ヴェンゲーロフのリサイタルが東京オペラシティで開催されました。今回も義理の姉が新聞で無料チケットを当てました。チケットは二名まで無料で、これを持参すれば、同伴者一名の当日券が半額になるというので、姉と妻と私で出かけました。この会場はテレビ番組の「題名のない音楽会」でも使われていますね。
昔はよく来日演奏家の音楽会に出かけましたが、このところ殆ど行かなくなりました。リサイタルには会場が大き過ぎると思いますが、東京オペラシティは満員でした。演奏者はヴェンゲーロフとグリモーの二人です。昔は名演奏家がキラ星のごとく大勢いましたね。今はヴェンゲーロフの人気が日本でも高いようです。
今日のプログラムは前半はヴァイオリンの独走で、後半がピアノとのディユオです。結構盛り沢山で、バッハの無伴奏パルピータ2番、イザイの無伴奏の6番、エルンストの庭の千草変奏曲(The Last Rose of Summer)です。後半はグリモーのピアノとブラームスの2番のヴァイオリンソナタとラベルのヴァイオリンソナタを演奏しました。
バッハは演奏は綺麗ですが、丁寧過ぎ、テンポもゆっくり過ぎて、迫力が足りないです。イザイとエルンストのはトヴィルウティオーゾ的な曲ですが、今日のエルンストの曲の演奏は細かい音符や分散和音が綺麗に聞こえない感じで、彼の若い頃の演奏の方が良かったなーって思いました。
アイルランド民謡「庭の千草」の変奏曲/ヴェンゲーロフによる演奏
後半のブラームスとラベルは素晴らしい演奏でした。ただ座った席が後ろだったからなのか、ピアノの響きが変です。やたらと低音が変に響くのです。妻は元々ピアノを弾いていましたが、「ペダルの踏み過ぎかも、それとも聴いている場所のせいなのかも?」って、判りません。グリモーと言えば「雌ヒョウのピアニスト」なんて言われる攻撃的な演奏で有名ですが、とても伴奏者には向いていないと思います。むしろ彼女だけのリサイタルを聴いてみたい感じですね。
いい伴奏者は本当に少ないです。昔、名チェリストのロストロコービッチが錦糸町のホールでリサイタルをやりました。名前は忘れましたが、その時の伴奏者が絶妙の伴奏で素晴らしかったと記憶しています。出るときは出る、控えるところは控える、寄り添うところは寄り添っていく。当たり前かもしれませんが、なかなかこんな伴奏はできませんね。
アンコールにラフマニノフのヴィカリーズを、普通はチェロで弾くことが多いのですが、静かに優しく弾いてくれました。久し振に楽しい音楽会でしたよ。
Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学(University of Minnesota)へ留学した記録のホームページにもどうぞ