火山を見に行く_箱根外輪山 | とことこ◯日本+記

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 ぐるりと外輪山に囲まれた箱根の地形は「鍋」に例えられる。鍋のフチは金時山や明神ヶ岳などの外輪山、鍋の内側には毛(植物)がびっしりと生え、底の部分は、バーナーで穴をあけたようにボコボコしている。このボコボコは、外輪山の内側に出来た大涌谷や駒ケ岳や芦ノ湖であり、箱根の観光スポットは、まさにこの鍋の底のボコボコのまわりに点在しているということになる。

 箱根をぐるりと囲む外輪で噴火が起きたのは約40~23万年前。その後、カルデラとなった鍋の底部分で噴火が起こり始めた。箱根の中央に位置する冠ケ岳(大涌谷)や神山、駒ケ岳などはこの時(約4万年前以降)出来た新しい山で、神山の崩壊なだれで芦ノ湖ができたのはわずか3000年前だという。

 噴火にはいろいろあり、マグマがさらさらしている場合もあれば、こってりしている時もある。さらさらしていれば、なだらかな山がつくられるが、こってりしていると噴火の直後に固まってしまうので、大涌谷の奥にそびえる冠ケ岳のようなにょきっと突き出た山体になることもあるようだ。堺正章(孫悟空)が飛び出てくるかか山にも似ている。

 今回はそうした箱根の複式火山を体感しようと、芦ノ湖の湖尻から外輪山、すなわち鍋の底からフチに登ってみたが、真夏の暑い時期に箱根の山など登るものではない。毛の生えた鍋の内側の湿度は当然高く、霧で全身びしょ濡れ、鍋のフチにたどり着くと、今度は雷がどんどん鳴り出し、箱根スカイラインを歩いて仙石原方面に撤退した。

 箱根外輪山の南側をぐるりとまわるという目的は頓挫したが、箱根の美しい自然は、火山による凹凸があってこそなんだということを実感できて、それはそれでよかった。

 

箱根外輪山

箱根の観光地をぐるりととりまく外輪山を一周すると、コースにもよるが、トレイルランニングで10時間以上かかるようだ(約50km)。鍋の内側の大涌谷近辺のコースはまだ通行禁止のままとなっている。

 

日時:2017年8月22日

場所:箱根外輪山

 

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噴煙立ち上る大涌谷と冠ケ岳

新しく噴出したのは15-2噴気孔

箱根ジオミュージアムへ

外輪の鍋の中にある箱根

中央の神山の崩壊で早川がせきとめられて芦ノ湖ができた

マグマの性質で山体も変わる

温泉にも密接に関わる

明日登る外輪山 三国山が見えているか

湖尻台付近より

翌朝、芦ノ湖畔でキジに出会い

ゴルフ場脇の登山口から鍋のフチを目指す

火山の痕跡を楽しみつつも

猛烈な湿気に苦しむ

鍋のフチに着くと三島側で雷がどんどん鳴っている

こわい

鍋の中央にある山々が全く見えず

箱根スカイラインを通って撤退

眺望スポットの長尾峠に到着

ここからは鍋の中央の山々が

見えるはずなのだが…

鍋の底にもどると、ようやく晴れ間が

早川越しには、外輪山の金時山や乙女峠が見えている

ハグロトンボがたくさん飛んでいた

ぼろぼろの翅が夏の終わりを感じさせる

まだ避暑をしているアキアカネ

台ケ岳のふもとに広がるススキの原

仙石原

入生田に戻り、生命の星地球博物館へ

すごい展示

大地を剥がすという展示が面白かった

特殊な接着剤を使ってペロリと大地を剥がすらしい

断層を体感する模型

地球の内部の動きを説明する映像が面白かった

火山だらけの伊豆箱根富士