結局は引き出しの数だ | 池袋フィールドのブログ

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ライブハウス 池袋フィールドです。
アーティストとしても活動中の店長・山石敬之が
日々の出会いやエピソードを語っていきます。

印象的な曲を作りたい。

個性的な演奏をしたい。

心に迫る歌を唄いたい。

アーティストは皆んなそう思ってるだろう。

では、どうすれば出来る?

答えはいくつかあるが、行き着く所、

結局は持っている引き出しの数、中身になる。

時々「天から降って来る」的な事を言う人もいるが、

実際にはそれは無い。

人は持ってるもの以外からはまず生み出せない。

その引き出しをかき回し、組み合わせ、

曲を作り、演奏し、唄っている。

 

引き出しの数を決めるのは、

どれだけ多くの音楽に触れて来たか、という事になる。

まずは「聴く」事だ。

元々アーティストだって「イチ音楽好き」なはず。

サウンドに、メロディーに、声音に、歌詞に、

夢中になって繰り返し聴いて来ただろう。

だから君の音楽には、その大好きなアーティストの

影響がモロに色濃く出ている。

それは自然な事だ。

だがその数が少ないと、単なるフォロワーだ。モノマネだ。

引き出しが一個じゃ、組み合わせるにもネタが少な過ぎる。

その元ネタのアーティストは超えられない。

つまり数が必要なのだ。

洋楽、邦楽それぞれから「夢中レベル」のアーティストを探そう。

レジェンドから新人までおびただしい数の音楽が存在している。

クラシック、ジャズ、ワールド・ミュージックにも広げれば、

もう人生が間に合わないほどだ。

呆然とするが、逆に、って事は、

夢中になれるアーティストが絶対にまだまだいるはず。

この探究心とアンテナの張り具合いが、

引き出しの質、量を決める。

 

「聴く」の次に必要なのは「解析」だ。

どうなってるのか知る必要がある。

つまりはコピー、カバーをしてみる事だ。

どうすればこういうサウンドになるのか?

この不思議な気分を作ってくれるコード進行は一体?

このスリリングな展開を作ってるのは、コーラス?ギター?ドラム?

心に染みる歌声は、実際はどう唄ってる?

この研究が君の「引き出しの中身」になる。

持ち物になる。

この研究の中で一番大切なのは、

それぞれのアーティストの「スピリット」にまで迫る事。

どんな想いで、何を、どう表現しようとしてたのか?

そこまで辿る事が、君自身の創作の道筋も作ってくれる。

上っ面だけをなぞっている内は気付けない。

研究対象の内側まで潜り込めれば、その頃にはもう、

君の引き出しは、一つパンパンに膨らむ。

君はそのアーティストの専門家だ。

で、この作業を他のアーティストにも拡げて行くのだ。

最低でも「5組」に対してこれをやろう。

それらを複雑に組み合わせる事で「君」が出来上がる。

そこで「個性」が生まれる。

それはどこの誰にも似ていないだろう。

君の大好きなアーティストもこれと同じ作業を繰り返し、

駆け上がって来たのだ。

 

この「引き出しを増やす作業」は、

本来10代でやっておくべき事だ。

その時期なら苦も無く出来たはず。

残念ながら人の感性は10代後半をピークに落ちてく一方だ。

「もう間に合わないよ」って人は、

今から必死に自分に課して取り組むしかない。

鈍り始めた自分の感性を研ぎ澄ませ、アンテナを張ろう。

難しいが、決して無理な作業ではない。

「ピピッと来る」感じを大切にしよう。

その感覚を君自身の楽曲や演奏にも反映出来れば、

「次」を作れる。先に進める。

 

やるべき事、ヤンなきゃいけない事は多いね。

ボンヤリしてないで、

さあ、今から動け!