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弘前大学 フィールドサイエンス研究会(F研)

弘前大学公認サークル「フィールドサイエンス研究会」(F研)のブログです。 弘前大学を拠点に,海・川・山林で生物の観察や採集をしています。
毎週月曜日18:00~農生棟203で定例会を行っています。

お久しぶりです。愛用のタモ網を遠征初日に失くして意気消沈中、4年のゲンゴロウです。

 

 

 

私は一応ゲンゴロウ屋なのですが、水生昆虫以外の綺麗な虫(e.g.アゲハチョウ科)も好きです。というわけでギフチョウを採ってみたいという想いは小さいころから抱いていました。

 

 

 

今年4月、F研メンバーたちが次々に県内某所のヒメギフチョウを採っている中(下記リンク参照)、私も行こうと思ってましたが気付いたら時期を逃してたorz

 

嫉妬やない、これだけはハッキリしとる。

 

この記事が 悔しかった 面白かったので今これを書いています。

 

 

 

 

ところで先日、研究室の調査でギフチョウの分布域に行く機会があり、道中「時期は遅いけど、ひょっとしたらギフチョウいるんじゃねw」なんて話してたんですよねー。

 

 

そんななかで、とある里山環境ポイントで採集していた時のこと。同行していた友人のねくはむ君が「ギフチョウを見た」と。

 

またまたご冗談をHAHAHA…

 

 

 

 

いた

 

見た目はナミアゲハに似ているがあきらかに小さいチョウが飛んでました(離れていてもギフチョウだとすぐに分かった)。

 

 

慌てながら走って追いかけ、手に持っていたタモ網(予備)をすかさずスイング!

 

が、空振りからの転倒。恥ずかしすぎる…。捕虫網に持ち替えて次のチャンスを待ちます。

 

 

 

 

少し移動して沢へ。

ここではサンショウウオを探しました。

 

するとムカシトンボのようなトンボが横切り、一気に空中戦モードへ切り替え。県外のムカシトンボとかめっちゃ採りたいんだけど!! ※かっこいいトンボも大好き(e.g.ヤンマ科)

 

 

 

しばらく待ち構えていると… 来た!

 

 

捕虫網が華麗に宙を舞い、風が吹き森に一瞬の静寂が訪れた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そっちかーいw

 

とにかく人生初ギフチョウ Luehdorfia japonicaの採集に成功。よっしゃああああああ!!!この時いつも通り叫んだのですが、離れた場所にいたねくはむ君にはムカシトンボを採ったと勘違いされました。

 

そして三角紙に入れるため荷物の置き場所へ戻る途中、目の前を何かがひらひらと接近。

 

 

 

 

素手でキャッチ!網には1匹目が入っていたので

 


ダメ元でも試してみるもんですんねー。まさか素手でギフチョウを採る日が来るとは思いませんでした。後から考えてみると青色のTシャツを着ていたのが効いたのかも(ギフチョウは青色に誘引されるらしい)。この個体はなんだか翅の色が薄い気がするけど気のせいかな?

 

 

結局ムカシトンボは姿を見せませんでしたが、ギフチョウは計2匹採ることができました。ヤッタネ^^

 

 

 

 

後日この個体の写真を後輩のトリバネ君に見せたところ、「イエローテール」と呼ばれる色彩変異個体ではないかと。

 

またオレ何かやっちゃいました?

 

チョウ屋じゃなくもこれは嬉しい! てっきり老熟個体で赤色部分が色落ちしたのかと思った…。(無知)

 

 

 

この遠征では他にも初めて見る生き物を色々と見ることができたので、そのへんは気が向いたら会誌にでも書こうかなと思いまーす。

 

 

それではまたどこかの湿地帯で会いましょう(TBT)

 

 

 

文責:(この日の採集で64か所も虫に刺された)ゲンゴロウ

 

 

 

 

 

ーこの記事は一年間共に闘い抜いた相棒のタモ網に捧ぐー

どうも、産卵・孵化編に引き続き、F研現会長・3年の葉月です。

 

 

ここからはハッカハムシ(Chrysolina exanthematica)幼虫の成長を振り返っていきます。

 

 

 

孵化から4日も経つと、体がずんぐりとしてきました。かわいいね^^

 

脱皮する(2齢~3齢)幼虫

 

1つのタッパーで飼育するにはとても狭いため、2つの容器に分けて飼育することにしました。

 

