シャンタル・アケルマン(1950-2015)作品、映画史1位に輝く! | 人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

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元職・雑誌フリーライター。バツイチ独身。午前0時か午後3時に定期更新。主な内容は軽音楽(ジャズ、ロック)、文学(現代詩)の紹介・感想文です。ブロガーならぬ一介の閑人にて無内容・無知ご容赦ください。

10年ぶりの「史上最高の映画100」発表 日本からは小津安二郎監督の「東京物語」がトップ10入り

1位に輝いたのは、ベルギー出身の女性映画監督シャンタル・アケルマンの「ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」でした。

 映画評論家や研究者など映画に携わる人々の投票で選ばれた「史上最高の映画100」を英国映画協会が10年おきに発表するという企画。2022年版では、1952年の開始以来初めて女性映画監督の作品が1位に輝きました。 イギリス国内の映画産業を促進するために1933年に設立された組織、英国映画協会。映画産業で働く人への支援や映画賞の創設など様々な活動を行っていますが、中でも1952年から始まり10年ごとに発表される「史上最高の映画100」の選出は映画ファンの間で大きな話題となります。 今年は1639人の映画評論家や映画関係者が投票。1位に輝いたのは、ベルギー出身の女性映画監督シャンタル・アケルマンの「ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地」でした。1952年に企画が始まって以来、女性監督の作品が1位に選ばれるのは初めてのことです。 2位には前回の2012年に1位だったアルフレッド・ヒッチコック監督の作品「めまい」が、4位には小津安二郎監督の作品「東京物語」が選ばれています。 また1992年からは映画監督の投票による100選も発表されています。マーティン・スコセッシ監督やポン・ジュノ監督など480人の映画監督による投票の結果、1位に選ばれたのはアメリカの映画監督スタンリー・キューブリックの作品「2001年宇宙の旅」でした。
TBS NEWS DIG, 12/3(土) 18:48

The Sight & Sound Greatest Films of All Time 2022
批評家投票 Critics' poll
1. シャンタル・アケルマン『ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』Jeanne Dielman 23, quai du Commerce, 1080 Bruxelles (1975)
2. アルフレッド・ヒッチコック『めまい』Vertigo (1958)
3. オーソン・ウェルズ『市民ケーン』Citizen Kane (1941)
4. 小津安二郎『東京物語』Tokyo Story (1953)
5. ウォン・カーウァイ『花様年華』In the Mood for Love (2000)
6. スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』2001: A Space Odyssey (1968)
7. クレール・ドニ『美しい仕事』Beau Travail (1998)
8. デイヴィッド・リンチ『マルホランド・ドライブ』Mulholland Drive (2001)
9. ジガ・ヴェルトフ『カメラを持った男 (これがロシアだ)』Man with a Movie Camera (1929)
10. ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン『雨に唄えば』Singin' in the Rain (1951)

映画監督投票 Directors' poll
1. スタンリー・キューブリック『2001年宇宙の旅』2001: A Space Odyssey (1968)
2. オーソン・ウェルズ『市民ケーン』Citizen Kane (1941)
3. フランシス・フォード・コッポラ『ゴッドファーザー』The Godfather (1972)
4. 小津安二郎『東京物語』Tokyo Story (1953)
5. シャンタル・アケルマン『ジャンヌ・ディエルマン、ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』Jeanne Dielman 23, quai du Commerce, 1080 Bruxelles (1975)
6. アルフレッド・ヒッチコック『めまい』Vertigo (1958)
7. フェデリコ・フェリーニ『8½』8½ (1963)
8. アンドレイ・タルコフスキー『鏡』Mirror (1975)
9. イングマール・ベルイマン『ペルソナ』Persona (1966)
9. ウォン・カーウァイ『花様年華』In the Mood for Love (2000)
9. アッバス・キアロスタミ『クローズ・アップ』Close-up (1989)

(シャンタル・アケルマンについては旧記事をご覧ください。インディー映画界で多くの自伝的映画を撮り続けたアケルマンが脚光を浴びたのは先駆的なトランスジェンダー的観点からの評価が大きいと思われますが、私見では、アケルマン作品が高い再評価がなされるなら、アラ・ナジモヴァの『サロメ』やエリック・フォン・シュトロハイム、リリアン・ギッシュ、ロン・チェイニー主演作を始めとするヴィクトル・シェストレムやトッド・ブラウニングら多くのサイレント時代の映画監督たち、またヴェルナー・シュレーターやテレンス・デイヴィス作品も再評価されてしかるべきではないかと思えます。)