パリのサン・ジェルマン通りにドゥ・マゴ―(Les Deux Magots)というカフェがある。
その後ろには1950年代にサルトルやボーヴォワールが通い詰めたカフェ・フローラ(Cafe de Flora)がある。サン・ジェルマン通り界隈は、パリ大学(ソルボンヌ校)に近くて、書店や出版社も多く、昔から文化人が集まるところだった。
72年の夏、パリに滞在した時は、店の前は幾度となく通ったが、店のテーブルに腰かけてコーヒーを飲んだのは1度だけだったと思う。当時はお金がなく貧乏旅行だったから家族でコーヒーを飲みにカフェに入るのは贅沢だった。そろそろパリが嫌いになりかけていた頃で、向いのロマネスク様式のサン・ジェルマン・デ・プレ教会の素朴な外観を暗い気持ちで眺めていた記憶がある。
当時、アメリカから直接フランスに来たので息子のチャオはフランス語はみな英語読みになった。地下鉄のサンジェルマン駅に来ると「セイント・ジャーマン・デス・プレス」になってしまう。ある日地下鉄でサンジェルマン駅に来るとアメリカ人観光客の家族の小さな子供が「セイント・ジャーマン・デス・プレス」と大声で叫んだので、我々は顔を見合わせ「やっぱり同じね」と笑った。
ドゥ・マゴーは今は一族の手から離れ、買収した企業によって営業が続けられている。東京の渋谷の文化村の地下に支店がある。フローラの支店は以前は表参道に小さな店を構えていたが、その後横浜に移った。
先日文化村の美術館に英国水彩画展を見に行った。水彩画だけの展示会とは水彩の国イギリスらしい。ターナーやラファエル前派の水彩画が見られるいい展覧会だった。
Viosan の「ミネソタの遠い日々」
1970年に私たち夫婦・子供連れでミネソタ大学(University of Minnesota)へ留学した記録のホームページにもどうぞ

