高層湿原と高山植物_栃木県戦場ヶ原・日光白根山 | 観察ノートⅠ

観察ノートⅠ

自然観察の旅の記録

湖や池など、火山による水たまりが点在する奥日光。その水たまりのひとつから出来た高層湿原(戦場ヶ原・小田代ケ原※)を通り、日光白根山を登ってみた。
日光白根山は丸沼高原からのロープウェイを使えば2時間程で登れるが、戦場ヶ原側(日光湯本側)からのルートは距離の長い難路で、特に中曽根ルートは背丈を越す笹の藪漕ぎが続き、ガスが発生したら迷いそう。
しかし、難路を抜けて視界が開けると、美しい五色沼が眼下に広がり、奥白根から前白根の稜線には風衝草原のお花畑、砂礫地にはコマクサが咲き、それはそれは素晴らしい光景が広がっていた。
日本の亜高山帯から高山帯の境界には、ハイマツ帯が広がっていることが多いとされるが、日光白根山にはハイマツ帯がなく、陽樹のダケカンバやカラマツが森林限界まで林をつくっていた。地質に関する本で、あと1000年もして岩石の風化が進めば(土が活着しやすくなり?)日本のハイマツ帯はダケカンバ帯に変わっていくはずだという説があったが、日光白根山は新しい火山のようだから、そういうことではなく、単に奥日光ではハイマツがほとんど見られないということだろうか(女峰山以外ではほとんど見られないという)。
白根山山頂から前白根山にかけては、砂礫地と風衝草原が入り組み、環境によって生育する植物に違いがあることがわかりやすく面白かった。

高層湿原の戦場ヶ原では、先日の鬼怒沼と同じく、カッコウがよく鳴いていた。


※古くは、湖のようなものが土砂で徐々にうまり、そこに植物の遺骸が積み重なったものが高層(低層)湿原といわれていたようだが、それは厳密には正しくはないようだ。が、戦場ヶ原は、まさにそういう経緯で出来たようだ。


ルート
〈赤沼~戦場ヶ原~日光湯本~中曽根登山道~五色山〜弥陀池〜日光白根山~日光湯本スキー場〉
日光湯本から白根山へのルートはどちらも難路。

日時:2017年7月8日
場所:栃木県戦場ヶ原・日光白根山
 
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戦場ヶ原から白根山へ

中禅寺湖の西側はクマが毎日のように登場するようだ

赤沼からミヤコザサとミズナラの林を抜け

ズミなどの低木が侵入し、

乾燥化が進む小田代ヶ原湿原へ

ヤマオダマキ

おわりかけのアヤメ

イブキトラノオ

調査中

ハルカラマツ?

調査中

ノイバラ

ハクサンフウロ

コエゾゼミ?

避暑をするアキアカネ

フタスジチョウ?

キビタキ?

湯ノ湖から流れる湯川を渡り

戦場ヶ原へ レンゲツツジ

日光湯元ビジターセンター

戦場ヶ原も草原化が進んでいる

高層湿原を通り、亜高山帯から高山に至るの図

日光のおさる 宿で濃い湯に入り寝る

クマには気をつけてね、と宿のおじさんに見送られ

薄暮の4時過ぎ

シカをみたあと、急登でクマどころではなくなり

背丈を超す薮こぎ モーゼきてくれ

道が見えないんだが…

ウガー ふざけんな びしょぬれ

 これがかなり続き疲労困憊 

やっと視界が開け 国境平

ウラジロヨウラク?

五色山から五色沼と白根山をのぞむ

展望よし、妙高山などが見えているか?

弥陀池 一般的な菅沼ルートとの合流点

ハクサンチドリ やや湿った場所に

シラネアオイは保護地にあり遠くてあまり見えず

日光白根山への急登 

そこかしこに咲くイワカガミ

山頂直下はごつい岩場

ヤマタニシ?

日光白根山(2578m)眺望よし

谷間に雪渓

五色沼をまわりこむように前白根方面に進むと

岩礫地にコマクサが咲いていた

調査中

ミヤマキンバイ?

ハルリンドウ?

調査中

コメバツガザクラ

モミジカラマツ

岩陰で休むスジグロシロチョウ?

ヤマキマダラヒカゲ?

白根山から前白根にかけての下りは

お花畑と五色沼の風景を楽しめる

ダケカンバの新緑

五色沼避難小屋 

五色沼に到着

再び登り 前白根山へ

前白根山からの五色沼は特によい

日光湯元へのもうひとつのルートも難路

ゴールのスキー場に到着

けっこうづくめ弁当を食べて帰る