ナポリタンパスタに粉チーズ | 人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

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元職・雑誌フリーライター。バツイチ独身。午前0時か午後3時に定期更新。主な内容は軽音楽(ジャズ、ロック)、文学(現代詩)の紹介・感想文です。ブロガーならぬ一介の閑人にて無内容・無知ご容赦ください。

 ナポリタンスパゲッティというとこれは完全に日本の発明で、横浜の某ホテルのレストランがお客さんの注文に早く提供できるように茹でおきの麺を冷蔵庫で前の晩から寝かせておくようにしたところ、低温熟成で芯まで均等になった麺が出来上がり、炒め調理にぴったりとトマトソースで具材とともに炒めて供するようになったのが起源と言われます。日本での定着は意外に遅く昭和40年代で、伊丹十三のトークLPに『伊丹十三です。スパゲティの作り方教えます。』(音楽・大野雄二、日本コロムビア, 昭和46年/1971年、現行CD『伊丹十三です。みんなでカンツォーネを聴きながらスパゲッティを食べよう。』ウルトラ・ヴァイヴ, 2002年)があり、1曲(?)目が「スパゲッティはうどんではない」という蘊蓄から始まりますから昭和46年当時まだスパゲッティの調理法が日本の家庭では定着していなかったことがわかります。今日のように缶詰やレトルトのスパゲッティ・ソースも売られていなかったのでしょう。

 ましてやスーパーのお惣菜やお弁当に調理済みスパゲッティも置いていなかったと思われ、一部のレストランで疑似イタリア料理としてメニューに載っている程度ではなかったかと思われます。パルメザン粉チーズがスパゲッティに抜群に合う、などと一般的に知られるようになったのも、おそらくもっと遅い時期でしょう。1990年代に初来日した元ソフト・マシーン~ゴングのデイヴッド・アレンさんは食事に案内されると魚介類のクリームチーズ・ソース・パスタの「魚介類抜きチーズ増し」を注文して、クリームチーズ・ソースだけのパスタは出せませんと言われるとさっさと別の店に行ってしまったそうで、これはどう見てもクリームチーズだけのパスタを出せない(たぶん業務用の既成の魚介類クリームチーズしか用意していない)店が飲食店としては失格で、スパゲッティは茹で上げた麺にサラダ油かマーガリンでも絡ませ、とろけるチーズを和えて粉チーズを振っただけでも美味しいものです。筆者もチーズ抜きではパスタは物足りないので、安くて量がたっぷりの業務用スーパーの輸入粉チーズやスライスチーズ、ピザ用ブレークチーズなどを常備しておくことにしています。以上、他愛ないスパゲッティ談義でした。笑殺いただければ幸いです。