今は目が悪くなって本も余り読まないのですが、昔は日本語の本も洋書も読まなくとも買い込んでしまいます。楽譜は弾けなくとも、第二楽章くらいは何とかなるだろうと買い込む。十数冊はどこかへ無くなりましたが、まだ楽譜は結構残っていて、書棚の肥やしになっています。
オケや室内楽のパート譜もファイルにあり、ぎゅうぎゅう詰めだから目当ての楽譜を探すのに大変です。その昔病気を患ってから弾くのもままならないのですが、私のヴァイオリンの腕だとこれの5分の1くらいが相応というもの。
時たま学生時代に使った古い楽譜が出てきます。先日紹介した(5月24日に「古い楽譜」でアップ)Mさんの書き込みのあるモーツアルトの5番もそうでした。
その後ある音楽会で大学時代の先輩に偶然出会ったので、Mさんの消息を訊いてみましたが、現在のMさんがどうしているか判らないとの返事。但し以前彼女とカルテットをやった時の写真があるので後で送ってあげると約束。
後日白黒写真のコピーが届きましたが、紛れもなく彼女でした。人間って不思議ですね。彼女の面影が年数とともに美化されてしまう。写真を見ると素朴で優しそうな女性だったのに。
今度出てきたのは全音版の楽譜で、ベートーベンのヘ長調のロマンス。やはり赤鉛筆で指示が書いてある。多分モーツアルト5番のレッスンの時に彼女が一緒に教えてくれたのでしょう。
それから数年後に今の妻に出会って結婚。披露宴で新郎・新婦である私達がヴァイオリンとピアノでこのロマンスを演奏したのを思い出しました。うん十年前のロマンスも今では霞のように霞んでいますが懐かしい楽譜です。
このロマンスの演奏を最後に35年間もヴァイオリンを弾きませんでした。丁度、高度成長期で、アメリカ留学や帰国後に転職と忙しい日々でしたから、ヴァイオリンを弾いている時間がなかったですね。皆さんにも思い出の曲がおありでしょうか。
ベートーベン ロマンス/Kolja Blacherの独奏 & べリン・フィル/クラウディア・アバド
Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学(University of Minnesota)へ留学した記録のホームページ
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