシュが始まるだろうからと言われ帰ることにした

 帰りは愛の携帯が鳴り続け、愛はこの街で皆に愛されていたんだと実感し必ず二人で幸せになろうと誓った



 翌日はゆっくりと昼食を摂り、午後から買い物に出かけた


 真珠達の真似をした訳ではないがやはりあやかりたくて、僕は愛の誕生石のサファイアを愛には僕の誕生石のダイヤのリングを注文した



 大安吉日に二人で役所に行き入籍したが、愛は何故か右手の薬指にリングをはめてくれと言った

 平日、愛は家に帰り仕事をしたり送別会を開いてもらったりして、週末戻って来て日曜日の最終で帰るという日が続いた

 平日のなんと長いことか週末のなんと短いことか…


 真珠とは恋愛観が違うと言ったが今なら彼の気持ちが良く解かる

 彼がそうだったように僕も愛の事で一喜一憂し、愛が側にいてくれないと駄目だと思い知った

 愛もまた
 「帰りたくない」
 と言い出す日が増え
 この週末からはずっと一緒にいられる様になった

 仕事以外の時間はいつも一緒にいられる

 部屋に灯りがつき待っていてくれる人がいる

 ご飯を食べるのもテレビを見るのも眠るのも一人じゃない

 それがこんなにも幸せな事なんだと初めて知った


 桜の便りが聞こえてくる季節となりしばらく出張する事になった
 
 「私はあっちに帰ってるから心配しないで」

 「愛も一緒に行くんだよ。監督や先生も行くし」

 「一緒に行っていいの?」

 「もちろんだよ。仕事が終ったらしばらくゆっくりしよう。新婚旅行も行ってないし…」

 春風の中、二人で旅立った


 晋はパーティに出席しなければならないので、私はホテルで待っているつもりだったけど


 「心配だから一緒に行こう」

 

 「パーティなんて苦手だし、第一ドレスを持って来てないからここにいる」

 「大丈夫買えばいいから」

 連れて行かれた所で、ドレスを合わせてもらいヘアメークからネイルまでやってもらい晋が来るのを待っていた


 「本当に愛なの?」

 「なんか変でしょ?やっぱり似合わないよね」

 「(綺麗だ…)そんな事ないよ…別人かと思った」

 晋にエスコートされ会場に入ると、監督や先生がいたので手を振って会釈したのに無視された

 「ちょっと挨拶して来るから監督達といて。絶対外に出ちゃ駄目だよ」


 「監督、先生お久しぶりです。ちょっと挨拶して来ますので愛をお願いします」

 「えっ!愛さん?愛さんなの?社長の連れは誰だ?って噂してたんですよ」

 「手を振ったのに無視されたから、“忘れられちゃったのか”って思ったわ」

 「綺麗で別人みたいだったから…解からなかっただけですよ」

 「監督もお世辞が上手になって…」


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