沖縄旅行 その3 | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

つづき

 はじめから計画していた旅行ではなかった。大体行ける所は行こうと思っていたが。初日の交通事情から考えて、第2日目は朝から一気に遠くまで行こうと計画した。
6時にホテル出発。一気に本島北部の美ら海水族館を目指した。2日目は、そこから南下しながらいろいろ行ってみることにした。
 高速に乗り一路北東に向けて走る。1週間前の台風10号・11号の余波で、昨日は雲も多かったが、今朝は見事に晴れ、太陽が地平線から顔を出す。自分と進行方向と太陽が一直線になるタイミングが続く。サングラスやバイザーではわからない。目をつむって運転しているよう。地元の慣れたドライバーなのだろうどんどん追いついてくる。しばらく運転しないと、やはり怖い目に遭う。お盆や正月の帰省で事故が多いのは、こんなところだろう。島の中央部にさしかかると、大きな池が見えた。小さな島と思っていたけど、ダムもちゃんとある。そして周りには、密林が広がる。本土の針葉樹ではなく、こちらは、枝が細く曲がりくねった樹林が密生している。先週の台風なんかを考えると、大きな幹や枝ではまともに風を受けてしまう針葉樹では持たないだろう。南国の植生という、台風の通り道の植生という所だ。
 許田インターが終点。この先はヤンバル地方。本当のジャングルで、この先に高速がつながることは無いだろう。
高速代:950円
 
 名護市に入り広い道をひたすら海岸沿いに走る。瀬戸内、国道9号線沿いの日本海、高知県須崎インターをおりて足摺に向かう黒潮の道、様々な海辺を走ったが、ここも気持ちいい。地元の通勤の自動車と一緒に一路北上、半島をぐるっと回ると、目的の水族館が。途中、ホテルや土産物屋がたくさんある。沖縄は一大観光県だが、観光という産業は基本的には”待ち”だ。積極的なセールスって言うのは難しく、まず足を運ばせるツアー会社、交通機関を使わしたり、施設を利用させたり、食べさせたり、泊めたり、お土産を買わせたり、いずれも”待ち”の商売。この”待ち”のあいだに資金が枯渇すれば廃業になる。本土と違い、沖縄は、何となく、このペースの産業が似合っているかもしれない。しかし、道ばたにそびえるリゾートホテルやマンションを見ると、相当額の資本が投下されている、とも感じる。中国人も旅行中は、思ったほど見なかったが、ただ、今まで見慣れた東京型ビジネスとは違う可能性は感じる。将来ここで何かできるといいけど。

 美ら海水族館の開場は8時30分。駐車場は8時、到着は7時40分。早く来すぎた!駐車場が開くまで、お弁当を食べることに。昨晩、朝早く出るので、朝食開始時間前に出発すると、ホテルに伝えると、「お弁当用意しときますよ」と。朝6時に、ちゃんと用意されていたやつだ。昨晩の残りで揚げ物が多かったが、2段のお弁当、しっかり食べた。うまかった。
 美ら海水族館開場。敷地に入る。しばらく歩くとメインの建物のまえに。ここは水族館のみならず広大な敷地にいくつかの施設が、一部にはビーチもある。水族館の建物は斜面に構築されている。エレベーターを下りて入場。最初に、磯を模した低い水槽。周りを子供連れが取り囲み、水槽にいる人手とかを実際に触れるのだ。子供っぽいと思いながら、せっかくだから触ろうと、子供に交じろうとすると、隙間に入ると、ベビーカーを押した女性が割り込んでくる。自分は見てるだけなので、じきによけると思いきや、そのまま動かない、触るわけでもない。そこに居るだけ。こちらに気づくと思ったが、邪魔しているのに気づいていない。大の大人が子供に交じってヒトデを触ろうとしている、なんて分かりようも無いか!ということで、残念だが退散!
 つづいて、壁には大きな水槽。大きなイソダイ、クエっぽい魚、ナポレオンフィッシュ?が悠々と泳いでいる。次の部屋は、暗くなったり、ジャングルや深海を再現した個別の小さな水槽が続く。水槽ごとに大きさ、形、色、泳ぎ方が違う魚が続く。買ったばかりのカメラでパシャパシャ。結構いいカメラだったので、暗い水槽でも結構よく撮れている。魚の名前なんて実はあまり知らない。次から次に水槽を見るが、色や形が変わっているけど、あくまでもただのお魚。こんなものか。
 チョット退屈していると、次の部屋はかなり広い。少し高い位置にある回廊から横を見ると、そこがあの有名な巨大水槽。縦横8M×22Mの前面のガラス、いやアクリル。水槽の中をダイバーが、人の大きさ標本のごとく内側からアクリルを磨く。そしてその後ろにサメが。そして、左の方から巨大な巨大なジンベイザメが2匹やって来た。ぐるっとゆっくり、他の魚など関係なしに滑って行くように横切る。そして後から1匹。水槽の奥に消えるが、又しばらくすると戻ってくる。必ずかどうか分からないけど、反時計回りがお決まりの周回行動のようだ。水槽前面の親子連れは、キーキーキャーキャー、大興奮。オチャカナー!オチャカナー!とひたすら連呼する幼児。東京湾にいるネズミのぬいぐるみには、不可能な体験だが、この大きな水槽もジンベイザメにとっては、窮屈そう。旭山動物園、上野のパンダ。スカイツリーにも水族館ができている。どんなに動物園や水族館が興行的に成功していても、そこには、生命を本来の、本当の自然から引きはがし、人間世界のおもちゃにしているという後ろめたさがつきまとう。そう考えるとネズミのキャラクターの方が罪は無いのかも。

 お土産品売り場を見て、建物を出た。そこはより海岸に近づいた場所で少し歩くと手つかずの自然の海岸に出る。沖合には瀬底島という島がある。今回は車で忙しく駆け回っているが、ひたすらのんびりできる沖縄もいいかもしれないと思った。
駐車場代:無料
入館料:1800円

 2時間弱の滞在の後、予定外の今帰仁城跡に行った。意外と近い。半島を北上し、20分足らずで到着。台風のあと、木々が散乱したり、足下がぬかるんでいたりしている。客はほとんど居ない。琉球統一前の時代の遺物。山地の起伏をうまく利用した、小さな石を緻密のくみ上げた石垣。入り口は、ずっと一直線に続く石組みの道。2つの郭を貫通しているので遠景には、門の中に遠く小さな門を重ねる、奇麗な眺め。郭内の草木はそのまま残しているので、石組みの道以外には、足を踏み込めない。他の観光客とすれ違う時も石組みの道を外れなくては行けない。昨日の斎場御嶽と一緒で、変に観光客の利便を図っていない所がいい。

 一番高い郭に入ると、特に天守閣のようなものはない。海の方向を見ると、ほぼ一直線の水平線が見える。住宅が点在し、穏やかな風景が広がる。郭の端の椅子は地元の親子らしき3人に占領されていた。絵の具が並べてあり、この奇麗な風景を描いているようだ。夏休みの宿題だろうか?後から思えば、3人は先生と生徒で図工の時間だったかも。自分の小中学校時代も、名も無き地元の野山を描いていた。今は、そんなことすることも無く、この先も無いだろう。人生の中での一瞬の風景を彼女たちも将来思い出す日が来るだろう。
 沖縄には高い山が無く、平坦な風景を想像していたが、起伏があり、急な渓流もあり、その上に密林が覆い被さっているので、やはり本土と違う風景が次々に飛び込んでくる。今帰仁城跡、足を伸ばしてよかった。
入館料:400円