京都祇園の事故、亀岡市の事故、橋下さん・・・・・『報道の脳死』  | 元広島ではたらく社長のblog

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六本木ヒルズや、ITベンチャーのカッコイイ社長とはいきませんが、人生半ばにして、広島で起業し、がんばっている社長の日記。日々の仕事、プライベート、本、映画、世の中の出来事についての思いをつづります。そろそろ自分の人生とは何かを考え始めた人間の等身大の毎日。

京都18歳少年の無免許運転事故 搬送先救急センターのコメントに対してマスコミ各社が「事実誤認」と反論
23日朝に起きた京都府亀岡市の18歳少年の無免許運転事故。その緊急搬送先でもある但馬救命救急センタ..........≪続きを読む≫

[アメーバニュース]


このところ痛ましい交通事故が続いた。京都で2件。事故そのものの報道のほかに、それに付随するニュースの方を、マスコミがセンセーショナルに取り上げている。


① 京都・祇園の7人の死亡者を出した事故の当日夜の京都府警の懇親会があり、府警本部長、交通部長が参加し、飲酒していたというもの。


② 亀岡の未成年の無免許運転による事故。その犠牲者の個人情報を、県警と犠牲になった小学生の通う教頭が無断で、加害者の親に教えたというもの。


①に関しては、瞬間的には、「けしからん」と思うが、よく読んでみれば、前から予定されていたものだし、時間外だし。何がいけないのかわからない。立てこもりとか、事件事故が進行中でもないし、ほかの業務をないがしろにしていたわけでないし、わからない。交通事故で7人死亡というのは、ケースとしては、まれで最悪ではあるが、では、1人だったら飲んでいいのか、何人までは飲んでいいのか?マスコミに教えてもらいたい。

この報道は、ネットでも批判が多く、マスコミはあやふやにして、その後報道していない。


②は、犠牲者の父親の怒りの記者会見を流すことで、マスコミは府警に矛先を向けた。しかし、個人情報についていえば、同じ父親が、事故直後に「犠牲者の名前は出るが、加害者が未成年ということで実名が出ない」ことを疑問視していたように、マスコミにより「さらしもの」にしていた。

加害者が未成年であることで報道制限が係り、その分、府警や学校のあら捜しをする、その過程で遺族の心情を害するのはお構いなし、むしろ煽り立てている報道は不快そのもの。


今年、千葉、長崎、三重にまたがるストーカー殺人事件で、信じられない失態をした警察。事件事故そのものよりも警察の不祥事を槍玉にしたほうが、面白いのかもしれない。


この①も②も、普通の人なら、おかしいところに気がつく。現にネットを見れば同じような書き込みがたくさんある。本当に気持ち悪くなってくるのは、すべてのマスコミが同じ報道をしていることだ。報道する前におかしいと気づかないのだろうか?


ここにはマスコミの「コピペ体質」があると思う。


以前、雨で中止だったのに祭りの記事が出ていた、という。取材が面倒で、過去の記事と写真を使い記事にしたが、実は雨で中止だったというもの。今は鉛筆で原稿を書いているものはいないだろう。過去の記事、よその新聞、ネットの文章をコピーして切り貼りすれば、面倒な取材はしなくても、記事はできる。

TVも、いちいち取材せずに、新聞を紹介することで報道の代わりにしている。報道そのもののコピペだ。さらには、TVで、堂々と流しているにもかかわらず、内容の責任は自分たちには無い。

TVのニュースで、やたらよく聞くフレーズ「・・・・現場は一時騒然としました」。文末の慣用句化している。


今回も、よその新聞が、府警交通部長が懇親会で飲酒、と題しているので、他の新聞も、何も考えず流用したのでは、とかんぐりたくなる。


この「何も考えず」のところを詳しく、説明している。本がちょうど新刊で出ている。


烏賀陽 弘道さんの『報道の脳死』新潮新書だ。


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冒頭のニュース記事は、但馬の救急センターの一職員が、霊安室から出る遺族に対するマスコミの信じられない行為に対する非難のコメントを事実誤認と批判したというニュース。

『自分たちはマスコミだ、えらいんだ!』と、イワンばかりの態度のある一方、何も考えず、誰かの記事をコピペしたかのような横並びの記事、思考停止、まさに脳死状態なのだ。

何か、政治上の問題が起きれば、石原慎太郎か橋下知事のところに行って、コメントをもらう。そのコメントを記事にする。本来記事ともいえないようなコメントでも、ありがたく文字にする。そんなことの繰り返し。うんざりする。


思考停止=脳死の状態なのは、もちろん、マスコミだけでなく、政治、経済、企業・・・・当てはまるものは多いかもしれない。しかし、TVや新聞という凶器にもなりうる道具を持っている報道は、もっとあり方を考えてもいいと思う。さらには、事件事故という、本来もっと、気を配られていい人たちに向いた報道。そういった事件事故が起きる原因を除く報道にエネルギーを注ぐべきだと思う。児童の通学する道路での交通量コントロールなど、取り上げているマスコミもある。そういうところに、わずかだが期待をしている。




※ 途中で変換ミスがあった。言わんばかりの、がイワンばか、となっている。童話「イワンの馬鹿」のように、愚直な報道をするひと、あらわれるといいな。