久しぶりに厚い本「21世紀の歴史」と言うのを買った。
何かで読んだ”愚者は、経験から学び、賢者は、歴史から学ぶ”と言うオットー・フォン・ビスマルク氏の言葉が頭にあり、普通なら買わないような本なのだが、これからの時代を生きていく上で何が必要なのか考えると、まずは、今を創った歴史を知ることだと思ったからだ。
これは、人に対しても同じことが言えると思う。
自分がこれまで、どの様に考え、判断し、決定し、行動してきたかを振り返ると、その根底に何があるのか見えてくるのではないだろうか。
そこで見えてきたモノこそ、自分が常に持ち続けてきたものではないだろうか。
その見えてきたものこそ、将来への自分の行動指針となるべきものではないかと思う。
そして、この本の最初に書かれていた”日本版序文にかえて”と言う部分を立ち読みして購入を決めた。
そこには、20世紀後半、日本は世界の中心都市になれるチャンスがありながらなれなかった三つの理由が書かれていた。
それを読むと、今の日本国内の政治・ビジネスの混沌とし、停滞した状態と通じるものを感じる。
20世紀後半と言えば、バブルが崩壊したことで、リストラや新入社員の採用の削減など、自分たちが生き残るためにさまざまな対策を講じる為に、内向きに視点が向いていた時期ではないかと思う。
バブル崩壊によって、失われた10年と言われる10年間。
この10年間が、国内の企業の運命を左右したのではないだろうか。
大手企業は、リストラによる人財の損失を最低限に抑えることで、21世紀に入って世界進出への足がかりを造る事は出来ても、中小企業は、リストラや新入社員の採用の削減により弱体化し、新しい次の一手も打てず、現状を維持するのに精一杯ではないだろうか。
そして、今の日本は、サブプライム問題によるアメリカ発の金融危機により、派遣社員の契約解除、新入社員の採用の削減・内定取り消し、黒字経営にも関わらず運転資金のショートによる倒産など、失われた10年を繰り返す兆候が見えてきている気がする。
運転資金のショートによる倒産は、二次補正予算が通ればまのがれる企業がたくさんあるのではないかと思う。
政府側は、税収などの数値が予想値では、三次補正予算を組まなくてはならないと言うことを言っていた気がするが、それは、それでいいのではないかと思う。
運転資金に困っている企業は、今すぐコップ一杯の水が欲しいのであって、来年にバケツ一杯の水をもらっても意味がないのだから。
さらに、新入社員の採用数の削減や内定取り消しなどは、企業組織の年齢構成に今後悪影響を与えるはず。
それでなくても、企業によっては歪な年齢構成になっているはず。
少子化であり、若い人の労働人口の減少を考えた場合、10年・20年と先を見据えれば今の段階で新入社員をそれなりに採用しておかないと、長期的な企業戦略を考えることも出来ないのではないだろうか。
若い労働人口が減り、その時になって20代後半や30代のフリーターやニートの人を雇用しても、即戦力とはなり得ないはず。
そうであれば、基本給など給料面の金額を多少下げてでも、若い人材を確保したほうがよいのではないかと思う。
今の状況であれば、人材が集まらないと言う事はないのではないかと思う。
就活している学生は、来年四月に無事に入社出来たとしても、それで安心は出来ないのではないかと思う。
今回の金融危機は、最初は、他の国の出来事であって、自分の国には対して影響がないと思われていたが、そのような考えは甘いと分かったはず。
ゆえに、常に世界の情勢には目を向けなくてはならないと言う事も実感できたはず。
少なくとも英語の語学力は求められるだろうが、それ以外に世界に目を向ける為には、最低限にどのような知識を得て、どのようなスキルが必要なのか、さまざまな方面の情報収集をする必要もあると思う。
20世紀は、日本国内でビジネスが完結していたかも知れないが、これからの時代は、国内だけではビジネスは完結しないだろうし、してはいけないと思う。
ピーター・ドラッガー氏の「ドラッガーの遺言」と言う本に、21世紀と言う新しい時代は、「金融を基盤とした経済世界」から「情報を基盤とした経済世界」へと移行すると書かれている。
生産拠点を海外へ移管する傾向が増えてきている現代。
まさに、日本は情報を基盤とした経済世界で生きて行かなくてはならないのではないかと思う。
そのためにも、世界の情勢など、さまざまな情報に目を向ける必要性が出てくる。
TV”カンブリア宮殿”や”ガイヤの夜明け”を見ていると国内に目を向けるだけでなく、海外へ積極的に出て行き、可能性を広げている民間企業がなんと多いことか。
それは、誰の為かが明確に見えているからこそ、スピーディーにぶれない一貫した行動が出来るのだと思う。
それに比べて、政府ごたごた。
誰のための政治なのか、そこのところがゴッソリ抜けている気がする。
自らの既得権益を守っているつもりが、自分で自分の首を絞めている事に気がつかないのかと感じてしまう。
さらに本には、日本の地理的位置の有利性・重要性も書いている。
日本は、アジア地域との交差点・アメリカとの交差点・オセアニア地域との交差点の拠点に地理的に位置して、それらの三つの円の交わった部分を上手く融合できれば、潜在的な成長力を持っていると書かれてあった。
日本の位置の重要性に関しては、ピーター・ドラッガー氏も書かれている。
少なくとも日本は、アジア地域の玄関口になり得る可能性を持っているのは、誰が見ても明らか。
それが出来なかったのは、国内ばかりに目を向けていた結果ではないだろうか。
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