NHKの月曜10時に、昨秋よりレギュラー化した『ファミリーヒストリー』と言う番組があり気になる回は見ている。
浅野忠信さん、余貴美子さんと見て、余さんの先祖が、台湾に渡ってきた中国まで遡り、さらにその地に余さんと同じ一族がたくさん居るというスケールの大きな話を知るに至り、それ以降はは毎回録画して見ている。
格闘家武蔵の先祖が一休さんで有名な蜷川新衛門さんだったり、南果歩さんの先祖が、朝鮮に居着く前は、唐の玄宗に仕えた官僚だったりと、先祖を調べると、日本のみならず、遠く、朝鮮半島、中国、アメリカと広がっていく様は、小さな島の領有問題を解けない現代人が嘘みたいに感じる。
余さんと、南さんは、いずれも台湾、朝鮮半島の違いはあれど、中国にルーツがある。
中国の苗字は4100種
朝鮮は250種(3カ国の苗字数は諸説あり)
両方とも漢字1字(例外はあるが)のため日本のように30万も苗字があるとは違う。朝鮮ではさらに金、朴、李で人口の半分を占めるらしい。
苗字が少ないとなると、同姓の人と会うと「同じ一族か?」「同じ出自か?」といったことを考えることになるし、自然仲間意識が芽生える。番組の中でも、「族譜」という、一族の家系図兼紳士録のような分厚い立派な本が作られており、その本を見れば、はるか数百年前の先祖まで辿れたりする。
その本の装丁の見事さを考えると、朝鮮、台湾では、「族譜」ビジネスがある程度隆盛なのを感じたりするのである。日本では怪しい「家系図」作成サービス等があるが、せいぜい巻物レベルで、また、中国、韓国は夫婦別姓、日本は、母方の先祖探索は難しくなるだろう。明治以前は、身分のある人以外は苗字も無いので、日本国民のほとんどは、150年くらい遡るのが限界だろう。「ファミリーヒストリー」の番組でも、余さん、南さん以外は、明治か幕末くらいが限界のようだ。
ただ、日本人は、苗字が多いことで、中国、韓国に無いメリットもあるかもしれない。中国、朝鮮で苗字が少ないと言うことは、
ここまで書いて1ヶ月経ってしまった。
日本が近代化の過程で、同苗字、つまりこれまでのコミュニティを出て都市に人が流入し、農耕を主体とした国から工業、商業が欧米並みに発展していくところと重ねて、人の流動性と苗字の多様性を話したかったが、言葉がうまく見つからなかった。
さらに、江上波夫さんの『騎馬民族国家 日本古代史へのアプローチ』を読んで、日中朝鮮の3地域について、現代人の狭小な想像力では足りない遥かな時空の広がりの中で、又苗字については話したい。