教育コンサルタントと考える将来の自己設計
日本には馴染みのない職業「教育コンサルタント」という仕事。アメリカの教育力を持つ家庭では、医師・弁護士・フィナンシャルプランナー・教育コンサルタントの4つの専門職と直接契約を結んで相談をしています。教育コンサルタントは、子供の希望する進路を聞き、親と相談しながら学校選びをサポートします。入学後は、どの科目を選べば良いのかなどの相談に応じる役割です。勉強を教えるわけではないのです。アメリカでは「教育の自己設計」を日本よりも真剣に家族全体でするのです。だからこそ最新の確かな「情報」を持つプロのアドバイザーが求められるのです。もちろん日本でも教育費は家計の多くを圧迫し、家族ぐるみで考える重要なテーマであり、きっと現実に家族で考えているテーマです。ただ、その「考え方」や「スタンス」に大きなギャップがあるように思います。日本では、有名校「ブランド」がやはり何よりも強い。親のエゴと本人の見栄が学校選びの第一基準になっています。一方、アメリカでは第一の基準が、「その学校が子供に会うか、合わないか」。子供のどの面を一番伸ばしてあげたいか、どの良さを育てたいか、それを家族を始め本人も真剣になってコンサルタントと一緒に考えるのです。また、アメリカ社会の「勉強した努力が報われる」という点も、教育に真剣な姿勢を下支えしていると考えられます。アメリカでは「法学部」や「商学部」などといった専攻を大学入学時点で特定したりしません。大学ではリベラルアーツと呼ばれる教養科目を徹底的に勉強して、自分の興味ある分野や専門を見極めます。自分の専門と職業を決めたその上で、大学院に進学するのが高学位を目指すスタンダードです。学位が高いほど、活躍の幅が広がり、報酬や地位でリアルに努力が報われます。だからこそ多くが勉学することに努力を厭わず、何が自分にとって向いている分野なのか必死に考えるのかもしれません。前回記事に書いた「ボーディングスクール」では、生徒ひとり一人に「アドバイザー」と呼ばれる教職員が指定されるそうです。勉強以外の人間関係や将来の進路、「何のために生きるのか」といった根源的な悩みまで、多感な時期の学生に家族ではない近しい存在の大人と相談できる環境を整え、サポートしているというのです。日本の「スクールカウンセラー」はちょっと意味合いが違う位置づけで存在します。大学にいる「キャリアアドバイザー」もコンサルタントではありません。何かこう日本全体が若い世代を育成するという観点で、とてつもなく大切なことを忘れ、見落としているように思えてならないのは私だけでしょうか。----この記事を書くに当たっての出展著書はこちら↓真のエリートをはぐくむ教育力/石角 完爾¥1,260Amazon.co.jp