今年の5月に、下北沢でモデルをしていただいた、Ninaさん
はご記憶でしょうか?
この写真の撮影の後、ちょっとお話をする機会がありまして
Ninaさん自身がポートレート写真を撮りたいので、モデルを
探しているということでした。
それならということで、一押しで利多さんを紹介させていた
だいたのですが、女性が撮る利多さんの写真にはとても
興味があったので、私も楽しみにしていました。
Ninaさん自身がポートレート撮影を始めたばかりということ
もあって、どのように撮影したらよいのか迷っていた様子
でしたので、それなら、おじさんが写真を見てあげましょう、
はっはっはっ~
ということになりました。
それで、先日出来上がった利多さんの写真を見せていた
だいたのですが・・・
きゃあ~!!
あたしより、上手に撮れてる~!!!
なになに、この利多さんの優しい表情と眼差し、
1枚目の淡いオレンジ色の光の中に浮かび上がる利多さんと、
桟橋を渡る人の配置による二つの世界が共存する、画面構成の
すばらしさ・・・
いえいえ、一番むかつく、じゃないすばらしいと思ったのは、
Ninaさんが利多さんに投げかける思いを、利多さんがしっかり
と受け止めて、それをNinaさんに表情で返しているところです。
一方的な撮影でなく、双方向での意思の疎通が感じられる
ものですから、利多さんの表情の中に、Ninaさんも生きて
いるかのようです。
利多さんに聞くと、やはり相手が女性の撮り手ですと、内面
からだすものも違ってくるとおっしゃっていました。
どーせ、あたしは、はげ出っ歯じじぃですからね・・・
ふん!
Ninaさんも、利多さんも、そんで、こんな綺麗に撮れた利多
さんの写真も、みんな嫌いだ~!!
あっち行け~!!!
ん?
まてよ、
相手が女性ならこういう表情を出してくれるなら、
こんどはあたしが、女装して撮影すればいいんですね!
と、利多さんに打診しましたが、
却下されました・・・
冗談はさておき、私も6年間、利多さんを撮影している間
一時は、私が利多さんを撮影すると、こうなる、といった
考えを持ったこともありました。
ですが、それは単なる驕りでしかなく、人は多面的で、
どんなに優れたカメラやレンズ、あるいは技法をもっても、
その一面しか撮れないということですが、それ以上を求める
のも愚かなことだと、そしてたかが写真ではないかと最近は
思うようになりました。
やっぱり、じじぃか・・・