そして孵化2週間が経過した頃には終齢に……。

 

この頃から餌をほとんど食べなくなりました

拒食なのか、蛹化準備なのかも分からず、ハムシの飼育が初めてな私は不安で夜も眠れないことが多々ありました😔。

 

私は蛹化準備の可能性を考慮することにしました。ハッカハムシは土中で蛹化する(Kimoto, 1957)ことが知られているため、飼育容器には湿らせたキッチンペーパーを詰め(土では観察が困難になてしまう)、まだ食べてくれることも期待してミントの葉を添え、様子をみることにしました。

 

様子を見ている間に、前蛹らしき状態になった個体も多かったのですが、そこで力尽きてしまった個体がとても多かったように思います……。悲しい気持ちに苛まれるこの状況が1ヶ月続き、さすがに他の個体は何か動きがあるだろうと、キッチンペーパーの掘り起こし(?)に取り掛かりました

 

 

すると……

 

 

キッチンペーパーの中で黒い何かが蠢いており、はみ出た足には成虫そっくりな爪がついていることに気が付きました。

 

 

これは……!?

 

 

 

早速掘り起こしてみると、破れたキッチンペーパーから、明らかに成虫のものと思われる頭部と前胸がひょっこり!

 

 

羽化したねえ^^

 

 

嬉しさで思わず体が飛び上がりました。他の個体も確認しようとキッチンペーパーを広げていると……

黄色い蛹がいくつか見つかり、これには筆者もニッコリ。

 

ハッカハムシの蛹はまるで飴細工のようで美しいものでした。

 

大学構内でハッカハムシを見つけて私に連絡をしてくれた知人に「ハッカ羽化した!!!!!!蛹もある!!!!!」と真っ先に連絡

自宅に駆けつけてくれて、共に新成虫と蛹の羽化を見守ることができました(F研メンバーもミーティングがてらリモートで見守ってくれました)

 


ハッカハムシ蛹と羽化途中の個体     羽化直後の個体①

羽化直後の個体②

 

 

羽化不全、蛹化不全の個体もおり、最終的に新成虫は3個体となってしまいましたが、現在も元気にミントを食べてくれています(孵化日から数えて半年くらい生きてくれています^^)。そんな彼らももう交尾を始めて……(累代に期待!)

 

↑頑張って羽化してくれた成虫たちの姿です。お納めください😭

 

 

 

以上をもちまして、 波乱のハッカハムシ飼育記 の更新は終了です!

ここまでハッカハムシ飼育記をお読みいただきありがとうございました!!

 

野外で出会う生き物たちとの刺激にあふれた物語を綴ることも、とても楽しいものですが、飼育して始めて抱く感情や始めて知ること、経験は計り知れないものであると思っています。※個人の感想です

 

今後も我々フィールドサイエンス研究会メンバーは、色々な生き物との出会いと経験を通して、生き物たちとの新たな物語の1ページを刻んでいきます!

 

今後ともよろしくお願いいたします!!

 

 

文責:(育てていた植物の芽生えが枯れて号泣した)葉月

採集編に引き続き、F研現会長・3年の葉月です。

 

 

ハッカハムシ(Chrysolina exanthematica)採集・飼育開始から1週間が経ったある日のこと……。

講義を終え自宅に戻ると、飼育容器内の様子がおかしいことに気づきました。

 

 

覗いてみると、そこには茶色い大きな塊が。もしかして……?

 

 

う○こ?(無知)

 

 

まさかと思い、塊をよく見てみると、、、

 

 

卵塊!?

 

 

ハッカハムシの卵についての知識がなかったため、どさっと産み落とされた大きな卵には驚かされました。

 

卵塊をばらし、卵の数を数えてみると......

 

卵は26個あることがわかりました。

卵が孵化することに期待し、親個体を隔離して乾燥対策をした容器で観察を試みました。

 

 

2週間後……

 

 

2mm弱の黒い虫が容器の縁についていることに気づきました。(残念ながら同時期に親個体は天国に旅立ちました。本当にお疲れさまでした……)

 

 

孵化したねえ^^

 

 

モッチリした姿が可愛らしい。

孵化していないハムシたちを見守りながら、親個体と同じ場所でとったミントの葉を入れ、ハッカハムシ幼虫の飼育を続けることとなりました。

 

 

 

今回はここまで。ハッカハムシ飼育記は次回(No.3)に続きます。

 

文責:(最近心身の衰えを感じてきた)葉月

初めまして、F研現会長・3年の葉月です。

 

 

大昔の話になってしまいます。昨年11月のことでした。

突如送られてきた知人からのLINEは、大学で見つけた(屋外通路を歩いていた)この虫は何かというものでした。

写真を見ると.....

