アマチュアオーケストラのコンサート | 遠い夏に想いを

遠い夏に想いを

アメリカ留学、直後の72年の夏に3ヶ月間親子でパリに滞在。その後、思い出を求めて度々訪欧。

 先週はアマチュアオケの音楽会が続いた。3カ月前の怪我で足腰が痛んだが、歩く距離が短いので何とかなった。


 日曜日はその昔弦楽合奏団で一緒に弾いていた男性の音楽会。彼はラベラトゥール弦楽合奏団に所属している。小田急線の鶴川駅にある和光大学のホールでのマチネだった。


 火曜日の祝日には以前カルテット等で遊んでいた仲間が主宰するベルナ21弦楽合奏団の演奏会が武蔵野市文化会館で行われた。ここの小ホールは素晴らしい。天井が高く響きが柔らかくてとてもいい。


musasino

 土曜日には近所のクリニックの受付にいる男性が所属するアンサンブルデマンシュ管弦楽団の演奏会が府中の森芸術劇場で行われた。


fuchu

 日本では2月・8月はクラシック音楽会がそんなに開かれないのだが、昨今の改修工事などで会場不足が影響しているのだろう。ヨーロッパなどでは夏の間はクラシックの音楽会は少ないようだ。


 弦楽合奏団って何時も選曲が大変だ。弦楽だけの曲って少ないからだ。イタリアバロックを含めるとかなりあるが、ハイドン、モーツアルト以降の曲となるとそんなに多くない。


 そこで邪道だと思うが、仕方なく交響曲などの管弦楽曲を菅抜きで演奏することが多くなる。日曜日にはベートーベンの7番の交響曲を弦楽だけでやってのけた。団員がかなりある管のパートまで演奏するのだが、その苦労に比べ演奏効果はそれほど良くはないのが残念だ。


 火曜日の場合はモーツアルトの交響曲29番とピアノ協奏曲27番だが、モーツアルトはホルン、オーボエにファゴットくらいしか管はないから弦楽の合奏が美しければそれなりに聴ける。


 土曜日は管弦楽団だ。クリニックの彼はファゴット奏者。アマチュアでコントラファゴットを持っているは珍しいので、全国のアマチュア楽団からトラで参加要請があり忙しい。今日は交響曲を二つ。ベートーベンとエーベルルというベートーベンとほぼ同時代に活躍した作曲家だ。当時はベートーベンよりも人気があったそうだ。ベートーベンの3番の交響曲とエーベル?の交響曲と初演と同じプログラムだそうだ。


chirasi


 ベートーベン第3交響曲の初演と言えばウィーンのノイアーマルクト広場のテアトルミュージアムのエロイカザールで行われた。昔ウィーンを訪れた際にここでカルテットのコンサートを聴いたのを思いだした。


eroica hall

 この管弦楽団は40年以上の歴史があり、実に上手い。弦も管も素晴らしい。アマチュアとしてはトップクラス。エーベルルの曲は初めて聴いたが、ところどころモーツアルト的な軽快さもありいい曲だ。

 

 それに比べエロイカはベートーベンの発狂的な音が響き渡り面白かった。これなら当時はべートーベンの曲なんて人気がなかったであろうことは想像できる。大体べートーベンの曲は当時としては革新的であったであろう。弦楽四重奏の作品133「大フーガ」など正気じゃない。当時としては余りに前衛的と言うべきか革新的に過ぎるのだ。同席した聴衆が一人去り二人去り、その場を去って行ったという。