連載記事のゆくえ、パニック障害&ブログ更新縮小計画 | 人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

人生は野菜スープ~アエリエルのブログ、または午前0時&午後3時毎日更新の男

元職・雑誌フリーライター。バツイチ独身。午前0時か午後3時に定期更新。主な内容は軽音楽(ジャズ、ロック)、文学(現代詩)の紹介・感想文です。ブロガーならぬ一介の閑人にて無内容・無知ご容赦ください。


 上記のフォト・コラージュ・アートは連載中の「Nagisaの国のアリス」第24回用に作成していただいた、イラスト作家まりえさんの初稿テイクで、そのあとさらに手を加えられて第24回に載っています。これは20世紀前半のドイツの国民的俳優エミール・ヤニングス(1884-1950)の主演映画からのハイライト・シーンをコラージュしたもので、ヤニングスさんはサイレント映画時代末期にはハリウッドに進出して1929年にはサイレント映画の主演作で第1回アカデミー賞主演俳優賞を受賞し、翌年にはハリウッド映画は完全にサウンド・トーキー映画に移行したため英語のしゃべれなかったヤニングスさんはドイツに帰国しますが、タイミング良くマレーネ・ディートリッヒの出世作となったドイツ映画初のトーキー作品『嘆きの天使』1930の主演を得てサウンド・トーキー映画時代にもドイツ映画の顔役であり続け、そのまま熱烈なナチス政権支持者になり国民的大俳優の座を不動のものとするも第二次世界大戦のドイツの敗戦・ナチス政権の失脚から晩年5年間は不遇の時代を送って亡くなったという大俳優です。ヒトラー支持者になる以前のサイレント時代だけでも『パッション』『カラマゾフの兄弟』『ファラオの恋』『裏町の怪老窟』『最後の人』『ヴァリエテ』『タルチュフ』『ファウスト』、ハリウッドに招かれてのアカデミー賞主演俳優賞受賞作『肉体の道』『最後の命令』とヨーロッパ映画を代表する大俳優であり、特に『最後の人』『ヴァリエテ』『最後の命令』の3作は1920年代の映画のベストテン入り級の名作でしょう。没年からも出演映画の版権、肖像権ともにPublic Domainとなっていますが、まりえさんのフォト・コラージュはヨーロッパの映画観客にとっては爆笑か激怒、いずれにせよ不敬きわまりない見事な冗談でございます。ところが似たような例がないかというと、「ユーゴスラビアの大島渚」と異名をとった異色監督ドゥシャン・マカヴェイエフ(1932-2019)がユーゴスラビアの国民的俳優兼映画監督ドラゴリューブ・アレクシッチの伝記映画『保護なき純潔』1968で在命中のアレクシッチ公認の上でナチス支配下のユーゴスラビアで上映禁止になったアレクシッチの伝説的代表作『保護なき純潔』1943をB&W映画に勝手にカラー着色してダイジェスト紹介する、という同じようなことをやっており、偶然の一致とはいえまりえさんのフォト・コラージュも立派に前例があるということになります。サイレント時代のヤニングスの主要主演作もマカヴェイエフの『保護なき純潔』も日本公開作であり観ている人は観ているでしょうが、偶然ながら「Nagisaの国のアリス」という冗談童話のイラストで畳の上のメフィラス星人とハヤタ隊員の出会いのような遭遇を果たしたことになります。

 さて、本日ご紹介したヤニングス主演作『最後の人』でサイレント時代のドイツ映画の紹介も長篇18作、短篇1作まで進み、あと予定しているのは長篇10作、短篇2作で、このペースだと10月6日には完結します。童話シリーズ最終作「Nagisaの国のアリス」も10月5日には全40回終了予定で、あと残っているのはクラウス・シュルツェの20世紀発表作全アルバム紹介が今20作目ですから残りほぼ100作、八木重吉の詩についてがこのあと20回くらいなので、10月第二週に童話シリーズとドイツ映画を終わらせたら更新頻度は1日1本か週に5~6本になる予定です。しかしそれではクラウス・シュルツェのアルバム紹介ばかりになってしまうので、シュルツェのアルバム紹介はせいぜい隔日で何かでっち上げなければと考えていますが、大して得意分野も世間に発信したいメッセージなどもないのでのらりくらりとやっていくつもりです。面白く読んでいただけるものであれば何でもいいような具合ですが、そもそも現状いいかげん好き勝手にやっている内容ですから、ますますニッチな話題ばかりのブログ内容になってしまう可能性の方が高そうです。床上浸水に遭ってから一か月半、週に1、2回またパニック障害(発作)に見舞われるようになり、一時的発作と慣れていてもあれは苦しいものですが、ブログのために作文しているうちは作文に集中しているからかパニック発作が起きない、という対症療法にもなっています。来月の今頃は何を書いているものやら、自分でも大して考えていないのです。まあどうでもいいことですが。