 

ほあ!!!??

ハッカハムシ(Chrysolina exanthematica)ではないですか!

 

大学構内でハッカハムシの記録はありましたが、またこいつに会えるとは、と慌てて大学に駆けつけました(この時筆者は市街地付近の川へプラナリア採集に出かけていました)。

 

連絡をくれた知人は虫屋というわけではなく、ハッカハムシを取り置きしてもらうことは叶わなかったのですが、また出てくるだろうと発見場所の周囲を共に探していると、

 

クモの巣にかかったハッカハムシを発見!

彼らはどうやら擬死がとても上手く、既に死んでしまっている個体かと思い、容器にも入れず食堂に放置し(なんで?)ご飯を取りに行きました。

 

美麗昆虫とあったかいご飯を手に入れホクホクな筆者が席へ戻ってくると、机上を歩くハッカハムシの姿が......。

 

生きていることがわかり、せっかくなので(大学構内に生えているミントを餌にして)

しばらく自宅で飼育することに......。

 

 

今回はここまで。ハッカハムシ飼育記は No.2 に続きます。

 

文責:(実はこの時点でハムシ飼育は未経験だった)葉月

どうも2年になりましたトリバネです。

 

先日、前々から採りたいと思っていた

青森県産ヒメギフチョウを探しに行ってきました。

1人だと不安だったので、採りたいと言っていた同級生のエゾホトケくんを連行。

 

目的地に着くと、快晴なうえに風も穏やかでチョウ採集には最適のコンディションでした。

期待を抱きながら山道に入ってヒメギフがいそうな場所を絞ります。(ポイントを知らなかったので…)

 

チョウの吸蜜源である花がポイント選定の頼りです。

 

カタクリ(Erythronium japonicum

カタクリはいろいろな場所で見られました。

ヒメギフの食草であるウスバサイシンは見つけられませんでした...

 

そして、山道の開けた場所ではルリシジミとスギタニルリシジミを採集!

右:ルリシジミ(Celastrina argiolus)

左:スギタニルリシジミ(Celastrina sugitanii)

比べてみると非常に違いが分かりやすいですね。

スギタニルリシジミも私が採りたかったチョウなので嬉しかったです!

 

そしていかにもヒメギフが出てきそうな環境が…

(写真は採集中のエゾホトケくん)

左側は斜面になっていて両脇にカタクリなどが沢山咲いてます。

 

そして…

エゾホトケくんが目の前に飛んできたヒメギフ♂を見事ネットイン!!

ヒメギフチョウ本州亜種(Luehdorfia puziloi inexpecta)

斜面から吹き上がってきたみたいです。ヒメギフ自体初採集らしく、とても嬉しそうでした。

 

その後、全く他個体が飛ぶ気配がなく別の場所へ移動。

しかしヒメギフは採れず、(目の前に止まっていたヒメギフを逃したのは秘密…)

結局最初に採集した場所に戻って来ました。

 

移動中、結構キツい斜面を登り下りしてたのでこの時点で2人の体力は限界へ…

 

エゾホトケくんは日陰に座り込んで吹き上がってくるのを待ちます。

さすがにこんなので採れる訳ないだろ...と思っていたところ

 

またもやエゾホトケくんがヒメギフ♂をネットイン!!

これも斜面から吹き上がって来た個体らしいです。

なんで座った状態でヒメギフを見つけられるのか...

もはや羨ましい限り(泣)

 

そして私はというと、目の前に飛んできたヒメギフをネットイン...!

と思われたのですが、なぜか網には入っていませんでした...。

この時は悔しい気持ちで一杯でした。本当に。

 

ですがその後...

吹き上がってきた♀をなんとか採集できました!!

地元・宮城県で採集してから約2年ぶりの出会いに感動!

なんと交尾嚢が既に付いていました。

 

採集した個体の他に3頭ほど見かけました。

とても満足いく採集となり楽しかったです!

是非とも本州北限の産地を狙ってみたいですね!

 

エゾホトケくん、きてくれてありがとう!!

 

文責:(足がバキバキになりながら書いている)トリバネ