fidealのブログ

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イスタンブール旧市街を歩いていると、

 

10歳くらいの男の子が二人話しかけてきた。

 

 

 

「ハシモト、ホンマカイナ、ソウカイナ」

 

 

 

ハシモトは、当時の内閣総理大臣、橋本龍

 

太郎のことだと思いますが、外国人が話す

 

大阪弁というのは、違和感がなく、流暢に

 

聞こえてしまうのが不思議でした。

 

 

 

イスタンブールであれば、多くの日本人が訪

 

れていたり、居住したりしていますので、そ

 

んな日本人を相手に、子供なりに楽しんでい

 

たようです。

 

 

 

旧市街の安宿にチェックインして、バックパッ

 

クを下ろし、一息ついた夕暮れ時、ガラタ橋ま

 

で歩くと仕事帰りの人、橋から糸を垂らして釣

 

りをしている人、名物のサバサンドを売る人、

 

買う人などで溢れており、その中に混じって

 

夕闇に染まるブルーモスクを見ながら宿に戻り

 

ました。

 

 

 

イスタンブールで初めての朝を迎えたとき、窓の

 

外からカモメの鳴き声が聞こえました。

 

11月終わりのイスタンブール旧市街の安宿は、

 

外気温と大して変わらない冷気につつまれていて、

 

モスクのミナレットに設置されたスピーカーから、

 

カモメの鳴き声をかき消すようなアザーンの呼び

 

かけが聞こえてくると、嗚呼、自分はイスラムの

 

国トルコに居るのだなと改めて実感しました。

 

 

 

 

部屋を出て、旧式の蛇腹式エレベーターの扉を開け、

 

1階まで下降する。

 

ホテルを出ると、澄んだ初冬の朝の光をバックに、

 

男性が親しみをこめて、手を振ってくれた。

 

親日国トルコだなと嬉しく思う。

 

 

 

 

疾走する無数の車、クラクションの嘶き、男たちの

 

怒号、地響きを立てながら迫りくるトラム、そんな

 

凄まじい喧騒の荒波にのまれそうになりながら、通

 

りで交通整理をしている警察官に、郵便局までの道

 

を尋ねると、不慣れな日本人観光客を危ういと思った

 

のか、いきなり通りを走っている車を制止させて、

 

郵便局まで乗せていくように指示をしていました。

 

止められた運転手はびしっとスーツを着た中年の男性

 

で、快く対応して、そのまま車に乗せてもらいました。

 

きれいな後部座席に座っている間、ついさっきまで、

 

のまれそうな喧騒の中に居た自分が、大船に乗ってい

 

るような気分になっていました。

 

日本では考えられないことですが、宗教と社会が一つ

 

の大きな共同体を形成している、そんな一面を垣間見

 

たような出来事でした。

 

 

 

冬のイスタンブールは、曇りや雨の日が多い。

 

スレイマン時代から、その景観が変わらない古都イス

 

タンブール、喧騒を離れ路地裏へまわると、しっと

 

りとした雨の中、歴史的な重厚感と静けさの空間が威厳

 

をもって鎮座していた。